m.yamamoto

<業務上過失致死>の罪に問われた東電旧経営陣に無罪判決が言い渡された。海外メディアでも大きく取り上げられている。

以下、BBCより。

 

東電の旧経営陣に3人無罪判決 福島原発事故で東京地裁

東電旧経営陣

<東京電力の勝俣恒久元会長(79)と武黒一郎元副社長(73)、武藤栄元副社長(69)の3人は、業務上過失致死傷罪に問われていた>

 

 

東京地方裁判所は19日、福島第一原子力発電所の事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で起訴されていた東京電力の旧経営陣3人に無罪判決を言い渡した。

 

この裁判は、1986年のチェルノブイリ原発事故以来、最悪とされる福島第一原発事故をめぐって開かれていた唯一の刑事裁判。

 

福島第一原発は東日本大震災による巨大津波に見舞われ、原子炉3基がメルトダウン。これを受け、47万人以上が避難した。

 

勝俣恒久元会長(79)と武黒一郎元副社長(73)、武藤栄元副社長(69)の3人は、巨大津波への対策を怠り、44人を死亡させたとして業務上過失致死傷罪に問われていた。

 

メルトダウンそのものによる死者は出なかったものの、入院していた施設から避難を余儀なくされた入院患者40人以上が亡くなった。また、原発の水素爆発によって13人が負傷している。

 

検察はこれまでに2度、有罪に持ち込める可能性が低いとして3人を不起訴としていたが、2015年に検察審査会が起訴すべきと議決。それを受け、指定弁護士が強制起訴した。

裁判は2017年6月に始まり、検察側は5年の禁錮刑を求刑していた。

 

検察側は、3人の被告は2002年の時点で15メートル級の巨大津波が原発をおそう危険性があると警告されていたが、この情報を無視し、対策を講じなかったと主張した。

 

しかし、東京地裁は今回、3人が津波を予見できたとしても十分な対策を行えたかは明らかではないとして、無罪を言い渡した。

 

 

「誰も責任を取らない」

 

判決前には、東京地裁の外に数十人の抗議者が集まった。

福島から判決を聞きに来たという女性はAFP通信に対し、「有罪判決が聞けなかったら、私たちが何年もかかってこの裁判にこぎつけた努力が報われない」と話した。

 

「誰も責任を取らない日本社会の文化が続いてしまう」

 

福島第一原発の事故を受け、日本では一時、全ての原発が閉鎖した。反原発の感情が広がる中、いくつかの原子炉は安全検査を受けた後に運転を再開している。

 

また、福島の原発の除染作業に当たった作業員が体調不良の損害賠償を求めるなど、東京電力はこの事故をめぐってさまざまな訴訟に直面している。

(英語記事 Nuclear bosses cleared over Fukushima disaster

(引用終わり)

また、ここにきて韓国からフクシマ第一の汚染水問題が大きく取り上げられている。以下。

(TBS ニュース 9月17日)

 

韓国フクシマ原発「汚染水」に懸念

 

韓国政府は、IAEA=国際原子力機関の総会で演説し、福島第一原発で保管されている放射性物質を含む水を海に流すことに対し、深刻な懸念を訴えました。

「韓国の政府代表が入ってきました。これから国際社会に『汚染水』問題を訴えます」(記者)

 

16日から始まったIAEAの総会で、韓国政府は、福島第一原発に貯まり続けているおよそ115万トンのトリチウムなど放射性物質を含む水を海洋放出することは、環境に深刻な影響を及ぼすおそれがあると指摘しました。

「『汚染水』問題は依然残っていて解決していません。世界に恐怖と不安が拡大しています」(韓国・科学技術情報通信省 文美玉次官)

 

その上で、海に放出されれば、もはや日本だけの問題では無いとして、IAEAにタンク内の水などの現地調査を行うよう要請しました。

「日本は国際社会と協力する方法を見つけなければなりません」(韓国・科学技術情報通信省 文美玉次官)

 

一方、日本側は、事実や科学的根拠に基づかず、風評被害を広げていると韓国の姿勢を批判しました。

「我々は汚染水を出していると認識していないですから、出していると仮に言われれば、やはりどういう事実か確認する必要がある」(竹本直一IT・科学技術相)

 

「汚染水」の問題が国際社会の場に持ち込まれたことで、今後、日本は科学的な安全とともに、世界からの安心を得る必要に迫られそうです。(終わり)

 

 

 

ところで、福島第一原発事故の対策費として、東電に貸しつける公的資金が135兆円になり、回収までに最長34年もかかるとの試算を、2019年3月に会計検査院が公表している。

 

この資金は国が国債を交付し、それを現金化して調達されている。

実質的な国民負担となる利息分は最大2182億円に膨らむ。今後、事故の対策費用がさらに増えるのは確実で、完済までに50年以上かかるという説もある。そうなれば、国民負担はさらに巨額になる。

 

事故の賠償資金を国からの資金投入なしには調達できず、さらには、その返済に何十年かかるかわからないなんて企業は、普通ならとうに倒産しているものである。

 

ところで今後、海外から遠慮なく、東電が損害賠償を突きつけられたら、どうなるのだろうか。

 

もしそうなれば、国民負担がとんでもなく巨額なものになって行くはずだ。

原子力村の住人は自分たちの利権のために東電を破綻処理してこなかったが、国民全体の利益をそろそろ考えるべきではないか。

 

そして、このことは、事故後から指摘されていたことである。

 

岸 博幸氏は8年前にはっきり、東電を破綻処理すべきだと主張していた。以下。

 

野田政権は東電破綻処理を急げ――このままでは日本は中国やロシアからの巨額賠償請求の餌食になる

2011年9月2日

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

<岸 博幸プロフィール>

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス非常勤取締役を兼任。

 

岸 博幸 氏

岸 博幸氏

今日にも組閣が行われ、野田政権が発足します。迷走を続けた菅政権の後だけに、被災地の復旧・復興の加速、エネルギー政策の抜本的転換、デフレと円高の克服に向けた経済財政運営など、取り組むべき政策課題が山積であり、世の関心も増税など目立つ問題に行きがちですが、日本全体のリスクを低減する観点から早急に取り組むべき課題があることにも留意すべきです。それは東電の破綻処理です。

 

外国からの損害賠償という巨大リスク

これから長期にわたり原発事故の損害賠償など巨額の債務を抱える東電をどうするかについては、菅政権で既に決着しています。原子力損害賠償支援機構法が成立したことにより、

・原発事故の責任のある東電が損害賠償を行なう

・機構が東電に対して、賠償のための資金支援を行なう

・国にも原発事故の責任があるので、必要があれば機構に対していくらでも予算を投入する(=東電に対して予算支援を行う)

というスキームとなりました。東電に責任を持って被災者への損害賠償を行わせるという名目の下で、東電を債務超過にしない(=破綻処理しない)という政官の強い意思により、事実上政府が東電を救済することになったのです。

 

多くの識者の方が指摘しているように、このスキームには、東電のリストラが不十分、ステークホルダーである株主や債権者が責任を負っていないなど、市場のルールの観点から問題が多いのですが、それに加え、別の観点からも大きな問題を生じさせかねません。

 

それは、外国からの損害賠償請求への対応です。

原発事故以降、汚染水の放出などを通じて大量の放射能が海に流出していると考えられます。放射能が付着したがれきが他国に流れ着く可能性もあります。それらを通じて、他国の領海に放射能汚染が拡散したり、他国の漁業に被害を与えるなど、放射能汚染の被害は日本国内にとどまらず、外国にも及んでいるのです。

 

そうした事実を考えると、原発事故の被害について、今後外国からも損害賠償請求を起こされる可能性が大きいと言わざるを得ません。

特に日本の近隣には中国やロシアなど色々な意味で難しい国があることを考えると、東電が830日に発表した「原発事故に伴う損害賠償の算定基準」を遥かに超える規模の損害賠償が外国から請求される可能性があるのです。

一部には、海洋汚染への損害賠償の請求が数百兆円にも上る可能性がある、という声もあります。

 

そして、残念ながらそうした外国からの損害賠償請求の可能性を裏付ける情報が入ってきてしまいました。ある国は、もう損害賠償の請求のための情報収集と準備を始めているのです。

 

いかに日本の国益を守るか

そして、留意すべきは、損害賠償請求をしようと考えている外国にとって、機構法による東電救済スキームは“非常に美味しい”ということです。今のスキームの下では、損害賠償を請求する相手である東電は潰れないし、国も責任を認めている、かつ国が東電に無制限に予算を投入する仕組みになっているのですから、いくらでも損害賠償を請求できます。

 

しかし、それで巷で言われるように数百兆もの損害賠償が外国から本当に請求されたら、東電は当然払い切れないので、ツケはすべて国に回ってきます。1000兆円近い日本政府の債務に数百兆円が上乗せされたらどうなるか。大変なことになるはずです。東電より先に国が破産してしまうのではないでしょうか。戦後賠償よりも重い負担を日本全体として背負わされかねないのです。

 

それでは、外国からの損害賠償請求にはどのように対応すべきでしょうか。

この点について、メディアでは、海外からの巨額の損害賠償に対応するため、これまで未加盟だった原発賠償条約への加盟を政府が検討していると報道されています。

 

この条約は、原発事故の損害賠償訴訟を事故発生国で行うことを定めています。つまり、もしこの条約に加盟していれば、例えば中国人が損害賠償を請求する場合でも、日本の裁判所で訴訟を起こさなければなりません。

その場合、外国で訴訟を起こすこと自体大変だし、裁判所も外国人より自国企業を守る方に重きを置くはずですので、損害賠償を起こされても、それがあまりに巨額になることは防げるはずです。

 

しかし、仮にこれからこの条約に加盟したとしても、過去の事故にまで条約の効力が遡及するとは考えられません。従って、中国人が中国の裁判所に損害賠償の訴訟を起こすことができるのです。そうなったら、当然ながら、日本の企業である東電よりも自国民の利益が優先されるでしょう。

 

従って、条約に加盟していない中で、海外からの巨額の損害賠償に国としてどう対処するかを真剣に考えなくてはなりません。その手は二つしかないように思えます。

 

一つは、東電にも国にも原発事故の責任はないとすることです。そうすれば、外国が損害賠償を請求できる相手がなくなるからです。そのためには、今回の原発事故が原子力賠償法上の“天災地変”に該当するとしなければなりません。事故の責任は東電にあるので東電は賠償責任を負うという、事故が起きて以来の政府の見解を変えなければならないのです。かつ、東電の責任が前提の機構法も廃止しなければなりません。

 

しかし、特に原発事故で深刻な被害を受けている福島県民の心情を慮れば、いくら国を守るためとは言え、東電に事故の責任なしと政府が判断を翻すのは現実には困難です。

 

そう考えると、もう一つの方法が現実的です。それは、東電を無理に延命させず、事実上債務超過なのだから淡々と破綻処理を進めることです。賠償責任を負う東電がなくなり、機構法から国の責任を謳った部分を削除すれば、テクニカルには外国が損害賠償を請求する相手がいなくなります。

 

この場合、東電を潰すと福島の被災者の賠償債権もカットされてしまうという反論が出ると思いますが、“事故の損害賠償”ではなく“被災者への支援”として政府が肩代わりして十分な金額を支払うことで対応できるはずです。国内の被災者相手に“損害賠償”という言葉を使い続けると、外国からの損害賠償にも応じざるを得なくなるので、被災者への給付の性質を変えるのです。

 

東電より国を守るべき

私自身、東電と国の双方に原発事故の責任があるという考えにはいささかも変化はありません。それにも拘らず、上述のように自らの考えを曲げた主張をしているのは、日本を海外からの損害賠償請求から守るためです。

 

現在の東電救済スキームの下で本当に外国が数百兆円もの損害賠償を請求してきたら、日本はおしまいです。戦後賠償以上に後世に負担を残すことになります。また、もし私が中国やロシアの政府の当事者なら、領土交渉や漁業権の交渉などにこの損害賠償を絡めます。損害賠償は勘弁してやるから、代償として尖閣諸島や北方領土への領有権の主張は放棄しろと言うでしょう。

 

このように、外国からの損害賠償問題は、東電という一企業を超えて日本の国益に大きく関わるのです。野田政権は、菅政権が国内のことだけを考えて作った東電救済スキームを早急に修正し、日本の国益が確実に守られるようにすべきです。そうしないと、本当に“東電栄えて国滅びる”となりかねません。(引用終わり)

 

現在においても東京オリンピック返上、巨額な賠償金の請求という事態が起きても少しも不思議ではないのである。こういったカードが海外勢にあることを頭に入れておくべきだろう。

9月 232019

2020年の東京オリンピックに関して、新国立競技場の問題や、エンブレム盗用疑惑問題など、色々な問題が出ていたことを覚えておられる方も多いだろう。

2020年東京オリンピック

そもそもオリンピックという4年に1回開かれる世界運動会とは一体何なのだろうか。

 

「オリンピック開催の本当の意味」とは何か、ということに関して、以前、藤原肇氏が大変面白いことを書かれていたので記憶に残っている。

 

藤原肇『小泉純一郎と日本の病理』(光文社)という本に問題の書が2005年に出版されたことを覚えておられるだろうか。

 

この本は、小泉純一郎氏の隠された暗い過去を暴きながら、そのような人物が持てはされる現代日本の政治経済の病理的状況を鋭く分析したものである。

読者を通常のマスコミ評論では考えられない異次元まで連れて行ってくれる本である。

小泉純一郎と日本の病理

著者の藤原肇氏はもともと地質学の専門家で石油が専門であるが、国際政治の分野でも活発な評論活動をしている。最近では廃刊になった「財界にほん」でも加計学園問題で鋭すぎる発言をしていた。

以下。

参照:「日本を破壊したゾンビ政治と愚民化のための言論統制」

http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/zaikai201804.html

藤原 肇(ふじわらはじめ)プロフィール

1938年に東京の神田で生まれた江戸っ子。

十代は文学少年として教養小説に耽溺したが、次第に岩登りに熱中するようになり、その頃の記録は「山岳誌」(東明社)の解説に詳しい。埼玉大学で地質学を専攻した後で、フランスのグルーノーブル大学に学び、アルプスの構造地質学を修めた理学博士。札幌市のオリンピック代表や、グルーノーブル市のオリンピック・アタッシェを歴任。

 

アフリカや中東やヨーロッパの大陸棚の石油開発を体験した後、カナダに移住して北極洋の石油開発を幾つかの多国籍石油企業で担当し、四十代の人生の始まりと共に石油コンサルタントとして独立する。米国のカンサス州に進出して石油開発に従事したことは、「地球発想の新時代」(東明社)にある通り。その後はビジネスから半ば引退して、国際政治や経済の動きを注目しながら、フリーランサーに近い活動をしている。

 

現在はカリフォルニア州のパームスプリングに住み、メタサイエンスについての論陣を展開している。また、現代社会の遊軍的な存在として、独特なエネルギー史観に基づいた視点を駆使しながら、国際政治や石油戦略についてのアドバイスをしたり、生命現象や宇宙論について思索を行ない、必要に応じてコンメタリーの提供を行なったりしている。

 

藤原肇氏は、リュージュ競技の選手として冬季プレオリンピックに出場経験があり、そして1968年のグルノーブル大会では役員として、主催都市の五輪アタッシェの仕事をやったことで、オリンピックとは何かについて知ることができたということだ。

 

リュージュ競技は過酷で、藤原氏は選手として自分が奴隷ではないかと感じたので、1年だけで選手はやめた。そして、そのような奴隷を競わせて楽しむ人々がいて、それがスポーツの祭典を装っており、オリンピック選手という美名での実態が剣闘士に似ていると気付いたという。そして、その「奴隷の主人」に関心を持ち、グルノーブルや札幌でオリンピック関係者と付き合いながら、1つの重要な結論に達したのである。

 

グルノーブル冬季五輪大会では、私は市長のアタッシェに就任していたため、各国の選手団長と同格のCパスを持ち、ほとんどどこでもフリーパスで入れた。このCパスの上にはBパスを持つ人々がいて、それはグルノーブル市長やIOCの役員だった。だが、さらにその上にはAパスを持つ人々がいて、それが「雲の上の人々」“people above the low” だったのである。この人々が王侯貴族たちだったことで私の目からウロコが落ちた。

私はリヒテンシュタイン Liechtenstein の総監督を務めていたプリンスと親しくなり、そして、彼を通してヨーロッパの貴族 aristocrat たちを知る機会に恵まれた。そして、彼らと話して、オリンピックの実態は、王侯貴族たちが4年に1度集まるためにあり、スポーツ大会の上にサロンがあると初めてわかった。しかも、貴族たちはオリンピックのパーティーを使い、息子や娘たちのお見合いの席にしていたのだ。

機会に恵まれてあるパーティーに出席したが、そこにはモンテネグロ Monte-Negro 大公妃が出席していた。そしてさらに驚いたのはキエフ大公 Grand-Duke of Kiev の子孫までいて、「どこに住んでいるのですか」と聞くと、「パリ Paris に住んでいます」と言うのである。つまり、ヨーロッパには一般が知り得ないサロン社会があって、厳然と活動をし続けているのであり、地図から消えたはずの国が今でも存在するのだ。

 

つまり、私が垣間見たのはヨーロッパの核心であり、この人々と市民たちが近代社会(モダンソシエティ)を作っていて、歴史の教科書ではすでに姿を消した、1815年のウィーン体制 Metternich System が生きていた。これは移植された近代と民主主義(デモクラシー)の下で育って、教科書で近代を学んだだけの私たちには理解不能 out of thought な世界の話だから、それを知っただけでも私は幸運だったと思っている。

(p.147-148)

 

 

こうして藤原氏は、「人間が築き上げている世界の成り立ちについて、真の意味を知」ったということである。

 

オリンピックが所詮そうしたものであれば、庶民にとっては結局の所どうでもいい行事であり、醒めた目で見るしかないだろう。

 

新国立競技場やエンブレムなどは瑣末な問題で、そもそもオリンピックなんてそんなにありがたがるべきものではないようである。

 

戦後の成功体験を捨て去る時が来ている!

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9月 202019

1989年 ベルリンの壁が崩壊しても、2011年、東日本大震災で日本の原発安全神話が完全に崩壊しても、2016年、反グロバーリズムのトランプ大統領が登場してトランプ革命と呼ぶべき政治活動をやり始めても、私たち日本人は、戦後復興の成功体験の集大成である1980年代に戻ることができるといまだに考えているかのようである。

ベルリンの壁崩壊

トランプ大統領就任式

そして、いまだに公共放送を自称するNHKを中心に日本のマスコミは、「クールジャパン」「日本スゴイ」キャンペーンを、思考能力を失った政治家の主導で行っているのが現実である。

 

東京オリンピック誘致成功

 

いくら、「フクシマ第一がアンダーコントロールだ」と偽ってオリンピックを賄賂を使ってまで誘致しても、中国、韓国叩きをやって憂さを晴らしたところで、サムソンが日本の家電メーカーを追い越したこと、ファーウェイが5Gで日本のはるか先を行っている事実を変えることはできない。

 

その意味で平成の30年は失われた30年であったと考えてもいいだろう。

 

「失敗の本質~日本軍の組織論的研究~」(中公文庫)という名著がある。

 

「なぜ日本軍は、組織としての環境適応に失敗したのか。逆説的ではあるが、その原因の一つは、過去の成功への<過剰適応>があげられる。過剰適応は、適応能力を締め出すのである。」と分析している。

 

戦後日本の成功は、冷戦崩壊によってそのモデルは、成立しなくなったにもかかわらず、私たちは同じ失敗を繰り返し続けてきたのである。

 

そして今も時代の流れを無視してオリンピック誘致、万博誘致、カジノ誘致、etc、昭和の発想で経済が活性化すると勘違いしている。

そう言えば、2011年3月15日にこんな文章を書いていた。以下。

 

「おそらく、2011年3月11日は、1945年8月15日に匹敵する位、いやそれ以上の歴史的転換点であったことが、後日はっきりするのではないでしょうか。
  
 確かに3月11日まで、国、地方の財政赤字のの問題、そのための行政改革=公務員改革そう言った(減税もそのベクトルで言われていました)この十年来、日本の政治を賑わしたテーマは、この大災害を受けて完全に過去のものになってしまったと言っても過言ではありません。
 
 震災復興のための巨額の有効需要が数万人余もの寡黙な東北の人々の犠牲の上に創出された今、平時における「財政調整」はもはや全く意味のない状況になっていると言えましょう。
 
 この機に及んでまだ、復興のための消費税等の増税を唱えている官僚や政治家は、日本で何が起きているのか全くわかっていないのではないでしょうか。
 今こそ、国家非常事態にあたり、日本が世界一の債権大国であることを最大限活用する時であります。
 
 特に小泉純一郎氏によって顕著になった「テレビ型劇場政治」の展開が続く中で “本当の価値”、簡単な言葉でいうと生死にかかわる選択の問題は、戦後日本政治の中で明らかに後退していきました。そしてこれまた平たい言葉でいえば「趣味の問題」(=直感的、直情的、非論理的、扇動的)として政治が、選挙が推し進められてきました。
 
 「劇場政治」のマスコミによる大衆心理操作のようなものが川上から徐々に地方政治という川下へと流用されていく中でこの傾向はますます強くなり、そもそもそうした選択を迫る人物そのものに対する表面的な「好き」「嫌い」が、擬似ではあっても“価値”の選択そのものと勘違いされるようになってしまいました。
 
 考えるに、冷戦によってもたらされたあまりにも「幸福な時代」=「本質的に物事を考えることが必要とされない時代」の大団円がこの震災であったことを我々は、これから知ることになるのではないでしょうか。
 
 ところで、現実に平時であれば、曲がりなりにも機能していたかに見えた日本の政治家、官僚、財界の経営者がここまでの無能さをさらけ出しているのは何を意味しているのでしょうか。
  戦後の右肩上がりの「慣性の法則で生きられるような時代」が終わってしまったことを意味しているのではないかと私は考えます。

 その意味で私たち、日本人は、前例のない時代を切り拓いていく転換点に今、立たされているのではないでしょうか。

 ともかく、東日本大震災、福島原発の事故、この二つの災いが、これからの日本を変えていく大きな節目になっていくと私は確信しております。またもそうならなければ、21世紀の日本の未来を切り拓くことはできないと考えます。」(引用終わり)

 

 

しかし、あのような大惨事(311)が起きても日本は全く変わることができなかったのである。

 

ポイントは、一つ、国家非常事態にあたり、日本が世界一の債権大国であることを最大限活用することが全くできなかったことである。

 

おそらく、国際社会において、2020年、東京オリンピック誘致が認められたのも、フクシマ第一事故の矮小化が認められたのも、世界最大の債権国、日本の経済力をリーマンショック後の海外勢が必要とし、日本に自国のために使うべきその経済力を使わせない深謀遠慮であったのでは、ないだろうか。

 

それが原子力利権を中心に戦後できた利権を守ろうとする日本の既得権者と思惑が一致したために今日の悲惨な状況をもたらしているのだろう。

 

日米安保条約が破棄される時が迫っている???

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9月 112019

 

本年、6月末日に大阪で行われたG20の直前にトランプ大統領は、日米安保破棄の考えを意図的にマスコミにリークさせた。以下、ブルーバーグより。

トランプ大統領、日米安保破棄の考え側近に漏らしていた-関係者

Jennifer Jacobs

2019年6月25日

トランプ米大統領が最近、日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に漏らしていたことが分かった。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。トランプ大統領は日米安保条約が米国にとって不公平だと考えている。

 関係者によれば、トランプ氏は同条約について、日本が攻撃されれば米国が援助することを約束しているが、米国が攻撃された場合に日本の自衛隊が支援することは義務付けられていないことから、あまりにも一方的だと感じている。旧条約から数えて60年余り前に調印された安保条約は、第二次世界大戦後の日米同盟の基盤となっている。

大統領は条約破棄に向けて実際に措置を取ったわけではなく、政権当局者らもそのような動きは極めてありそうもないことだと話している。トランプ氏の個人的な会話の内容だとして関係者らはいずれも匿名を条件に語った。

 万が一条約破棄となればアジア太平洋地域の安全保障に役立ってきた日米同盟を危うくする。日本が中国および北朝鮮からの脅威に対して防衛するため別の方法を見つける必要が生じ、新たな核軍備競争につながるリスクもある。

 菅義偉官房長官は25日午後の会見で、「報道にあるような日米安保見直しといった話は全くない。米大統領府からも米政府の立場と相いれないものであるとの確認を得ている」と語った。その上で、「日米同盟はわが国の外交安全保障の基軸」であり、「日米安保体制は同盟関係の中核を成すものだ」と指摘した。

関係者によれば、トランプ大統領は沖縄の米軍基地を移転させる日本の取り組みについて、土地の収奪だと考えており、米軍移転について金銭的補償を求める考えにも言及したという。また、トランプ氏が日米条約に注目したことは、世界の他の国々との条約においても米国の義務を見直そうという広範な検討の端緒である可能性もあると関係者2人が述べている。

 ホワイトハウスの報道担当者は24日夜、コメントを控えた。

 大統領はかつて個人的な会話で、日米条約の下での米国の義務を認識していると述べたことがあるが、同時に、他の条約についての立場と同様、より互恵的な関係を望んでいる。

 大統領が米議会の承認なしにいったん批准された条約を破棄できるかどうか、米国の法律では決着していない。

トランプ大統領は5月の訪日時に、横須賀基地で米海軍の強襲揚陸艦「ワスプ」に乗船、乗組員らを前に、「米日の同盟はかつてないほど強固だ」と述べた。同基地について「米海軍の艦隊と同盟国の艦隊が共に司令部を置く世界で唯一の港だ。鉄壁の日米協力関係の証(あか)しだ」と語っていた。

原題:Trump Muses Privately About Ending Postwar Japan Defense Pact(抜粋)

Trump Muses Privately About Ending Postwar Japan Defense Pact(引用終わり)

 アメリカファースト

 例によって日本のマスコミは奇矯な言動を弄ぶトランプが日米貿易交渉を有利にするために過激な物言いをしているに過ぎない程度の受け止めだったが、本当にそうだろうか。

たしかに日米安保を人質にとって貿易交渉を有利に進めようという考えもあるだろうが、大統領選当時からトランプが日米安保について次のように発言していたことを私たちは思い出す必要がある。

「日本は駐留米軍の経費を100%払うべきだ。そうでないなら、米軍は撤退する。その代わり、核武装を許してやろう。」

 

「第二次世界大戦後に国連に加盟させられて、これとセットでサンフランシスコ講和と日米安保にコミット。その結果として太平洋の平和を維持する高コストな役割を背負わされた。」

 

 一般の日本人が政府、マスメディア等に教えられてきた日米安保や米国に対する考えとは全く違う考え方をトランプはしていることをもっと、日本人は知る必要がある。

もちろん、彼の考え方の背景には伝統的な共和党の孤立主義があることも言うまでもない。また、彼が大統領選挙で打ち出した「アメリカファースト」の背景を知り、彼が何をしようとしているのかも考えてみる必要があるだろう。

それでは、トランプ大統領はどうやって、アメリカを再生させよう(MAKE AMERIKA GREAT AGAIN)としているのか、考えてみよう。

彼の真意を理解するためには、第二次世界大戦以降の世界経済の変遷を振り返る必要がある。

大戦後、すべての技術、お金、金(ゴールド)、インフラがアメリカ合衆国に集中していた。そのため、西側諸国の経済は、米国が共産圏であるソ連に対抗するために豊富な資金、技術を、提供をすることによって離陸し、成長してきた。

そして1965年以降、西ドイツ、日本が経済的に頭角をあらわすとともに、米国はベトナム戦争等の巨額の出費もあり、いわゆるドルの垂れ流し状態に陥ったのである。

その結果、起きたのが、1971年のニクソンショックで、彼は金とドルの交換の停止、10%の輸入課徴金の導入等の政策を発表し、第二次世界大戦後の通貨枠組み:ブレトン・ウッズ体制を解体、世界の通貨体制を変動相場制に移行させた。

しかし、その後も米国の赤字基調は変わらず、1985年にはプラザ合意による大幅なドルの切り下げという事態になった。貿易黒字を貯めこむ日本は、内需拡大を迫られ、その後、バブル経済が発生。65年以降、日米貿易摩擦が発生し、製造業間の調整交渉が日米両政府によって重ねられてきたが、80年代後半以降、米国はトヨタの負け(製造業)をソロモン(金融業)で取り返す戦略に転換していった。日本が貯めこんだドルを米国債、株式に投資させることで儲けることにしたわけである。

この方式を新興国に当てはめ、始まったのが、現在のグローバル金融である。そして、そのグローバル金融を支えたのが、IT革命。つまり、賃金の安い新興国に米国企業が工場を作る投資をし、その製品を米国に輸出させた儲けは、米国の金融機関が吸い上げるという仕組みだ。この仕組みを円滑に機能させるためには、米国のルール:新自由主義と新保守主義の思潮から作り出された価値観(ワシントンコンセンサス)をすべての国に受け入れさせる必要があった。

これが現在のグローバリズムである。ここで、軍需産業維持のための戦争と価値観の押し付け外交が密接に結びついていくことになった。ルールを押し付けるためには、米軍が世界展開している必要があるということである。

しかしながら、2008年のリーマンショックでグローバル金融がうまく、機能しないことが露呈し、異常な中央銀行の金融緩和が始まったが、現在、それもすでに限界に達している。そのことを象徴する発言が本年8月23日にあった。英国中央銀行のカーニー総裁が「世界の基軸通貨、準備通貨としてのドルの地位が終わり、リブラなどのグローバルなデジタル通貨がより良い選択肢となる」と発言したのである。

一番のポイントは、湾岸戦争以降、多くのプアホワイトという白人を含むアメリカの若者が戦死しているという事実にある。トランプ氏は米国の設立メンバーの子孫でありながら、貧しい生活に甘んじている、星条旗を愛している、息子たちが戦死した人たちに向けて語っている。要するに彼は、自分を支持する人々に仕事(雇用)を取り戻すためにもう、海外からモノを買わないと宣言し、製造業をアメリカに取り戻そうとしているのである。

簡単に言えば、グローバリズム資本主義のアメリカ労働力からの逃避が、現在のアメリカを雇用が主に低賃金の国内サービス職から成り立つ国、半世紀前のインドに似たものに変えてしまったとトランプは認識しているのである。その代償として、株主、経営者が超過利潤を得たて貧富の差が拡大したわけである。

(*現在の日本もこれと同じ道を邁進している。)

ではどうやって、トランプはこの四半世紀の間に解体されてしまったアメリカの製造業とその製造業を支えたサプライムチェーンを取り戻そうとしているのか。

 トランプがこれからやることは、現在の米中貿易戦争のように中国を激しく締め付けながら、生かさず殺さず、緩やかに米国企業を米国本土に戻すことである。

そのためには米国内にこれら製造業が戻って来ることのできるような法整備、インフラ整備をしていくことになる。たとえば、米国内市場で、米国内労働力で生産する企業には低い税率を、米国市場のために外国人労働者で生産する企業にはより高い税率を課すというようなことが実行されるだろう。

ところで、トランプ大統領に米国企業に戻ってくるように命じる権限はあるのだろうか。

トランプ自身は、1977年に制定された「国際緊急経済権限法」を、米国企業を中国から米国に戻すよう命令する権限を彼に与えているとしている。対テロ戦争で米国大統領は強大な権力を手にしたことも我々は忘れてはならないだろう。

現在でもトランプは、米国の雇用を奪い、第三諸国の経済的地位に米国を引き下げるべく、彼らが中国と共謀していると言う理由で、生産を海外移転した企業のCEOと理事会を逮捕する権限を持っているのである。

ところで、このような形でアメリカの雇用を復活させ、核戦争の脅威を減らそうとしている大統領がなぜ、アメリカの主流メディアや、リベラル派、革新主義者、左翼、民主党や多くのアメリカ人に批判されているのだろうか。

この答えはあまりに簡単で軍産複合体、それと結びついた金融勢力がトランプ批判勢力のバックにいたからである。

しかしながら、長期的な視点に立てば、アメリカが21世紀もずっと、世界の強国なままでいたいなら、非常にこんな道だが、製造業とその生産能力を復活させる必要があるというトランプの考えはきわめて正しいものである。

短期的な利益を優先して長期的な利益を犠牲にしていることに多くの経営者が、気が付くことができれば、この大転換は否応なく進むと見るべきではないか。

そして上記のように米国が動いていくならば、日本が戦後、取ってきた日米安保を基軸に米国覇権に依存して政治・経済を回してきた戦後システムは終焉する方向に進んでいくことは必然だと考えるべきだということになる。

 ところで最近、軍事評論家の田岡俊次氏が実は米軍は日本を守っていないということを改めて記事にされたので読んでいただきたい。以下、「アエラ」より。

米軍は日本を守ってなどいない!

田岡俊次が在日米軍を詳細分析して分かった実態とは

田岡俊次2019.8.23 AERA

米軍は日本を守ってくれている。日本人の多くはそう信じて疑わないだろう。 だが実態は全く違う。在日米軍の分析で驚くべき事実が浮かび上がった。

「もし日本が攻撃されれば米国は私たちの命と財産をかけて日本人を助けるために戦闘に参加する。もし米国が攻撃されても日本は私たちを助ける必要は全くない。米国への攻撃をソニーのテレビで見ることができる」

 トランプ米大統領は6月26日、FOXビジネスネットワークのインタビューで日米安保体制の不公平を強調した。

 この大統領の意向を受け、7月21日に来日したボルトン大統領補佐官(安全保障担当)は、在日米軍駐留経費の日本側の負担を3倍、あるいは5倍に増額することを要求する可能性を示したとの報道もある。

 米国防総省の2004年の報告書では、日本は米軍駐留経費74.5%を負担している。韓国の40%、ドイツの32.6%をはるかに上回っており、それを3倍や5倍にするのはほぼ不可能だ。大幅に増やすには米軍将兵の給与や装備の調達費、維持費を出すしかない。「そうすれば米軍は日本の傭兵になりますな」と防衛省幹部も苦笑する。

 3倍や5倍論は日本を驚かせ、イラン包囲網の「有志連合」に参加させたり、2021年3月に期限切れとなる在日米軍経費負担に関する特別協定の再交渉で増額を迫ったりすることを狙うトランプ流のかけ引きか、とも思われる。だが韓国は昨年の米軍経費負担が9602億ウォンだったのを、今年は1兆389億ウォンと8%余増額させられ、来年さらなる交渉が行われる予定だ。トランプ政権が日本にも大幅な増額を要求する公算は大だ。

「駐留米軍によって日本は守られている」との観念は広く定着している。だが実は、日本防衛に当たっている在日米軍の部隊は無きに等しいのだ。

 

 最も顕著なのは空軍(日本に1万2千人余)だ。1959年に航空自衛隊が防空任務の引き継ぎを受けて以後、米空軍は日本の防空には一切関与せず、約330機の日本の戦闘機や対空ミサイルが防空に当たっている。

米空軍は沖縄県の嘉手納基地にF15戦闘機27機、青森県の三沢基地にF16戦闘攻撃機22機を常駐させ、ステルス戦闘機F22も嘉手納に飛来している。

 72年の沖縄返還後は沖縄の防空も航空自衛隊が担い、嘉手納の米軍戦闘機は交代で約半数が韓国に展開していた。91年の湾岸戦争以後は中東にも出動している。三沢のF16は対空レーダー、対空ミサイル破壊が専門で、これもしばしば中東で活動している。

 ならば、なぜ米空軍は日本にいるのか。日本の米空軍基地は実質上米本土の母基地に似た性格だから、米議会でも「日本にいる空軍機は本土の基地に戻し、そこから中東などに派遣する方が合理的ではないか」との指摘がある。そのたびに米国防当局は「日本が基地の維持費を出しているから、本土に置くより経費の節約になる」と答弁してきた。

空軍だけではない。陸上自衛隊が13万8千人余、戦車670両、ヘリコプター370機であるのに対し、在日米陸軍(2600人余)はほとんどが補給、情報部隊で、地上戦闘部隊は沖縄のトリイ通信所にいる特殊部隊1個大隊(約400人)だけ。これはフィリピンなどに派遣されていることが多い。

 在日の米海兵隊(1万9300人余)の主力は「第3海兵師団」だが「師団」とは名ばかりで補給、病院、司令部の要員が大部分だ。地上戦闘部隊は歩兵1個大隊(約970人)を中心とし、それに短い滑走で離陸可能なF35戦闘機6機や大砲6門、ヘリコプター、オスプレイ計約25機、装甲車約30車両などが付く計2200人余の「第31海兵遠征隊」だけだ。

 この遠征隊は佐世保を母港とする揚陸艦4隻(常時出動可能は3隻)に乗り、米第7艦隊の陸戦隊として、西太平洋、インド洋各地を巡航している。戦車は無く、歩兵970人が主体だから本格的な戦争ができる規模ではない。海外で戦乱や暴動が起きた場合、一時的に飛行場や港を確保し在留米国人を避難させるのが精いっぱいだろう。沖縄の防衛は陸上自衛隊第15旅団(約2600人)の任務だ。

米海軍は横須賀に揚陸戦指揮艦「ブルー・リッジ」(第7艦隊旗艦)、原子力空母「ロナルド・レーガン」、ミサイル巡洋艦3隻、ミサイル駆逐艦7隻を配備している。また、佐世保には空母型の強襲揚陸艦「ワスプ」とドック型揚陸艦3隻、機雷を処理する掃海艦4隻を配備してきた。「ワスプ」はすでに本国に戻り、交代としてより大型の「アメリカ」が来る。ドック型揚陸艦も1隻増強となる。

 米第7艦隊は東経160度以西の太平洋から、インドとパキスタンの国境線までのインド洋にわたる広大な海域を担当している。横須賀、佐世保を母港としている米軍艦がもっぱら日本の防衛をしていないのは当然だ。

 食料の自給率が37%(同じ島国の英国でも70%以上)である日本にとっては海上の通商路「シーレーン」の確保が海上防衛の最大の課題だが、米国は食料も石油も自給自足できるから、商船防護への関心は低い。米海軍の巡洋艦、駆逐艦、フリゲート(小型の駆逐艦)は計101隻。11隻の空母と海兵隊を運ぶ揚陸艦を守るのがやっとの数だ。日本のシーレーンを守るのは海上自衛隊の護衛艦47隻に頼るしかない。(軍事ジャーナリスト・田岡俊次)(引用終わり)

 如何だろうか。

○米軍は実は日本を守っていない。

○トランプは米軍を撤退させたがっている。(=米軍の世界展開を止めようとしている)

○国際金融システムが激変しようとしている。

(=ドルが基軸通貨でなくなろうとしている。)

このなかで1952年につくられたサンフランシスコ講和体制がそのまま続くと考えることは、単なる思考放棄でしかないことは明らかだろう。

その意味で、現安倍政権が行っている<戦後レジームからの脱却>、<枢軸国の名誉回復>も、リベラル派の説く<一国平和主義>も日米安保を前提とした冷戦時代には一見、通用するように見えたファンタジーに過ぎないことを日本人は、冷静に認識すべき時を迎えている。

その意味で、何らかの形で、現在の日米安保条約は早晩、破棄されることになると考えても間違いないのではないだろうか。

まだ、多くの日本人は夢の中にいたいようだが、戦後、四分の三世紀を経過して日本は今、大きな転換点を迎えている。

<参考資料>

 

*ブルバーグよりBrian Swint 2019年8月26日

 

ドル支配終わらせるデジタル基軸通貨体制を提唱-英中銀総裁

 

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は23日、ドルを基軸通貨とする世界的金融システムの抜本的改革を求める極めて大胆な提言を行った。最終的には米フェイスブックが計画している「リブラ」のような仮想通貨が準備通貨としてドルに代わることになるとの考えだ。

 来年1月末の退任を控えた同総裁は米カンザスシティー連銀がワイオミング州ジャクソンホールで主催したシンポジウムで講演し、「経済政策を巡る不確実性の高まりやあからさまな保護主義、政策余地が限定的でさらなる悪影響を打ち消せないかもしれないとの懸念が組み合わさり、世界経済のディスインフレ的な偏りを悪化させている」と述べた。

カーニー総裁は各国・地域の中銀が短期的にはこうした事態に現状通りに対応する必要があるとする一方で、「現状維持を思慮なく受け入れるのは誤り」であり、最終的には劇的な措置が必要になると明言した。

 同総裁は世界の準備通貨としてのドルの地位が終わり、リブラなどのグローバルなデジタル通貨のような形式がより良い選択肢となるという認識を最も強く主張。基軸通貨がドルから中国人民元といった別の国の通貨に取って代わることを容認するよりは好ましいとの見方を示した。

「より長期的に見て、われわれはゲームを変更する必要がある」と指摘し、「変更に至れば、通貨覇権の入れ替えであってはならない」とカーニー総裁は語った。

リブラは各中銀の直接的な管理から外れた世界的なデジタル通貨として構想されているが、フランスのルメール経済・財務相が「問題外」だと述べるなど、大半の政策当局者から厳しい批判を受けている。

カーニー総裁は新たな「合成覇権通貨(SHC)」は中銀のデジタル通貨ネットワークを通じて公的セクターによって最もうまく提供されるだろうと説明。「このアイデアの初期バージョンは欠陥があると立証されたとしても、このコンセプトは魅力的だ。SHCは世界貿易における米ドルの支配的影響力を弱めるかもしれない」と話した。(引用終わり)

 

 

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約

 日本国及びアメリカ合衆国は、

 両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、

 また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、

 国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、

 両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、

 両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、

 相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、

 よつて、次のとおり協定する。

第一条

 締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。

 締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。

第二条

 締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによつて、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。

第三条

 締約国は、個別的に及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

第四条

 締約国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。

第五条

 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。

第六条

 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。

 前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(改正を含む。)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

第七条

 この条約は、国際連合憲章に基づく締約国の権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する国際連合の責任に対しては、どのような影響も及ぼすものではなく、また、及ぼすものと解釈してはならない。

第八条

 この条約は、日本国及びアメリカ合衆国により各自の憲法上の手続に従つて批准されなければならない。この条約は、両国が東京で批准書を交換した日に効力を生ずる。

第九条

 千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約は、この条約の効力発生の時に効力を失う。

第十条

 この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。

 もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。

 以上の証拠として、下名の全権委員は、この条約に署名した。

 千九百六十年一月十九日にワシントンで、ひとしく正文である日本語及び英語により本書二通を作成した。

日本国のために

 岸信介

 藤山愛一郎

 石井光次郎

 足立正

 朝海浩一郎

アメリカ合衆国のために

 クリスチャン・A・ハーター

 ダグラス・マックアーサー二世

 J・グレイアム・パースンズ

911が世界にもたらしたものを改めて考える

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9月 102019

 

今から18年前に起きた911は、1985年のプラザ合意、1989年のベルリンの壁崩壊とともに現代史を大きく動かした不思議な事件であった。

 プラザ合意、ベルリンの壁崩壊は、日本のバブル経済の始まりと終わりに照合している日本経済に大きな影響を与えた事件である。

911テロ事件

そして911は、日米安保による日本の安全保障政策に変質を迫るものであった。

ほとんどの日本人は、目をそむけているが、現在、米国が世界の覇権国でなくなる、日本が国家としての自立をしなければならない時が<アメリカファースト>のトランプ登場によって加速度がついてきている。

また、テロとの戦争の裏では、デリバティブという金融商品の巨大なババ抜きゲームが仕掛けられていたことも忘れてはならないだろう。

覇権国家としての米国経済の延命装置が、テロとの戦争による戦争経済、そして金融工学による過大な信用創造にあったと考えるべきである。

そう考えるとこの二つの戦略がどういう結末を迎えるかという最終局面に現在はある。

トランプはそのために登場した大統領である。

その意味で、私たちはは、何が変わったのか改めて確認しておく必要があるだろう。

日本のマスコミでは、いまだにタブーだが、911が自作自演だというのは、外国の情報機関ではすでに常識のようである。

 

そして、米国は、現在の最終局面で、世界最大の債権国であり、米国の属国である日本に集団自衛権の行使、TPP参加(現在はさらにハードルの高いFTA)、異次元金融緩和によるさらなる米国財政へのフィアンナンスを要求してきた。

現在、安倍政権は懸命に日米通商交渉を見てもわかるようにアメリカに120%協力しているが、やがて、米国覇権は終焉し、結局今のままでは、日本政府の努力は報われることはないだろう。

戦後半世紀以上、国家主権を事実上、米国に預けてきた怠慢のツケをまだ、日本は支払い続ける運命(さだめ)なのかもしれない。

これからの日本を担う経営者、教育者、若者はこのことをしっかり頭の中に叩き込んでおく必要がある。

考えて見れば、私たち日本人は、昭和天皇がつくった冷戦時代のみに有効に機能した「安保国体」から、脱却しなければいけない時代を迎えているのである

その意味では、戦後日本の論壇で分類されていたような右派、左派の色分けは全く意味がない時代が来てしまったということでもある。

そう言った観点で日本の政治を眺めてみると、新しい時代を見据えている政党が皆無だということに気が付いて愕然とすることになるだろう。

もっとも、日本の政治を実際にリードしている官僚がほとんど<従米の考え>しか持てないようになっているのだから、日本の現状では、「ないものねだり」ということになるのかもしれない。

日本人、一人一人がそれぞれ巻き返しの秘策を懸命に考え続ける努力が求められている時代に入ったということだろう。

それでは、田中 宇氏が911テロ事件について、わかりやすい記事を書いているので紹介させていただく。以下。

田中 宇氏

田中 宇氏


「崩れない911公式論」

2019年8月23日   田中 宇

 

2018年(昨年)4月、911事件に関する米政府の判断に疑問を持つ米国の弁護士たちで作る「911調査弁護士会(Lawyers’ Committee for 9/11 Inquiry)」が、911事件現場であるニューヨーク市の検察に対し、「911事件で倒壊した世界貿易センタービル(WTC)は、米政府の公式論のような、ハイジャックされた飛行機の衝突で倒壊したのでなく(ジェット燃料の燃焼温度ではビルの鉄骨が溶けない)、あらかじめビル内に仕掛けられた、ビル制御崩壊(高層ビル解体工事)用の高性能爆弾の爆発によって倒壊したと考えられるいくつもの証拠がある。

 

倒壊現場から高性能爆弾に特有の物質が見つかっているし、当日の消防士らの証言や、WTCの倒壊を撮影した動画の分析などが証拠だ。誰が何のために高性能爆弾をWTC内部に仕掛けて爆発させて多くの人々を殺したのか、米政府がなぜ間違った結論に固執しているのか、米検察は再捜査すべきだ」という趣旨の請求書を出した。 (Lawyers’ Committee for 9/11 Inquiry) (9/11: Finally the Truth Comes Out? Jan 4, 2019

 

 

これまで何度か書いてきたように、2001年9月11日に起きた911「テロ」事件に対する米政府の公式な結論は、いくつもの点で不合理で、その不合理さの一つが、911調査弁護士会が指摘した「WTCの倒壊はどう見ても爆弾による制御崩壊」ということだ。

 

この指摘はすでに911事件の当日、米軍系の研究所の制御崩壊の専門家であるバン・ロメロ(Van Romero。当時ニューメキシコ鉱業技術研究所副所長)がメディアに対して語っている。ロメロ氏はその後、公式論の方向に発言の訂正を余儀なくされた。

 

911事件の多くの不合理さは、マスコミや権威ある人々(軍産傀儡)にとってタブーであり、うっかり不合理さを正直に指摘した人はロメロ氏のように上の方から強い圧力を受けて態度を変えさせられる。指摘した人が一般人の場合は「頭のおかしい陰謀論者」のレッテルを貼られる。

 

米国の上層部(軍産エスタブ)は、911に関する不合理な公式論を、不合理だと人々に指摘させない「タブー化」によって維持してきた。

米上層部は、公式論が不合理であると知りながら、力づくで公式論を維持してきた。

 

911調査弁護士会の請求も「陰謀論に毒された頭のおかしな異端の弁護士たちの奇行」とみなされて米当局から無視されて当然だった。

だが意外なことに、請求書を受け取ったNY市南部地区の検察は約半年後の18年11月、「911に関する再捜査が必要かどうか、大陪審を招集して審議してもらうことにした」という趣旨の返答を、911調査弁護士会に対して出してきた。

 

これは、米当局(の一部)が初めて911公式論に対する不合理さの指摘に対して無視の一点張りによるタブー化の維持から脱却し、公式論の不合理さについて審議することを手続き上認めたものとして画期的だった。 (7 NOV 2018 — U.S. Attorney Geoffrey Berman Will Comply with 18 USC Section 3332) (“Breakthrough”: U.S. Attorney Agrees to Present Evidence of WTC Demolition to Federal Grand Jury

 

 

だが結局、その後さらに9カ月が過ぎたが、911再捜査の是非を審議する大陪審は召集されていない。

昨年11月の検察側からの返答は、形式を取り繕うための「だまし」だった可能性が増している。

WTCのビル崩壊原因をめぐる公式論の不合理さを感じている人々の中には、911当日、現場に駆けつけてWTC内部に取り残された人々の救出作業中にWTCが崩壊して死亡したNY市の消防士たちの関係者がいる。

彼らの一部であるNY市の自治的な消防団の一つである「フランクリン広場・ムンソン地区消防団(FSMFD)」の運営委員会は7月24日に委員会を開き、委員5人が全会一致で、911事件の再捜査を求める決議を可決した。 (New York Area Fire Commissioners Make History, Call for New 9/11 Investigation) (NY Fire Commissioners Demand New 9/11 Probe, Citing “Overwhelming Evidence of Pre-Planted Explosives”

 

この決議は、NY市南部地区の検察に対し「911調査弁護士会に対して昨年約束した大陪審の招集を早く進めてくれ」と促す意味がある。

米国の公的な機関が911再捜査を求めたのはこれが初めてだ

。FSMFDは、WTCから約20キロ離れたNY市内のクイーンズの方にある消防団で、911当日に消防車で駆けつけて救出活動をしている間にWTCが崩壊し、24人の消防士が死亡している。 (Do firefighters believe 9/11 conspiracy theories?

 

911事件は間もなく事件から18年が過ぎる(この記事は気の早い「18周年記事」だ)。

記憶は風化し、多くの人にとって真相などどうでも良い「昔の話」になっている。

公式論の不合理さを指摘する人を陰謀論者扱いする体制は固定され、ほとんど揺らがない。

 

だが同時に、近年トランプが米大統領になって、911後に米国が展開してきたテロ戦争や単独覇権主義のインチキさが露呈するような戦略を展開し、米国と世界の人々が911とその後の米国の戦略の不合理さをより強く感じる流れになっているのも事実だ。

 

911公式論は、表層的(報道されている仮想現実的)には、まだ鉄壁の強さだが、実質的には、以前より多くの人がおかしい、怪しいと思うようになっている。 (Majority Of Americans Do Not Believe The Official 9/11 Story) (How is London’s Grenfell Tower Still Standing?

(引用終わり)

 

*全文は以下のアドレス

http://www.tanakanews.com/190823wtc.htm

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