参考資料

The Trouble with Japanese Nationalism

Francis Fukuyama



Francis FukuyamaBarely half a year into his premiership, Japan’s Shinzo Abe is provoking anger across Asia and mixed feelings in his country’s key ally, the United States. But will the Bush administration use its influence to nudge Abe away from inflammatory behavior?



Abe’s predecessor, Junichiro Koizumi, was a mold-breaking leader, reviving Japan’s economy, reforming the postal savings system, and smashing the long-ruling Liberal Democratic Party’s faction system. But Koizumi also legitimized a new Japanese nationalism, antagonizing China and South Korea by his annual visits to the Yasukuni Shrine. If anything, Abe is even more committed to building an assertive and unapologetic Japan.



Anyone who believes that the Yasukuni controversy is an obscure historical matter that Chinese and Koreans use to badger Japan for political advantage has probably never spent much time there. The problem is not the 12 Class-A war criminals interred at the shrine; the real problem is the Yushukan military museum next door.



Walking past the Mitsubishi Zero, tanks, and machine guns on display in the museum, one finds a history of the Pacific War that restores “the Truth of Modern Japanese History.” It follows the nationalist narrative: Japan, a victim of the European colonial powers, sought only to protect the rest of Asia from them. Japan’s colonial occupation of Korea, for example, is described as a “partnership”; one looks in vain for any account of the victims of Japanese militarism in Nanjing or Manila.

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米国から見た安倍政権

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7月 012007

現在、アメリカのアジア戦略家たち、主に外交問題を専門とするジャパン・ハンドラーズと言われる人たちは、日本だけではなく中国を中心にそこに日本を含めて東アジア関係をどのように管理していくか、中国の東アジアにおける台頭にどのように対処していくかという問題に忙殺されている。

したがって、日本が今の段階で必要以上に東シナ海や北朝鮮の問題で近隣と事を荒立てて緊張関係を作り出すことは、アメリカのブッシュ政権を動かす国際金融財閥の連中は臨んでいない。だから、現在、日本の政界工作を行うという様子はうかがえない。

コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授が、日本語の話せる日本対策要員として、アメリカの戦略を決定する情報収集要員として比較的頻繁に日本政府関係者と対談しているが、その彼でさえも、今の安倍首相を襲った「年金問題」について、「安倍首相にとってのハリケーン・カトリーナ」になると言っている。これはハリケーン・カトリーナ(2005年)がルイジアナ州に来襲したときに、ブッシュ政権が正しい対応をとらなかったために国内で大きな批判を浴びたことで支持率が急低下したことをさしている。



<安倍首相を定期的に監視しているカーティス教授>



北朝鮮問題でも、アメリカはロシアを通してバンコ・デルタ・アジアにあった北朝鮮の秘密資金口座を何の条件も付けずに全面的に返還する決定を行った。中国が米国の思うように動いてくれなかったので、ロシアの中央銀行を通し、アメリカのニューヨーク連銀を通した中央銀行ネットワークを使って送金を行った。ここまでするほどに追いつめられたと見るべきだろう。ネオコン勢力が、一気に停滞し、対中ビジネス重視派のロバート・ゾーリック前国務副長官(ゴールドマン・サックス・インターナショナル副会長)が、次の世銀総裁に就任するのも、今の総裁のウォルフォヴィッツがネオコン的思考から中国人の世銀スタッフを外そうとしたことを、国際金融業界のメンバーが多く参加する秘密会議「ビルダーバーグ」のメンバーの不興を買ったからと言われている。

国際金融財閥としては、今の中国の好景気が続き、アメリカの多国籍企業にとって有利にサイクルを回せる限り、この中国と米国の良好な投資環境を維持していきたいと考えている。北朝鮮と事を荒立てたくないのも、アメリカが、中国を刺激しないようにするのと、元外交官:原田武夫氏などが指摘してきたようにタングステン、ウラン、金等の稀少金属の利権を狙って先んじて確保したいという狙いがあっての事だろう。 タングステンは、劣化ウランを使わずに、兵器の砲弾を製造できるということで戦略物資と目されているのだ。

そのような国際情勢を安倍総理が理解しているかどうかは分からない。

安倍首相は、反米心と親米心が複雑にない交ぜになった心理状態を持っている?首相で、一方では岡崎久彦氏をブレーンに迎えながら、一方でアメリカからは慰安婦問題でタカ派疑惑(アメリカの意向を無視しかねないコントロールしにくい人材という意味で)を持たれて睨まれている。前の森首相時代には、北朝鮮の拉致問題解決には「拉致被害者が第三国で見つかったことにして解決させればいい」という不思議な考えもあった。これは森前首相らが北朝鮮の開発利権を、日本が先んじて確保したいという裏の意図があったわけである。この森前首相の思惑を、米国在住の片岡鉄哉氏(日本永久占領の著者)はかつて「森首相らは第三東名高速を北朝鮮に作りたい」のだと皮肉ったことがある。

いずれ、国交回復して何らかの戦後補償を行わなければならないのであれば、その交渉の中で生じる政治的なうま味を自分たちの派閥で押さえておきたいという発想である。これは韓国との国交回復で当時の日本政府首脳が行ったことと同じ手法である。

また、アメリカでわざわざ慰安婦問題で日本を糾弾する決議が採択された(現地時間26日)が、これは安倍首相個人に対する攻撃と見るのが正しい。実際には、産経新聞の親米派の古森義久記者が何度も指摘しているように、裏で中国系アメリカ人の団体が、政治献金を使って民主党のマイク・ホンダ下院議員らを操っているのだろうが、その採択が行われる事自体が、アメリカが今は日本よりも中国対策に気を使っていることを意味している。米国にとって、日本の価値がますます低くなっているという現状がある。カネだけは米国債買いや低金利の形で吸い出されるのでは、「キャッシュ・ディスペンサー」:「金のなる木」と同じである。

現在、アメリカは日本の国内情勢には総じて興味がない。今夏の参院選だけでは政権が変わらないことも理解している。

このことを踏まえた上で今の日本国内における安倍政権に対する支持率急低下を見ると、これは年金や社会保険庁の問題といった国内要因に端を発しているというしかない。安倍政権では、発足早々行革担当大臣が政治資金問題で辞任、農水大臣が“自殺”:”圧殺”している。特に現職大臣の自殺は全く始めてである。

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~日本に対し農産物輸入「完全自由化」を強く求める欧米の多国籍食品企業、その攻撃の前面に立たされる農林水産大臣~

一例として、狂牛病を巡り激しい攻防を日本の農林水産大臣と繰り広げてきた米国の牛肉業界の内情を考えてみよう。

世界の「食料倉庫」として牛肉輸出を強力に推進する米国の食肉業界は、アーマー社、スウィフト社、タイソン・フーズ社(鶏肉専門)等、わずか数社によって全米の食肉業界が支配されると言う極端な権力集中体制を取っている。

こうした食肉流通の独占企業は、その食肉加工工場の建設費用、輸送冷蔵トラック購入費用、そして巨大牧場の建設・運営費用を巡り、完全にブッシュ大統領一族の銀行シティバンクに経営を握られて来た。

さらに家畜に食べさせる配合飼料の販売元である穀物商社カーギル=モンサント社により、家畜の飼育段階から完全に支配下に置かれている。

ベトナム戦争で使用された化学兵器枯葉剤を製造し、遺伝子組み替え食品の独占企業でもあるモンサントは、ブッシュ一族とそのボス、ロックフェラーにより経営されているのである。



現在、食肉業界は、こうしてブッシュ=ロックフェラー一族により完全に支配下に置かれている。

それはロックフェラー一族が、元々クラーク・ロックフェラー商会という食肉業者として商売を始めた歴史からも来ている。

かつてこのアーマー社の社長J・W・マッキントッシュが、米国中央銀行FRBの理事を務め、また第二次世界大戦後、初めて日本に駐留したCIAの初代日本課長カールトン・スウィフトが、スウィフト社の社長として日本に牛肉消費を強力に売り込んだ(押し付けた)歴史を持つように、米国の食肉業者はそのまま米国の金融業界、

そしてスパイ業界の中核に重なる。

日本人に牛肉を「食べるように」推進した事は、米国食肉業界のCIAエージェントの「国策・工作」であった。

このCIAが日本を含め世界各国の国会議員、政治家達の女性スキャンダル、裏金作り情報、松岡農林水産大臣の「なんとか還元水」問題等の情報を調査・把握し、米国に逆らえば日本の東京地検特捜部に匿名ファックスを送り付けて来る事は日常的に行われている、常識的な「慣例」とも言われている。

小泉元総理が学生時代に犯した日本女子大学の大学生に対する強姦事件と、神奈川県警に逮捕された小泉元総理の警察の取り調べ調書も米国側は当然握っていた。

そのため、わが小泉純一郎氏は残念ながら、完全に 「操り人形」と化していた。

現在では、極東最大のスパイ組織キャンプ座間にある米国陸軍第500軍事情報大隊が総力を上げ、日本の政治家、企業経営者達のスキャンダル情報の調査・ 蓄積を行っている。

相手は軍隊である。無防備な農林水産大臣1人を「潰す」事は簡単である。

このロックフェラー=ブッシュの食肉企業の子会社として日本で活動してきたのが、ハンナン=フジチクという食肉輸入の独占企業である。

カナダ、オーストラリア産の食肉も含め、このハンナン=フジチクは日本の食肉輸入の70%を単独で独占して来た。

その社長浅田満は、暴力団山口組の5代目組長(先代)渡辺芳則の舎弟であり、暴力団山健組の組員である。

ロックフェラー=ブッシュ一族が、山口組と食肉輸入を巡り、過去一体化して来た歴史がここに見える。

米国産牛肉には、輸入価格に広域暴力団山口組の活動費用が「上乗せ」され、不当価格で「販売」され続けて来た。

牛肉を買う事が、そのまま山口組の活動費用を「寄付」する構造になって来た。

山口組は、その利益を自民党、経世会の橋本龍太郎、野中広務に「上納」し、政界へのパイプとして来た。

この山口組のボス橋本= 野中が、「郵政民営化」問題で小泉元総理によって潰された。親分を潰されたヤクザが「手段を選ばず」報復に出る事は眼に見えている。

しかも山口組と小泉、そして安倍政権の間には因縁の対立があった。

第二次大戦中、現在の北朝鮮、韓国で麻薬売買を行っていた山口組は、中国本土で麻薬売買を行っていた岸信介=安倍晋三総理の祖父と、その子分である右翼の児玉誉士夫と激しい縄張り争いを行った天敵の関係であった。

安倍総理の資金源である祖父岸信介の麻薬ビジネスは山口組と激しく対立し、それはそのまま戦後の日本国内における、安倍=岸=右翼児玉と山口組との麻薬売買の縄張り抗争となって現在まで続いている。

山口組が執拗に牛肉問題を巡り、安倍晋三の閣僚、農林水産大臣を脅迫、追い詰める理由はここにある。

また小泉元総理と山口組とも因縁の対立がある。

小泉元総理は、山口組=食肉業者ハンナンの社長浅田満を逮捕させた。名目は鶏の病原菌感染死を厚生労働省に報告しなかった等という事になっている。

しかし実体は、広域暴力団稲川会の幹部と関わりのあった祖父を持つ稲川会直系の小泉元総理が、稲川会と激しく対立する山口組の資金源ハンナンを潰しにかかったものであった。

安倍総理の資金基盤である祖父岸信介=児玉誉士夫の麻薬組織も、それを「良し」とした。逆上した山口組は、米国の輸入牛肉を徹底的に調べ、狂牛病の原因になる骨髄が入っている事をマスコミに暴露し、小泉のボス=ブッシュ=ロックフェラーを日本の輸入牛肉市場から追放した。危険な輸入牛肉が摘発されたのは、日本の食肉検査官が「たまたま正義感を回復」したからでは全くなかった。

日本の輸入食品検査官が「正義感から危険な食品を摘発」した事など、過去にも現在にも一度もない。

日本の山口組が総力を上げ、ハンナンの社長を逮捕した小泉の「顔にドロを塗った」のである。

小泉のように、ブッシュ=ロックフェラーに対し「郵便貯金を全て貢ぎ物として差し出す」ような「手土産」の無い安倍総理は、米国食肉マフィアから小泉時代以上に激しい圧力を加えられるのは必定。

その矢面に立ったのが農林水産大臣である。

また小泉のように稲川会という広域暴力団のバックアップの無い安倍政権に対しては、山口組の攻撃は激化する。

しかも山口組にとって天敵=岸信介の後継者、安倍晋三である。さらに山口組はボスの橋本=野中を潰され、ヤクザのメンツを潰されている。米国マフィアと日本マフィアに挟まれた農林水産大臣は圧死したのである。

*参考  「この国を支配/管理する者たち 諜報から見た闇の権力」

著者/ 中丸薫/著 菅沼光弘/著

元外交官 原田武夫氏のコラムより

「スティールメイト化する世界」

~ある先輩氏からのアドバイス~

先日、永田町・霞ヶ関界隈で活躍されている大先輩から、電話を頂いた。私からご挨拶を申し上げる間もなく、いつものとおり血気盛んな先輩氏は、これまたいつものとおり大声で携帯電話越しに次のようなアドバイスを一気呵成におっしゃった。

「原田くん、君がいろいろなところで盛んに発言しているのを楽しみに拝見させてもらっているよ。しかし、一つだけ気になったことがある。君は、5月1日に解禁になる三角合併を控え、米系を中心とした外資勢が安値で買い叩けるよう、日本株マーケットがその直前までの間にズドンと落ちると予測しているね。しかし、残念ながらそうはなりそうもない。今の相場を見ていると、電力株の高騰などを見るにつれ、君がまだ子どもだった1980年代前半の相場にそっくりなんだ。今回も、あの時と同じように、このまま一直線に上がっていく。株の予想は、君が思っているより、はるかに難しいものだ。気をつけたまえ」

世間の目にはさらされない日本の最深部の動きを、私にいつも噛み砕いてご教示下さるこの先輩氏からの文字どおり貴重なアドバイスを、私はじっと黙って聞いていた。先輩氏のアドバイスは、数十歳も年の違う私に対する暖かい好意の現れであり、また、忠告でもある。ありがたく拝聴すべきものであることは言うまでもない。

しかし、同時に先輩氏のこのアドバイスは、いつも以上にチャレンジングなものでもあった。なぜなら、先輩氏の朗々としたお声を電話口で聞きながら、私の胸には、一つの単語が思い浮かんだからだ。

スティールメイト状態にある世界のマーケット

「スティールメイト」――チェス用語の一つである。

スティールメイトとは、チェスの独特のルールの一つ。「次に動かすことの可能な駒がひとつもなく、しかも、そのままキングを動かさなければそのキングを取られることはない (つまりチェックされていない)こと」を指す。

難しいのは、時に試合が自分にとって明らかに優勢だと思われる展開であっても、下手をするとスティールメイトに持ち込まれる可能性があることである。チェスはこの点で、最後まで追い込み、王将を取ってしまう将棋と大きく異なっている。

いきなりなぜ、こんなチェス用語を持ち出すのかといぶかしがる読者の方もきっと多いことだろう。しかし、このチェス用語=「スティールメイト」こそ、今現在の日本をはじめとする世界中のマーケットの状況を説明するのに最も適当な考え方なのである。

~個人投資家として生き残るための5つのポイント~

私はこのコラムにおいて、日本の個人投資家として生き残るためには、一般にはまったく言われていない、次の5つのポイントをおさえることが、たとえば財務諸表を読みこなす技術や株式のテクニカル分析を極めるよりも先に必要だということを繰り返し説明してきた(拙著「NOと言える国家」(ビジネス社)も参照いただきたい)。

1)世界の中心には、米国を統治する閥族集団(これを「奥の院」と呼ぶ)がおり、彼らを中心として構成されているのが、米国を中心とした世界の覇権構造である。彼らは深い宗教心?に依拠しつつ、その信心の現れとして、世界中から富を徹底して奪いとり、これを集積することを生業としている。

2)世界のオーナーである「奥の院」からすれば、米国政府はブッシュ大統領以下、構成員全員が「マネージャー」に過ぎない。また、その長である大統領の座を巡って行われる選挙のために組織される民主・共和の両党からなる米国の「民主主義」という名の政治構造も、結局はゲームの中で胴元を務める「奥の院」の存在を隠すための仕組みに過ぎない。

3)「奥の院」に仕えるマネージャー国家としての米国は、自らの覇権構造を維持するため、サブマネージャーとでもいうべき諸国家を引き連れている。ドイツ、フランス、中国、ロシア、インドなどがその典型例である。これらのサブマネージャー国家は、マネージャー国家(=米国)がつくったゲームのルールを承認した上で、その覇権の維持を手伝うことで、いわば「おこぼれ」に預かろうとする国家たちである。

4)マネージャー国家とサブマネージャー国家による収奪の対象となるのが、ただひたすら働くことしか知らない哀れな国家=「ワーカー国家」である。その一方で、これらの3つとは別に、マネージャー国家がつくりあげるルールを徹底して撹乱(かくらん)することで、生き残りを図る国家もいる。これが「ハイエナ国家」である。前者の代表例が日本であり、後者の代表例が北朝鮮であり、イランである。

5)重要なのは、以上の世界構造の中でマネーが動いていく流れには一定の方向性が見られる点である。それは、さまざまな迂回(うかい)ルートはあるにせよ、富は最終的に「奥の院」の財布に入っていくということである。国境をまたぐ形で行われる、そのための集金作業を行うのが、「越境する投資主体」である。ファンド、あるいは投資銀行と呼ばれる「越境する投資主体」はこうした集金のためであれば、手段を選ばない。外交、軍事など、人間生活のあらゆる側面を駆使して行われるこの集金作業の中で活躍するのが、情報工作機関であり、また、一見したところマネージャー国家とは不倶戴天の敵のように思われている「ハイエナ国家」である。

~閉塞感だけが蔓延(まんえん)する世界情勢~

以上の基本構造を踏まえた上で、あらためて世界の現状を分析してみるとどうなるか。

たとえば北朝鮮情勢については、ブッシュ政権がこれまでの方針を大転換し、北朝鮮と直接協議をあからさまに行うようになったという意味で、動きがあるように見えなくもない。しかし、2月13日に閉幕した第5回六か国協議で合意された外交文書は、外交のプロたちが作ったとは思えないくらい、穴だらけのものだ。ブッシュ政権は表向き「外交上の大成果」と喧伝し、現にさらなる譲歩を重ねて北朝鮮に歩み寄るかのように見えるものの、北朝鮮が最終的な「大団円」に向け、これに乗るかはいたって不透明な状況にある。米朝関係が進展すれば、自ら米国が日本に北朝鮮との国交正常化に向けた圧力をかけ始めるものと考えられるが、そうでない以上、日朝関係も閉塞したままである。

また、地球の裏側に目を転ずると、イランを巡る情勢がますます緊迫化してきている。しかし、イラクについてはあれほどまでに一気呵成に武力攻撃に踏み切った米国は、今回、そこまで気合が入っているとは思えない態度に終始している。EUも制裁容認の方向へと舵を切ったものの、それでもなお、一時のような「イラン叩き」の勢いは見られない。それが証拠に、徐々に原油価格は上昇トレンドになってはいるが、決定的な形で「急騰」へ転じてもいないのである。しかも、インドにいたってはパキスタンと共に、イランとの間で10年越しの課題である天然ガス・パイプライン建設に向けた協議まで行ったのだと聞く。

さらに大きな視線で見てみると、米ロ関係についても閉塞感が漂う。2月9日、10日にドイツ・ミュンヘンで行われた安全保障会議で、プーチン大統領が東欧地域に「対イラン」を目的にミサイル防衛システムを設置しようとする米国を激しく非難した。しかしその一方で、北朝鮮については六か国協議の席上で米ロ間が争った形跡はない。イランについても、ここにきてまったく同じく平穏無事に推移してきている。

世の中の趨勢(すうせい)を占うという意味で決定的なのは、米国の大統領選(2008年12月)に向けた動向だ。だが、ここでもまた方向性の喪失と閉塞感が否めない。「基本的には民主党への政権移譲だろう」と誰しもが思いつつも、民主党全体としても見ると、中間選挙(昨年11月)に大躍進した割に共和党に対する決定打を打つにはいたっていない。イラクへの増派を求めるブッシュ政権を相手に議会で手こずっている姿だけが目につく。

そして、日本の内政状況を見ても、同じく閉塞感だけが蔓延(まんえん)している。北朝鮮情勢、とりわけ日本人拉致問題を巡る動きの悪さを原因として安倍晋三政権が窮地に陥るだろうということが、永田町とメディアでは「常識」となりつつある。しかし、それ以外の内政上のさまざまな問題をかけあわせても、安倍政権にとって致命傷にはなっていないのが現実だ。こうした政治状況は見ていて「茶番」として面白おかしいものではあるものの、マーケットでは「内政リスク」として認識されないままでいるのが不可思議ではある。その一方で、日本の旧財閥系企業の深遠な部分で活動する、ある種のネットワークの中では、安倍政権の「急所」に対する一斉攻撃が着々と仕込まれているとの情報も耳にする。

以上は世界の現状について、そのほんの一部を切り取ったに過ぎないものであるが、同時にそのトレンドを端的に示している。それはひと言でいえば、閉塞状況、しかもこれ以上打つ手がないかのように見える状況=「スティールメイト」なのだ。

~米朝協議はなぜドイツで行われたのか~

「世界を仕切るのが『奥の院』であり、そこにすべてが集約されるのであれば、彼らはいわば全知全能、すべてを裁けるのであって、そもそも閉塞状況など生じることがないのではないか」――読者の方々はそう言われるかもしれない。だが、問題は世界中の至るところで起きているスティールメイト化の原因をたどった結果、そこで拮抗しているプレーヤーがどのレベルの者たちかなのである。もっと端的にいえば、閥族集団である「奥の院」が果たして今、ゆるやかではあれ、一つにまとまりきれているのかなのだ。

現状を分析する限り、この問いに対する私の答えは「NO」である。その最大の論拠となるのが、1月16日よりドイツ・ベルリンで行われた米朝協議なのである。「なぜこの協議が北京でもなく、NYでもなく、これまでまったく関係がなかったドイツのベルリンで行われたのか」という点について、日本の大手メディアはまともな分析をした形跡がない。もちろん、「なぜベルリンだったのか」ということについては、米朝間のトップ・シークレットであるはずなので、その理由が開示されることはおそらく未来永劫ないであろう。しかし、ただ一つはっきりと言えるのは、覇権国である米国であっても、どうやらそれを凌駕(りょうが)する存在がいそうだということである。しかもそれは、日本と同様に米軍が国内に駐屯し、国家として米国に歯向かおうとすれば、すぐさまつぶされてしまうに違いない非核保有国・ドイツでもないだろうということにもすぐ気づく。となると、元来的にドイツにいるものの、国家としてのドイツを超える存在こそが、すべてを演出した主体だということになる。さらにいえば、イラン問題、そしてロシア問題のいずれも、ドイツは深く関与してきている国際問題だ。これらすべてが、小細に見ると、こうした「見えないドイツ」へと収斂(しゅうれん)していく。そして「見えないドイツ」とその対抗勢力とが、ステルスな戦いを続けている結果、生じた状況。―――それが、現在のスティールメイト化した世界に他ならないのである。

賢明な個人投資家でもある読者の方々は、以上の分析を知れば、「今後、マーケットはどうなるか」について、もはや予測がついたことと思う。スティールメイトが続くのは、プレーヤーがその局面を続けようという意思を持っている時だけなのである。すべてをリセットし、新しく局面をつくっていくとの共通意思が成立した瞬間、スティールメイトは解消する。

~新たなゲームの開始時期を待て~

日本をはじめとする世界的な株高は、決して景気循環や企業財務分析だけでは語れないものなのだ。日本、米国、ロシア、韓国、フランスと、次々に国政選挙が行われていく中で、それに向けたマーケットでの資金調達を行おうとする閥族集団同士がスティールメイト状態となり、異常なほど緊張感がみなぎってきた結果、もはや誰も説明ができないほどのラリーとなっているに過ぎないのである。したがって、冒頭の先輩氏にあえて反論するならば、日本がまだ閉鎖経済であった1980年代前半の株高と、金融ビッグバン後の「越境する投資主体」による草刈り場となった現在の日本における株高とを単純比較することはできない。

むしろ日本の個人投資家として今、この瞬間に神経を研ぎ澄ましておくべきなのは、「スティールメイト状態」がいつ解消し、新たなゲームが開始されるかなのである。その瞬間に、相場は「瓦落(がら)」となる。確かに、今回のスティールメイトは閥族同士の巨体と巨体のぶつかりあいだけに、そう簡単に解消されるはずもない。実際、これまで見えてきたシナリオは今年に入ってから大幅に遅れてきた感がある。しかし、ハシゴを外すと決めた瞬間には途方もないスピードとエネルギーで双方向から動くはずでもある。したがって、追加投資を重ねて相場の高揚感に酔ったふりをしつつも、緊張感をもって逃げ足を十分に確保しておくことこそが、正しい投資法だといえるだろう。

かねてから述べているとおり、私がこのコラムでお伝えしているのは、先輩氏の言葉でいう「株の予想」ではない。むしろ、マネーが織り成す「世界の潮目」というより大きな構造と、それを知るためのセンスの習得法こそがそのテーマである。今のスティールメイト化した状況の後にやってくるマーケットの急展開は、個別銘柄を云々する以上に、個人投資家はまず何を学ぶべきなのかをはっきりと示すことになるだろう。

~否決された竹中郵政民営化法案とはどのような法案か~



今回の衆議院解散劇の主要テーマであり、参院本会議で否決された「竹中郵政民営化法案」とはそもそもどのような法案だったかを考えてみる必要がある。

ご存じのように、2001年4月1日に「財政投融資制度」(財投)が廃止されて、郵便貯金や年金積立金を「官から官へ」資金運用を預託する制度が廃止された。

そして「日本郵政公社」が設立されて、郵便貯金については官僚たちの国策運営ではなく、金融市場で自主的に運用されることになった。それでも郵便貯金230兆円と簡易保険120兆円の計350兆円もの膨大な資金が、官僚組織によって非効率に運用されてきたのは、紛れもない事実である。この郵政公社を当初の約束では5年間の移行期間は存立させるとしていたのを、なぜか急にたったの2年半で急いで完全に民間企業に転換しようというのが今回の法案である。

もちろん、このような急な動きの裏には、アメリカのからの強い圧力があった。

このために、小泉首相や竹中平蔵郵政民営化担当相の政府側から、また松原 聡東洋大学経済学部教授をはじめ政府の御用学者や、今や公然と米国の手先言論と化している日本経済新聞を中心とする大新聞、テレビ局の大手メディアから急速に郵政民営化=改革というアジテーションが流されることになったのである。それが今年の4月からの流れである。

政府と同調する法案賛成論者たちの専門的な用語を使った説明を聞いていると「民で出来ることは民で」と、いかにももっともらしいことを語っているように聞こえるが、実際には、こうした論理はこの問題の本質を巧妙に覆い隠しているものと言わざる得ない。

なぜなら、この竹中郵政民営化法案が基本テーマは、はっきり、言ってしまえば、米国のロックフェラー財閥を中心とするニューヨークのユダヤ系金融資本が、日本の60歳以上の高齢者3000万人の“国民の最後の虎の子”である郵貯や簡保の350兆円の巨額の国民資金を奪い取ることにあるからである。

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