今回は、「エコノミスト、浜 矩子氏」が絶妙な比喩を使っているのでそれを借用して世界・日本の政治経済を分析してみたい。それでは、彼女が「世界昆虫戦争、アリとキリギリスの戦い」としてどのように世界経済を語っているかをまず、目を通していただきたい。

*参考資料

『恐慌ドラマの行き先は? 今、恐れるべきことは何か』 

        ~エコノミスト・浜矩子講演より引用~  (2010年9月11日)

 「私が挙げました、今恐れるべきことのその2は、昆虫大戦争でございます。

これも財政恐慌と無縁では、ございませんで、どういうことかと申し上げますと、今我々はグローバルジャングルという場所において生息をしているわけでございますが、グローバルジャングルの住人たちは、次第々々に2種類の昆虫に、それこそ、仕分けされ分類されてしまって来ています。 

グローバルジャングルは2種類の虫さんたちが巾を利かせている感じが致します。

そのグローバルジャングルを席巻しております2種類の昆虫たちのそれぞれの名前は、アリとキリギリスでございます。

アリとキリギリスに、グローバルジャングルは2分されつつある訳でございます。

そして面白いことに、アリ対キリギリスの対立の構図は、色々なレベルで目撃・観察することができます。 

一番はっきり最近において出ておりましたのが、ギリシア(ギリシャ)問題を噴出させたEU、ヨーロッパにおいてギリシアが財政完璧大赤字になってしまって、国として倒産するかも知れない。

この倒産寸前国家、倒産寸前の仲間をEUのその他の国々が、果たして支えるのか、支えないのかで大もめに揉めつつ今日に至っております。

ギリシアと同様の問題を抱えている国々もありなんと言うところでございますが、差し詰め、ギリシアがキリギリスその一、という格好で出現して来たと思いますし、EUという枠組みの中でそのキリギリスをどうやって支えていくのか、支えていかなければならないのか、という事で思い悩んでいるアリさんがいる。

「我々はひたすら財政節度を守り、企業は生産性を上げ、労働者は一生懸命働いて、アリさんの見本をやっている、この我々が、ふしだらなキリギリスをどうして支えなければならないのか?」とドイツは思っていて、それに対してキリギリス国家群側からは、「アメリカたちが、アリさんたちに余りにもけちけちし、いじめ過ぎるからこういうことになる。少しはキリギリス的我々を見倣え!そのほうが人生楽だよ!」とか言ってワイワイなっている。

ということで、EUにおいてアリとキリギリスの攻防の対立の構図がはっきりと見えておりますが、決してEU固有の問題ではございません。

実を言えば、我らが日本国の国内においてもアリとキリギリスの対峙の構図がはっきりしているのです。

日本は今や、巨大な一匹のキリギリスとその他大勢のアリさんたちに二極分化しているのでございます。 

その一匹のキリギリスさんの名前は、日本国政府ということになるわけでございます。 

 巨大な赤字垂れ流し状態である巨大キリギリスを支えるために、民間の我々はみんなアリさんになって、「安いものしか買わない」、ということで「安いものしか作らない」というので、デフレの淵に我々、どんどんどんどん落っこちてゆく、民間は超アリ化する一方で、公的部門(キリギリス)はなかなかそこに歯止めを掛ける目処が立たず、そのためには「アリさんからもっともっと税金を取らなければならない」というように、日本国内にもそういう形でアリとキリギリスの対峙の構図がはっきりとしてきている。 

ヨーロッパそして日本と来たわけですが、もとより、地球経済全体としてみれば、そこに非常に本質的に大きな、アリとキリギリスの構図があるわけでございまして、地球経済はまさに著しく巨大メタボ化したキリギリス、その名はアメリカ合衆国となるわけでございますが、これが一方に存在し、そのキリギリスを支える、養ってあげるアリ集団のかつての筆頭が日本でありましたが、最近は筆頭が中国になってきていて、日本はアリさんリーグで抜かれたしまった感じあります。

日本、中国そしてEUの中ではドイツが、アリさん三大国家としてメタボキリギリスを支えるという状況でございます。 

これはどっちも「どっちがケチだ」、と争っているわけでございまして、夫々は夫々なりに、アリはアリのまま、キリギリスはキリギリスのまま来るべき財政恐慌の衝撃を何とか切り抜けていこうと振舞っているうちに通貨大波乱の淵にみんなで陥ってしまっているわけでございます。

ここで私がつくづく思いますのは、昆虫大戦争的な状況の怖いところは、ずうっと引いてですね、外から、カメラをぐっと引いて外から見ると昆虫大戦争は見えないことにあります。

例えば、27カ国で形成しているEUというものを、EUという纏まりとして外から見れば、そこで昆虫大戦争が起こっていることはわかりません。全体としてひっくくって見てしまえば、アリとキリギリスの丁度バランスが取れているので勘定が合っている。

「良いバランスですね。問題ないですね」というような健康診断的な、外から観察すればそんな感じに見えてきてしまわけです。

日本国もそうでして、外から見ますと世界最大の債権国でございます。経済の規模こそ中国に当然のことながら当たり前なことながら、あれだけ大きな国ですから抜かれてしまっていますが、貯蓄規模、純貯蓄の規模から見れば日本はまだまだ世界で一番の規模、平たく言えば世界で一番リッチな国であるといえるわけでございます。 

外から眺めるとこうなる訳でございますが、一度中に足を踏み込んで行けば、ひたすらアリさんになることを強いられて、デフレと戦う民間部門と大赤字のキリギリス国家(政府=官僚)という構図が見えてくるわけであります。

しかし、外から見れば、単にそれはどんぶり勘定の中に消えているように見えてくる訳でございます。

同じことは地球経済についても言えます。

地球を火星から見てみますと、非常に美しい青い星であって、バランスの取れたように見える訳ですが、一歩中に足を踏み入れてみますと、万年大赤字の国があって、それを嫌だなと思いながら金を貸してやって、貸した金で自分(貸した国)が作ったものを買ってくれているから、まあいいか、というような嘆かわしい支え合いの構図、人質とテロリストのような関係がアリとキリギリスの間にはある訳でございますが、危ういバランスを取り合っている、しかし、その危うさは、外から見る限りは見えません。

この問題が、このまま行ってしまえば拙いことになると思っております。

「そういう事を言うあんた(浜矩子)はグローバル時代と言うものをわかっていない!」と言われるケースがございます。

「どんぶり勘定で、全体としてバランスが取れている、そこにグローバル時代の醍醐味があるのであって、何も皆アリさんにならなくたっていいのだ。キリギリスはキリギリスで居てもらって良いじゃないか。アリとキリギリスでバランスが取れていて、いつも差し引きチャラ、そして中ではダイナミックな経済の営みが行なわれている、これが、グローバル時代なのだ」という言い方をする論者達も決して少なくございません。

例えば日頃から、私にとって心良からず思っている人、今は民主党の代表選を、高見の見物をしながら、大学の先生のフリをしながら、政界へのカムバックを虎視眈々と狙っている、あの人(竹中平蔵氏)などはですね、「そういうのがグローバル経済の注文である。キリギリス結構じゃないの」というように言っているのでありますが、今の世の中の動きを見ていると、それがはっきりと間違いだという思いを強くしておりまして、そもそもアリとキリギリスに分かれてしまっていて、そういうところに金融世界のグローバル化、まさに瞬時にしてカネがたくさんある所から最もない所に一気に動かすことができてしまう。

そしてその金融の動きに対して、非常に複雑なかたちで何ぼでも博打ができてしまうという金融のグローバル化という状況と、アリとキリギリスへの大きな別れ方、赤字部門と黒字部門がより大きく分かれて、しかもその間を実に巨大な規模で実に速くカネが流れる、こういう構図の中でリーマンショックのようなものも起こってきたわけであります。

ここまでカネの速い流れを必然化するような構図がなければ、リーマンショックのようなことも起こらなかった。

 ですから、全体でどんぶり勘定で収支が合っていることだけではダメなのであって、個別の目で見てもそれなりに収支が合っているということでないと、グローバルジャングルの健全な発展というのはないのではないかと、私は最近つくづく感じております。

これは、一つの企業あるいは組織として考えても同じことでありまして、いくら全体として括ってみればそれなりに収支とんとんであったとしても、中に踏み込んで見ると、万年超赤字部門と万年黒字部門とに分かれているような企業・組織は決して健全な経営状態にあるとは決して言えません。

そのままで行けばどこかで黒字部門の息切れがありますでしょうし、赤字部門はどんどんやる気がなくなる一方、黒字のほうは「あいつ等の為に我々は働いておるのか」と言い出す者もいて、組織内部の活力・求心力が低下して行くということがマイナスなのでやっぱり、どんぶり勘定で○○(ケツ?じゃないと思うが?)さえ合えば良いということには限界がある。

アリとキリギリス夫々が自分のやり方を変えようとすることなくアリはアリで、キリギリスはキリギリスでそのことを変えることなくグローバルジャングルの危機を乗り越えて行こうとしている限り、互いに互いを傷つけ合うばかりでまともな解答は出てこないと思うのです。 

理想的には、キリギリスはキリギリスでちょっとずつ行いを改めて、アリはアリで少しはあんまりけちけちしないという形で、次第に両者が歩み寄り、結果として皆がアリギリスになる、と言うのが最高の解答ではないかと思えるのでございます。

アリとキリギリスのハイブリッド、落としが、私のですね、落しがアリギリスというものがグローバルジャングルを支配するようになると物事は上手くいくのではないかと、そうではない状態で激突ばかりしていると非常に厳しい状態になって行く。

実はですね、冒頭でもお話しました円高ではなくてドル安、これ(リーマンショックのようなもの)は実は、アメリカという名の巨大キリギリスを次第しだいにアリギリスの方向に引っ張って来ようとしている天の神の鉄槌なのかも知れない、そうなんだという風に思います。

これ以上メタボキリギリス化すると「お前のおかげで、おまえ自身もさりながら地球経済全体も死に至った。メタボ状態をなんとかしなさい」という事でドル安がアメリカを襲っているというのが今の構図なのだと思います。

なかなかバランスの良いアリギリスにはなれないかも知れませんが、バランスが良くなって行くところまでドル安は続くものと私は感じております。

そういう流れなのであって、これは日本にとって、円高という名の危機だと思い込んで、ドル安の流れを押し戻そうと、時間とカネを費やすのは実は徒労だ、と私は思います。むしろ、アメリカがアリギリス化して行く、それを必然化するような為替関係に日本も上手に乗って、その中で生きながらえて行くことを考えるべきだと思います。

ドル安を押し戻すのでなくて、その流れの中で如何に力強く生きてゆくか、そのための知恵を働かせるときが今であって、そういう風に思いまして、

こういうお話をしておりますと、それではキリギリスがまともなアリギリス的になるような状態の連続為替レートのレベルはどの辺りか?」というお話にどうしてもなってまいりますが、これを言うと私は袋叩きになるのでございますが、私が申し上げるのは1ドル50円というところ、随分続いてまいりました1ドル100円前後の半値までドルの価値が下がる。それに伴ってメタボキリギリスもボディサイズがハーフサイズになる、そういうようなところまで行くと全体はそれなりにまともな所にランディングして行けるのではないかと思います。 

ハーフサイズというのは、笑い話ですがアメリカもリーマンショック以降状況が厳しいので、『かつては非常に流行っていた高級レストランが倒産寸前になってなりふり構わずハーフプライスステーキを売り出した、従来の半値、これが凄く流行ってですね、九死に一生を得た』と言うことですが、半値のステーキ、値段を半値にしたというのはふんふんと思うのですが、ステーキのサイズもハーフサイズにした、それではハーフサイズのステーキが何グラムかと言えば250グラム、フルサイズは500グラム。

500グラムを毎日食べていればそれはもうメタボキリギリスになるのは当たり前で、ハーフサイズ化というのはアメリカ人にとっても、アメリカ経済にとっても管理上宜しいのではないか?と考えるところでございます。

非常に大きなバランス、キリギリスのアリ化、そういう新たな均衡を目指す一環としてドル安が続いているのだとすれば、この大きな流れに日本単独で逆らうことは馬鹿らしいことであって、1ドル50円になるということは厳しいことですが、日本円の購買力は一気に2倍になるということでありますから、それをどう工夫して使っていくか、後ほどディスカッションの中でもご一緒に考えてみたいと思います。」(引用終わり)

如何だろうか。まず、世界のアリさん国家とキリギリス国家の現状を下記のグラフで確認していただきたい。

現在、この世界で進行中のイソップ物語では、キリギリスの親分米国が軍事力という暴力装置を有効に使っているために童話のようにキリギリスは、死ぬこともなくぬくぬくと冬を越している。アリさんたちが一生懸命貯めた餌:国富を何らかの形で奪い取っているからである。残念ながら、それも臨界点に近づきつつあるのが現在である。これ以上奪えばアリさんたちが死んでしまうのである。

 おもしろいことにアメリカに戦争で負けた日本国内においても、米国の言いなりのキリギリス:日本政府(官僚)がいてその他大勢のアリさんたち(国民)から税金を少しでも多く毟り取ろうと画策している。

「大阪維新の会」のブレインである堺屋太一氏が「財務省は赤字を減らそうと思っているとしたら、大間違いです。本当は、彼らは財政赤字を増やして増税をして日本経済への影響力を強めようとしているのです。」と述べているが全くその通りである。 

わが日本の官僚は、米国が日本に対してやっていることと同じことを、権力を使って同胞たちにやっているのである。

官僚の凄い所は、本当の情報を探し、知り学ぶ国民が僅かである事を知っていて、7~8割に達する物事を深く考えない一般の人たちが納得してしまう仕掛けを念入りに準備することである。それに、権力に弱いマスメディアと云う提灯持ちが加勢し、プロパガンダ情報を報じる。もちろん、財政赤字キャンペーン=増税キャンペーンもその一つだ。これで、みんなコロリと簡単に騙されてしまう。

と言うことは、現在のどじょう総理、野田佳彦氏の言っている“国益”とは何処まで行っても国民不在の国家(=官僚)利益と云う事だろう。福島県、及び周辺県の国民の健康生命よりも、明治以来の官僚国家存続の合理性がプライオリティを持っていることは、嘘で塗り固められた“原発事故収束宣言”を見れば一目瞭然である。また、TPPや米ドルに対する為替介入等の政策行動を見ても国益(国民全体の利益)よりも米国の思惑を優先していることは明らかであろう。

ここで、もう一つ、わかりやすい地図を見ていただきたい。IMFのデーターをもとに1980年から2008年までの世界各国における累積貿易収支を図にしたものである。緑の濃いところがアリさん国家でチョコレート色の濃いのがキリギリス国家である。要するにこの30年間、日本、中国、ロシア、サウジアラビア、ドイツ、スイス、北欧の国々がその他の国々を今まで支えてきたのである。

ところで、昨年、2011年は、大きな事件、出来事が目白押しに起きた。

(1)東日本大震災・フクシマ原発事故

(2)地域政党の動き「大阪維新の会」橋本 徹、堺屋太一コンビによる体制改革

  「日本一愛知の会」大村・川村コンビによる中京都構想

(3)ユーロ危機

(4)ドル危機(米国債デフォルト騒ぎ)

(5)中国不動産バブルの崩壊

(6)アラブの春、カダフィ殺害、ムバラク政権崩壊、ビンラディン死亡報道

(7)ウォール街を占拠

(8)金正日死亡

(9)世界人口70億人突破

(10)1ドル=75円台の戦後史上最高の円高

ざっと、選んだだけでも大事件ばかりである。しかしながら、日本人にとって一番の事件は、東日本大震災とフクシマ原発事故であろう。311は、日本のあまりに長かった戦後を終わらせる事になる事件であったことが、後日はっきりするのではないだろうか。

 なぜなら、311は、米国と官僚によって作られた日本の戦後システムが金属疲労して全く機能しないことをはっきりと国民に見せつけたからである。 

我々は日本のマスコミ、官僚、東電を初めとする経営者、それを取り巻く学者が全く信用できないことを知ってしまった。何となく信用していた、鵜呑みにしていたことが「全く嘘であった」ことに気がついてしまったのである。

これからは、アリさん一人一人が幸せになれる、時代にあった新しいシステムが必要である。

そのシステムをつくるためには、体制改革をするためには、少しでも多くの人が本当のことを知る必要がある。会社を経営されている方、子供たちを教育されている方には右も左も関係なく、一人でも多くの方々に本当のことを知っていただく必要がある。

今までレポートでは、マスコミで報道されない本当のこととして下記のようなことを指摘してきた。

○現在、福島県民を中心とする日本人は、低放射線の人体に対する影響調査のモルモットにされている。

(*セシウム降下と4号機(武田邦彦教授のブログより)

「12月29日、30日と高かった福島市のセシウム降下量は、いったん12月31日、1月1日と下がったものの、1月2日には「4月なみ(4月は福島からのデータはないので、茨城県北部のデータを参照した)」セシウムが降っている。

この量が続けば3月、4月と同じだから一時避難しなければならない。ただ、今の段階で間違ってはいけないことがある。それは「原因を追及するのではなく、本当に3月4月なみのセシウムが降っているのか、なぜそれを政府が警告し、マスコミが報道しないのか?である。データは文科省の正式データ(報告は福島県らしい)であり、値は1日で252メガベクレル(1平方キロメートルあたり)だから、十分に警告を出して良いレベルだ。「2,3日、様子を見る」ということかも知れないが、危険な兆候は知らせてくれないと困る。 

被曝は足し算だから、直ちに逃げなくても良いが、マスク、外出抑制はまずして、学校の開校は時期をずらした方が良いだろう。また、本当ならまもなく水道も汚れてくるはずであるし、半月後には葉物野菜が汚染されるだろう。

  第二に重要なのは原因の追及より、セシウム降下の事実を調べることだ。たとえば、このように考えたら良い。火事が起きて家族のいる居間に火が移ろうとしている。その時に逃げる準備や火がどこまで迫っているかは大切だが、火元が台所か風呂場かは当面はあまり深く追究しても意味が無い。だいたいの方向が判れば良い。

実は、私も「4号機が危ない」という情報があったので、それを調べていたら、どうも「セシウムが降ったのは4号機ではないか」と類推し、4号機の問題にすり替わったらしい。4号機かどうかなどは2,3日後でも間に合う。

  セシウムが降っているなら、それだけに注目し、逃げる準備が先である。4号機でも1号機でも、福島周辺からの2次汚染でも、同じことが起こる。でも、原因追及より、事実確認をすることが第二だ。もちろん、事実確認をしている内に被曝してはいけないから、ともかく危険なデータがでたら、即、準備をするべきだ。(平成24年1月6日 午後6時)

○現在の日本には本当の意味で「報道の自由」はないし、「ジャーナリズム精神」というものも幻想になりつつある。もっとも資本主義社会におけるマスコミの限界は世界共通である。

○現在、日本のマスコミを騒がしているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定TransPacific Strategic Economic Partnership Agreement)は、マスコミ等で宣伝されているような開国政策ではなく、全く逆の現代の集団鎖国政策、米国によるブロック経済、囲い込み政策であり、自由貿易に逆行する政策である。

○世界最大の債権国である日本の「円」は隠れ基軸通貨である。

○現在、米ドルは、三年前のレポートでも指摘したように一ドル=50円に向かっている。

○際限なくドルを発行している米国は、石油決済通貨であるドルの過剰流動性を原油価格の上昇で少しでも補うことで、基軸通貨ドルの延命を図ろうとしている。したがって今後も石油価格は上昇する。

○リビアのガダフィー失脚は、ユーロ・ドル防衛のために欧米のエリートが仕掛けたものである。

○チュニジアから始まった「ジャスミン革命」等の民主化運動は、中東情勢を不安定にするためのものである。狙いは、石油利権の確保、石油価格の上昇、その先にあるのは、欧米が金融危機を脱するための戦争経済(WAR ECONOMMY)である。

○日本は米国の「自冶領」であると欧米のエリートの一部、特に米国のエリートは考えている。

 (*敗戦後、日本に対して米国は、つぎの三つの政策を押しつけてきている。

①日本から永遠に自主防衛能力と独立外交能力を剥奪しておくための憲法九条。

②戦前の日本は「邪悪な帝国主義国家」であり、その日本を懲らしめたアメリカは「国際正義を実現した道徳的に立派な民主主義国」であるというプロパガンダ:東京裁判史観。

③日本を属国としてアメリカの世界支配システムに組み入れ、米占領軍が日本列島に設置した軍事基地を半永久的に使用するための仕組み、すなわち日米安保条約。

  これら三つの政策が、敗戦国日本を半永久的に支配しておくために米政府が考えついた「対日支配政策・三点セット」である。)

(*ド・ゴール大統領は、「自国の運命を自分で決めようとせず『友好国』の政策判断に任せてしまう国は、自国の国防政策に対して興味を失ってしまう。自国の防衛を他国任せにするような国は、独立国としての存在理由をすでに失っている」と指摘している。)

○本当のことを言えば、日本は資源大国である。領海内の資源開発に専心すれば、長期的に考えれば、鎖国しても生きていくことのできる国である。

もっとも日本がそのような行動をとったら、ジャパンマネーで回っている「国際社会」と称するものは機能不全に陥るだろう。

「日本は、潜在的資源大国である。」このことは世界のエリートたちの常識である。

○二酸化炭素による地球温暖化は嘘である。現在の欧米のエリートは「地球寒冷化」を心配している。

 今まで、上記のようなことを指摘させていただいた。

ともかく、2012年はユーロ危機、ドル危機といった金融危機が、キリギリス国家を戦争経済へと舵を切りたい抗しがたい誘惑に晒すことは間違いない。また、それぞれの国の中でもアリさんとキリギリスの攻防戦が繰り広げられることになる。 

わかりやすく言えば、日本国内における公務員改革とは、特権階級である役人:キリギリスをアリギリスにする改革である。大阪都構想も日本国内におけるキリギリス改革を中央からでは、とてもできないので地方から始めるということである。

 

これからの大混乱時代を乗り切るキーワードは、「地域」(ローカル)である。その意味で、地域主権、地域政党、地域メディア、地域通貨、etcが、これからの時代を切り拓いていく、生き延びていくツールである。

 

 「地域に足を付けた本当の情報を共有するネットワークづくりをすることを一人一人が求められている」そのことによって生き残りをはかる時代に入ったとも言えよう。

これからは有意な人がより大きなネットワークを創り上げて地域社会からその輪を水平に拡げていく必要がある。

本当の情報を共有するネットワークが地域社会に根ざせば、グローバリズムの嵐を乗り越え、共生社会を守っていくことができるはずである。

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