COP21が開かれたパリでは現在、こんなポスターが張り出されはじめている!

安倍首相頭から水蒸気ポスター

先日、NHK衛星放送「フランケンシュタインの誘惑~科学史闇の事件簿~」では、キュリー夫人を特集していた。夫ピエールと共に放射能に魅せられた彼女は、その放射能による被曝(番組の中でこのように紹介されていた:マウスを入れたガラスの入れ物に、ラジウムを一緒に入れたら、9時間で全てのマウスが死んだ。肺から放射能が検出された。マウスは骨髄がやられていた。キュリー夫人は白内障になり、再生不良性貧血で亡くなった)で結局、死に神を招き寄せていたのだった。当時は放射線による人体への影響がよくわかっていなかったこともあるが、現在では、プルトニウムを使った人体実験のデータすら本当は存在する(これを題材にしたアイリーンウェルサム著「プルトニウムファイル」という本もある)のに巨大な原子力産業をつくるために数々の真実が隠蔽されてきた。そのために21世紀になっても多くの人が放射線の人体への影響について無知な状態に意図的に放置されている。

 そもそもあのキュリー夫人が発見したラジウムの製造所を建設するスポンサーは誰であったか、ご存じだろうか。

金融王ネイサン・ロスチャイルドの曾孫アンリ・ロスチャイルドである。 

原子力産業の歴史とは、ダークサイドから見れば、彼らロスチャイルド財閥の金儲けの犠牲になった人類の歴史でもある。多くの日本人は、原子爆弾ができる前から原爆が日本に投下されることが決まっていたことも未だに知らないのが実情だろう。そして、本土決戦によるアメリカ兵の犠牲を減らすために原爆が投下されたというプロパガンダをほとんどの日本人が未だに信じているのではないだろうか。戦争に負けた日本が現在でも彼らの核実験場であり続けていることにもおそらく、ほとんどの日本人が、気が付いていない。現在のフクシマ第一は放射能被曝データを提供する恰好の実験場となっているのも悲しく、厳しい現実である。

 

現在でも、福島県内の子どもの甲状腺ガン発生率は平常時の70倍を超えている。

201136月の放射性セシウムの月間降下物総量は「新宿が盛岡の6倍」、甲状腺癌を起こす放射性ヨウ素の月間降下物総量は「新宿が盛岡の100倍超」(文科省20111125日公表値)という驚くべき数値になっている。世界経済、日本経済を回すために騒がないだけで、東京を含む東日本地域住民の内部被曝は極めて深刻状況になっている。 195157年に計97回行われたアメリカのネバダ大気中核実験では、核実験場から220キロ離れたセント・ジョージで大規模な癌発生事件が続出している。220キロといえば、福島第一原発~東京駅、福島第一原発~釜石と同じ距離である。

核実験と原発事故は違うのではと思われがちだが、中身は同じ200種以上の放射性物質である。福島第一原発の場合、3号機から猛毒物プルトニウムを含む放射性ガスが放出されている。これらはセシウムよりはるかに危険度が高い。3.11で地上に降った放射能総量は、ネバダ核実験場で大気中に放出されたそれより「2割」以上も多い。

また、日本の原発からできるプルトニウムで欧米の核兵器がつくられ、彼らの核武装体系が維持されている敗戦国の不合理な現実をもっと多くの日本人は知るべきだろう。

 

 ところで、国際的な原子力専門メディア、Nuclear Engineering Internationalが、26日付けで3号機から蒸気が噴出しているのを作業員が目撃しているとの報道している。以下。

More problems for Fukushima

 

Tokyo Electric Power Co (Tepco) has admitted that radioactive ground water from the Fukushima Daiichi nuclear power plant has probably been leaking into the Pacific Ocean. It is the first time Tepco has officially acknowledged that contaminated water from the plant may have reached the sea, despite several studies and findings from the Nuclear Regulation Authority (NRA) which confirmed leakages.

 

Now we believe that contaminated water has flown out to the sea,” Masayuki Ono, Tepco’s general manager, told a news conference in comments broadcast on Japan’s public NHK television. “We would like to offer our deep apology for causing grave worries for many people, especially for people in Fukushima.”

 

Tepco’s admission has underlined concerns raised by NRA, which earlier in November said its experts had found high levels of caesium in samples taken from coastal seawater and the pit water near the facility. NRA had ordered Tepco to investigate the possibility of a leak, but Tepco said there was insufficient evidence to link the high levels of caesium to a leakage from the plant.

*NRA: Nuclear Regulation Authority

While Tepco acknowledged that contaminated water from the reactors is seeping through ground water channels before flowing into the sea, it said water sample tests showed that the impact of the leakage appeared to be controlled by silt fences built around the reactors, as there was no significant rise in the levels of radioactivity in the sea water.

 

However, Tepco admitted in April, that around 120t of radioactive water may have leaked into the surrounding ground from a storage tank, and earlier this month, tests on ground water samples showed that levels of caesium-134 had increased more than 110 times in a few days. To prevent further seepage of ground water to the ocean, Tepco is injecting chemical sodium silicate into part of the seawall separating the sea and nuclear plant, which will solidify a larger part of the seawall with the chemical, Reuters reported.

 

Tepco is also struggling to contain radioactivity at the plant. Workers on 24November reported steam from inside the unit 3 reactor building for the second time in a week. Tepco is investigating the cause after initially suggesting rainwater could have been the source.

 

We think it’s possible that rain made its way through the reactor building and, having fallen on the primary containment vessel, which is hot, evaporated [and created] steam,” Tepco spokeswoman Mami Yoshida said, according to Reuters.

 

The steam rising from unit 3 was noticed by repair crew who were removing contaminated debris from the facility. “All work to remove debris in and around unit 3 was stopped,” a spokesperson for Tepco told The Daily Telegraph. “We have confirmed that radiation levels around the pressure chamber have not changed, and we were able to confirm that the reactor has not reached criticality.”

 

The incident underscores the concerns and challenges involved in decommissioning the Fukushima plant, including how to dispose of the water used to cool its melting reactors. Tepco has poured thousands of gallons of water over the reactors since the 2011 incident, and disposing of the water with radioactive content is a major problem.(引用終わり)

 以下の映像を見ていただければ、核燃料のメルト・スルーによって人類史上未曽有の事態を引き起こしてしまっている福島第一原子力発電所の現在の状況を垣間見ることができる。是非、見ていただきたい。

フクシマ トリチウウム水蒸気

https://www.youtube.com/watch?v=-f10qxt0C8I

臨界を想像させるような異様な光とトリチウム水蒸気が出ているのが確認できるはずである。

20151127日の東京の濃霧も太平洋側が乾燥する季節に何処から水蒸気が来たかを考えるとあまりにも恐ろしい連想を誘うものである。

東京濃霧 2015年11月27日

また、以下の湿度もあまりに不可思議である。

石巻 湿度 2015年11月26日

日本のマスコミは黙りを決め込んでいるが、放射性水蒸気(トリチウム水蒸気)が滞留していると考えるのがどう考えても一番自然である。

以前も紹介したが、今秋、福島県宅地建物取引業協会が東京電力を訪れ、約25億円の損害補償を申し入れている。来年以降、不動産への原発被害がいよいよ顕在化し、今後は周辺地域、都市圏への波及が警戒される事態となっている。このことを以下の数字がよく物語っている:現在、東京23区の賃貸マンション空室率の上昇が止まらない。既に千代田区36%、中央区28%、目黒区27%となっている。日本政府が放射能汚染を頑なに隠蔽する一番大きな理由は、首都圏の不動産価格を下げたくないからである。都市圏の地価は10%の毀損で100兆円近い評価損失となる。これだけで信用創造機能は不全に陥ってしまう。農林水産業や事業損失に加え不動産の賠償が加わるとなれば、脆弱な日本の財政など一瞬で破綻することは明らかだろう。そのために官民上げて情報統制に狂奔し、被害実態を隠蔽し、富裕層が資産処分の時間を稼ぎ、クライシスを先送りしている。

 

また、下記の避難基準を見ていただきたい。以前のレポートでも指摘したが、民主党の菅直人政権時代、福島県という地方自冶体を残すために採用されたのが下記の基準である。

この背景は船橋洋一氏の「カウントダウン・メルトダウン」に詳細に描かれている。

チェルノブイリより4倍も高いフクシマの避難基準

「ブッラクアジア」という著書がある人気ブロガー鈴木傾城氏が少々古いが適確な指摘をしているので紹介する。以下。

 

「放射能に汚染される首都圏で暮らして、人々が騒がない理由」 2013-10-29

 

東京はまったく福島の原発事故の影響がないと言われているが、これは完全なるデマだ。

日本政府は全国の環境放射能水準調査を発表しているが、東京は全国で3番目に放射能が高い地域となっている。放射性セシウムは、これを見ると東京で6.6メガベクレルも検出されているのが見て取れる。(http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/9000/8041/24/195_Jul_0830_0905.pdf

日本政府は往々にして調査結果を低めに測定するが、それでも東京が汚染されているのは隠せない。放射能は流行と違って、人が存在を忘れたからと言って無力になるわけではない。知らないうちに首都圏の人間はどんどん内部被曝していくことになるのだ。そもそも、首都圏の人間は2011年3月の中旬から後半にかけて、3600ベクレルもの内部被曝をしたのだ。

よく分からないのであれば、このように言えば分かるだろうか。東京は、チェルノブイリの数百倍、数千倍もの放射能がそのときに舞っていた。このとき、東京を脱出していた人は正しいことをしていたのである。

 

放射能のせいであることは徹底して無視される

日本では、2011年3月に福島第一原発が爆発してからというもの、行政もメディアも、まったくアテにならないことが明るみになった。政府も当てにならない。民主党は史上最悪の政権だったが、この政権が倒れて自民党政権に戻っても、原発の扱いについてはいまだ現状は変わっていない。小泉元首相のように、脱原発に動き出す政治家も見られるようになったが、安倍首相はそうではない。

もう日本では原発が存在できないことは状況的に見れば明らかなのだが、それが普通の人に理解できるようになるのは、実際に内部被曝を起因とする夥しい病人や死者が顕在化してからだ。

 

それはまず、統計として現れる

2011年以降から癌による死者が20万人30万人の単位で増え始めたのが隠せなくなってから、やっと日本政府は内部被曝が深刻であることを認めることになる。それまでは、情報封鎖・隠蔽・矮小・安全デマを繰り広げて、あなたの体調不良や健康被害が放射能のせいであることは徹底して無視されるのは言うまでもない。つまり、私たちが楽観的になって暮らしていたら、内部被曝させられるがままになるということだ。

危機感を感じて、状況を注視しておかなければならない。特に子供を持つ母親は、用心に用心を重ねて情報を収集していないと、子供が悲劇に遭う。母親に危機感がなければ、子供が不幸になる。

 

基本的に、日本の組織は誰も責任を取らない

20121225日、茨城県取手市の小中学校の心臓検診で、「要精密検査」と診断された児童が急増しているケースが東京新聞によって報道された。「QT延長症候群」の疑いがあるというものだったが、この「QT延長症候群」とは、突然死を招くものである。

子供の突然死を引き起こすような「危険な診断結果」が原発爆発後に増えているのだが、それがなぜかほとんど問題視されていない。この記事はすでに消されているので、「73人が要精密検査、取手市内24校心臓検診」と検索してみてほしい。いくつかのサイトで記事が読めるはずだ。

日本の水面下で起きている危険な出来事を、日本人はまるで他人事のように「知らないふり」で乗り切ろうとしている。放射性物質は体内に蓄積する。セシウムは筋肉に蓄積し、ストロンチウムは骨に蓄積するのだ。

だから、これから白血病も、甲状腺障害も、心臓障害も、ありとあらゆる病気が激増していくことになり、やがてはそれが統計となって私たちの目に触れることになる。

しかし、当事者として重要なのは統計ではない。私たち自身の健康であり、家族の健康であり、子供たちの健康である。

親はもう公的機関もマスコミも信用できないことは、肝に命じておくべきだ。

なにしろ、日本の組織は誰も責任を取らないのだ。福島第一原発が爆発してから、どうなったのか調べてみればいい。

「プルトニウムは飲んでも大丈夫」の東大教授も、「ただちに影響がない」の政治家も、「飛び散った放射能は東電の所有物ではない」の東京電力も、誰ひとりとして刑務所に行っていない。数千万人に巨大な影響を与えた大惨事だというのに、当事者は誰ひとり罪にならない。あまりにも信じがたいが、これは事実である。私たちは今、誰も責任を取らない国で暮らしている。

 

負債は企業にも個人にも致命傷になり得る

だから、私たちは、常に危機感を常に持っていなければ大変なことになる。首都圏は現在、日本で3番目に放射能汚染のひどい場所であることを自覚しなければならない。

このままでは、自分が犠牲になるか、自分の家族が犠牲になるか、子供たちが犠牲になる。何しろ、今でも放射能は静かに堆積しているのだ。

東日本や首都圏は、今後は放射性物質の累積で人間が住めない地域になる可能性もあると考えた方がいい。長期的に見ると「棄てられる地」なのだ。

それなのに、なぜ騒ぎにならないのか。

それは、誰もが東日本に「関わり」を持っているからだ。

人々はそこで暮らし、生活し、仕事をして、不動産を持っている。放射能汚染で騒げば、不動産の資産価値が下がるのは分かりきっている。この世の中で、誰が進んで損することをするだろうか。

放射能は中国の大気汚染とは違い、目に見えず、臭いもしない。だから、騒がなければ資産価値は守られる。必死の思いで不動産ローンを返し終わったら放射能汚染地帯になっていて人が暮らせなくなっていたとなると、何のための人生だったのかということになる。放射能に汚染されていく土地で暮らして人々が騒がない理由は、まさにここにある。巻き込まれている人は誰もが絶対に放射能の問題など認めない。資産価値を守るためには、「放射能は人体に良い」とさえ言い出すだろう。それが人間なのだ。

逆に言えば、自分の身を守り、家族の身を守るためには、何が隠されようとしているのかを把握し、自分がしっかりと防衛に努めるしかないのだ。

子供たちを内部被曝から守ろうとする母親は、孤独な戦いを強いられることになる。(引用終わり)

最後に元スイス大使村田光平氏のホームページから川上直哉氏の「原子力災害の第二段階を前にして」という驚くべき情報満載の文章を紹介するので、是非、読んでいただきたい。

 

「原子力災害の第二段階」を前にして   20151111日  東北ヘルプ事務局長 川上直哉(牧師・神学博士)

<川上直哉 略歴>

1973年、北海道に牧師の息子として生まれる。神学博士(立教大学)・日本基督教団正教師。宮城県教誨師(日本基督教団東北教区から派遣)、宮城県宗教法人連絡協議会常任幹事(日本基督教団東北教区宮城中地区から派遣)、仙台白百合カトリック研究所研究員、仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク (NPO法人「東北ヘルプ」)事務局長、食品放射能計測プロジェクト運営委員長、東北大学「実践宗教学」寄附講座運営員長、世界食料デー仙台大会実行委員長(20154月現在)

 

【要 旨】 

1.定義

 2011 3 11 日に起こった地震と津波によって、東京電力福島第一原子力発電所が爆発事故を起こした。この際起こった被害は、徐々に明らかになった。避難時の不手際などによる悲劇を含めて、これを「原子力災害の第一段階」と呼ぶ。

「原子力災害の第一段階」において、たとえば予防原則に基づいて適切な措置が取られていれば起り得なかった災害が、今、起りつつある。それを「原子力災害の第二段階」と呼ぶ。

2.転機

 「原子力災害の第二段階」が始まる転機は、2015 年秋に認められる。

3.社会的状況

 この 2015 年秋には、「福島安全宣言」に類する動きが活発化してきている。これは、震災以後続いた体制の行き詰まりを示すものとも見える。

4.見通し

 2016 年中には、内外の惨状がある種の「閾値」に達し、原発事故直後に起こったと同様の社会的変動が起こると見通せる。

5.結論

  キリスト教支援団体である我々は、上記の見通しの中で、自らの役割を果たす努力を更に具体的に進める。それは、宗教の領域において可能な努力を尽くすことで、政治・経済・法・報道・学問の各領域で同様の努力が進められることへの刺激となることを志してのことである。そのように各自が「持ち分」を誠実に引き受け始めることによってのみ、未曽有の事態に茫然自失しているこの国の再生が始まると信じている。

 

【本 文】 

 2015年秋は、大量の情報が流れ出た記念すべき時として記録されることだろう。それは「原子力災害の第二段階」の始まりを画するものとしてまとめられる。以下、その報告をまとめ、今後の流れを予測し、支援活動の方針を考える資料とする。

 

1.「原子力災害の第二段階」とは

 2011311日に起こった東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所1~4号機は爆発事故を起こした。(国会での証言資料によると)セシウム137だけでもヒロシマ型原爆の160倍程度の汚染が引き起こされ、(ある英語文論文によると)セシウム134だけでもチェルノブイリ原発事故の3倍程度の汚染が引き起こされ、(報道された限りにおいて)プルトニウム239だけでも32億ベクレルの汚染が引き起こされた、とされる。(201411月のドイツにおける日本人の研究によると)ヒロシマ型原爆の7万倍のプルトニウムが降下した。避難時の不手際も続発し、多くの悲劇が起こった。また、(NHKの報道によると)東京電力福島第二原発と東北電力女川原発においても、270億~6200億ベクレルの放射性ヨウ素が放出された。これを「原子力災害の第一段階」と呼ぶ。

 その際、ほとんどの地域で安定ヨウ素剤が配布されなかったことに始まり、諸々の「不作為」が続いて現在に至る。たとえば、1986年の原子力災害において、特にその5年目(1990年)の9月に開催された「第一回チェルノブイリ事故の生物学的、放射線医学的観点にかかる国際会議」以降順次定められた「チェルノブイリ基準」に従えば、「移住の義務」を課せられる土壌汚染が無数確認される福島県中通地区においてすら、公的な除染の際に土壌の汚染状況を計測することは、2015年現在、全く検討されていない。その不作為の結果起こってくる悲劇を、「原子力災害の第二段階」と呼ぶ。

 現在、この「第二段階」の始まりが見えていると思われる。

 

2.転機

 「第一段階」から「第二段階」の転機は、小児甲状腺癌の多発が確認されたところに認められる。それは、108日の外国人特派員協会における津田俊秀氏の会見が具体的な契機となる(この会見内容については、既に英語でも報道されている)

 この秋には関東地方での小児甲状腺の異常が報道され、茨木県北茨木市での甲状腺異常が報道された。その後、2011年時点で未成年であった千葉県柏市民173名の内11名が甲状腺癌およびその疑いであることが発表された。柏市の未成年者数はおよそ7万人程度と推定されるので、「11人」という数字は、極めて高い値を示している。

 上記は、2011年の原子力災害が1986年のチェルノブイリ原発による原子力災害の後を追いかけていることを示している。1986年の原子力災害の場合、6年目・7年目にかけて、各種の疾患数が爆発的に増加している。来年6年目を迎えるのが2011年の原子力災害である。各種の疾患数はどうなっているのかを確認することは、意味あることだと思う。

 実際、日本においては、例えば急性白血病の診療実績が右肩上がりに増えている。ただし、福井県、大阪府、和歌山県、鳥取県、香川県も大幅に上昇していることは注意が必要である。このことは、二つの可能性を示している。一つは、がれきや土砂等の移動による被ばくの拡散という可能性、もう一つは、そもそも2011年の原子力災害の被害は本州全域に影響を与える規模であったという可能性である。201314年のお茶とキノコから行政が確認した放射能の数値を整理すると、静岡県や長野県における汚染の高さがわかる。各地の行政が発表した空間線量の報告を集めてみると、愛知県県境の西側付近で震災前の二倍以上の放射線量を確認している場所があることがわかる。

 1986年の原子力災害の後、甲状腺癌については、子どもよりもむしろ大人の発症数が爆発的に増え、その発生率も永続的に右肩上がりとなることが報告されている。例えば甲状腺単科の専門病院である伊藤病院の外来件数の推移(現在は2014年まで公開・2010年比は微増)に、今後注目することが有益と思われる。

 

3.社会的状態

 しかし、上記のような事態にもかかわらず、社会は反応していない。むしろ、515日には「『福島安全宣言』実行委員会」が組織され、923日には6号線を中高生に清掃させるイベントが行われ、1012日には南相馬市でサーフィンの全国大会が開かれた。他方で、東北ヘルプの「短期保養」支援プロジェクトは2013年から201510月までに560回を超える面談を東北・関東で行い、子どもの健康被害を訴える親たちの声を拾ってきた(報告書「東北ヘルプ「短期保養支援」の面談結果について」および「保養面談報告書」を参照)。この声と、上記の動きと、両者の間にある乖離は激しいものとなっている。

 ただし、上記の「『福島安全宣言』実行委員会」の代表である矢内筆勝氏は「幸福実現党」の総務会長兼出版局長であり、会の事務局所在地は「幸福実現党福島後援会」の住所と同一である。またこの会の顧問には田母神俊雄氏が就任している。予断を敢えて記せば、この運動はむしろ、今後健康被害が隠し切れなくなった時の「トカゲのしっぽ切り」のために、憎悪の対象を明示する作業が行われている、とも見える。

 沖縄・辺野古における基地建設を巡る政府の動きも、また、所謂「アベノミクス」の現状も、現体制の行き詰まりを如実に示しつつある。そうした中で「原子力災害の第二段階」が現在進行している。

 

4.見通し

 以上を踏まえて、今後、大きな社会変動が起こることが予想される。具体的には、数千万人の規模での人々の移動が起こるだろう。その混乱はどのようにして起こるか。上記の情報と、現在東北ヘルプが担っている支援活動、とりわけ562回の面談を行い126世帯(大人299人、子ども307人)の状況を定期的に聞いて得られた情報とを総合すると、以下のような見通しが示され得る。

 

(1)2015年度中に政治的状況が激変する。

 2011年の原子力災害の結果、ある昆虫(ヤマトシジミ)においては、「骨格」に相当する部分の異常が5世代目をピークに増加することが、既に実証されている。2013325日には、福島県飯館村では馬の不審死が相次いでいると、フォトジャーナリストが報道している。また、放射能の強い地域のモミの木に異変が起こっていることを報告する論文(英文)も20152月にされた(なお、この報道においては、2011年の原子力災害の方が1986年の原子力災害よりも深刻な状況にあることが示唆されている)。

 元外務官僚である原田武夫氏は、2015111日公開の「安倍晋三総理大臣への公開書簡」において、同年12月には日本経済に行き詰まりが起こり、そして「福島第一原子力発電所を巡る健康被害の実態」が明らかにされる、としている。この書簡は実名で公開されていることから、注目に値する。経営学の専門家(大学教授)と外交の専門家(元大使)にこの内容についての評価をお願いしたところ、以下のように回答を得た。

 

「興味深い内容であり、出鱈目を述べていると断ずることはできない。外交関係についての記述については、確かな情報源をもっていることがうかがわれる。経済的な記述については、6割方、正しい記述である。ただし、中小企業と組んだビジネスに絡んで議論がなされていることが気になる。また、日銀の量的緩和についての理解については、根拠が示されずに私見が前面に出てきている。中小企業に対する大手銀行員の理解・態度については、現在のトレンドを提示していない。これらの点が、説得力を減じている。」

 

 20151026日の報道によると、事故当時、事故現場から20キロ圏内で避難誘導を担当した自衛官など、約三千人の内、38パーセントが、作業中に「1ミリ㏜」以上の被ばくをした。この人々の健康被害が明らかになるというのが、上記原田氏の議論であった。

 川上の周辺に、癌および脳・心臓の血栓を患う人が増えてきている。保養相談においでになった方のお一人のご友人は、都内の幼稚園の経営者の立場で、奇形・体調不良の入園者が増加していることに恐怖を感じ東京を去って九州へ転居した、という。こうした動きが、どこまで広がるか。その流れ次第で、比較的早い段階(年度内)で大きな変化が訪れることになるかもしれない。

 

(2)20163月に社会的状況が反転する。

 「真実を探すブログ」といった個人のブログは、これまで、多くの情報を整理してきた。しかしそこには編集の作業や反証の検討において、不足が多々見られる。これをもって「移住」といった大きな決断ができる人は、決して多くないものと思われる。

 現在、内外から数多くのジャーナリストが原子力被災地を取材している。「国境なき記者団」の某記者から直接聞いたところによると、ジャーナリストにとっては「日付・年数」の数字が重要であるとのこと。つまり、「5年経過したフクシマの3月」といったキャッチコピーを付すことができるまで、今調べていることを発表することをしない(できない)のが、ジャーナリストである。それは経済的な理由による動かしがたい現実である、とのことだった。

 1020日に白血病を発症した廃炉作業員に労災が認定された、というニュースが報道されながらも、116日の共同通信は汚染地帯を中高生に清掃させたことへの批判を「誹謗中傷」と報道した。このように、現状は、各ニュースが突き合わされることなく陳列されている状況にある。これはジャーナリストの作業が顕在化していないことを端的に示していると言えるだろう。

 ということは、現在進められている内外のジャーナリストの調査が世界中で一斉に報道される可能性があるのが、20163月、ということになる。それは、日本の空気を一変させる可能性がある。

 川上は支援の現場で「5年が限度」と感じている母親たちの多くいることを見聞きしている(報告書「東北ヘルプ「短期保養支援」の面談結果について」および「保養面談報告書」を参照)。今年になってから、「離婚してでも」子どもを移住させようという思いが、母親たちの間に強くなっている。夫への絶望がそこに見られる。そうした中で、現在曖昧とされている事柄が整理され提示されたなら、2011311日以降の数週間の間に起こったように、母親たちが一斉に行動を起こすかもしれない。

 

(3)2016年中に国際的環境が厳しさを増す。

 1025日の新聞において、除染で使用した道具が、2012年以来、「一般のごみ」としてコンビニなどに廃棄されていることが報道された。

 20141231日の新聞で、東京電力が、福島第一原子力発電所の解体作業に際し使用していた放射性瓦礫飛散防止剤を10倍に希釈していたことが報じられた。この年の夏までの間、南相馬市の農家から「放射性物質が飛散している」との指摘を受けた日本国政府と東京電力は、一年がかりの調査の結果「三号機から大規模な放射性物質の拡散がなされた」といったん発表したが、すぐにそれは「再計算」によって訂正・撤回され、結局この問題は「飛散の原因は不明」とされていた(経緯のまとめはこちら)。

 20151029日、東京電力は記者会見を開き、格納容器外の場所で最大9.4㏜毎時を計測したと発表した。それは45分で人が死ぬ空間放射線量であるという。つまり、20141231日の報道は、そうした現場の粉塵飛散防止がなされないままに原発周辺のがれき撤去作業が行われた、ということを伝えていることになる。

 上記は、放射性物質による環境被害が継続して拡散している可能性をうかがわせる。国内では、このことへの批判は弱い。しかしこれが国際社会を相手にした場合、どのようになるか。

 米国のFM局のサイトは、20151031日、福島第一原子力発電所事故現場から毎日300トンの汚染水が流出していることを伝え、その影響について詳細に報道した。

 2015925日のNHK国際放送は、2号機の核燃料のほとんどは格納容器の中に残されていないことを、名古屋大学の森島邦弘教授が結論付けたと報じた。また、環境中に核燃料が露出している危険性を、20157月の英語版の日本の新聞は、はっきり指摘している。2011年の事故後、放射性物質の排出量は当初の想定よりもはるかに多く、また、はるかに長期間にわたっていることが、東京大学や九州大学の調査で明らかにされたと、英語で2014年に報じられている。しかし日本でこのような報道は、ほとんどなされない。

 2014 年、米国では、原子力災害に携わる日本の高級官僚が「平気で」放射性物質を拡散させていることを告発する番組が放映され、また、フランスでは、海洋および大気における汚染を検証する番組が放映された。福島県のある地域に住む女性の証言によると、カナダへ書籍その他一般的なものを郵送する際でも、送り元にFukushima の文字を入れると、徹底的な検査を受けて送付先には届かず、それではと、Fukushima を書かずに送ると、そのまま届く、という。これは、世界の危機感を伝える一つの証言である。

 キログラム当たり5万ベクレルを超えるマッシュルームの画像情報が、20151029日に英語のサイトにおいてアップロードされた。1020日には、廃炉作業員の白血病発症に労災が認定されたことも英語で報道された。915日にはポーランド語と英語で福島県内の状況が詳細に報道されている。以前にも、たとえば20124月に、米国で流通する日本産の海苔の放射線量が高いことが米国の環境団体のサイトで報告されていた。今後、こうした情報が五月雨式に出、噂レベルでの関心は強まるだろう。

 日本は海洋法に関する国際連合条約の締結国である。締結国各国は自国の排他的経済水域の環境について管理する権利を有している(56条)。原発事故現場から排出される汚染水についての評価は、各国が主体的に判断するものであって、日本国政府の指示に従うものではない。

 従って次のように結論付けることができる。仮に、2015年度中に健康被害の顕在化が政治的影響をもたらさず、20163月の報道によって社会が変化しなくとも、その両者は国際的な影響(外圧)となって日本に押し寄せることになるだろう。2015115日の Japan Times 紙は、「2020 年オリンピックからの名誉ある撤退」を求める記事を掲載し、すぐ、英語でそれに続く報道がなされている。こうした動きは今後強くなり、2016 年には大きな影響を日本全体に与えるものと思われる。

 

5.結論

 我々はキリスト教に基づく支援団体である。以上の見通しは、我々の支援のためにあえて獲得するものである。

 以上のような見通しの中で痛む魂への配慮こそ、我々の課題である。我々の課題は、政治的変革でも、経済的利益の追求でも、法的正義の確保でも、情報の公開でも、真理の追究でも、治療・衛生でもない。

「魂」の語をもって、「精神(霊)」と「肉体」の総合を指す。全人的な支援を担うために、上記の見通しに従って、以下の支援を行う。

a. 原子力被災者の尊厳を守る。そのために、被災者各位の自己決定のそれぞれを尊重する。あらゆる宗教的立場(キリスト教を含む)・政治的立場(反原発を含む)については、常に中立を旨とする。以上を理解し賛同するチャプレンを派遣し、絶望から人々を保護する。

b. 原子力被災地に留まりたい、留まろう、と志す人に対しては、「減災」のために必要な情報を提供する。具体的には、内部被ばくを避けるための食事レシピや短期保養のための情報や資源を提供し、土壌と食品の放射能計測を行う。

 

c. 原子力被災地から避難したいと志す人に対しては、その避難を支援する。そのために、 

c-1. キリスト教のネットワーク(YMCAYWCA、「友の会(羽仁もと子の系統)」等)に、避難者を保護するための各地の市民活動を、つなげる。このネットワークを活用し、米国黒人奴隷解放運動のために作られた「地下鉄道」の故事に倣い、避難したくてもできない人々のために可能な奉仕を行う。

c-2. 非難希望者が避難のイメージを具体的に描けるように、避難した体験談を提供する。

c-3. 避難希望者が避難の契機をつかめるように、今後の見通しを日々更新しつつ提供する。

 

 以上を実行するために、以下のような体制で支援活動を展開する。

 

(1)本部事務局の維持管理:年額約600万円

 (事務局長1名・職員2名・事務所家賃・自動車維持費・通信費・その他雑費)

 

(2)放射能計測所の維持管理:年額400万円

 (職員2名・計測機器維持管理)

 

(3)支援活動費:年額1000万円

 (チャプレンによる訪問傾聴・チャプレンの連絡協議・集約された情報の発信)

 

(4)短期保養支援費:年額500万円

(年間250回の短期保養を支援) 

 現在、国内の献金でおよそ1500万円が確保できる体制にある。今後、上記(3)(4)を獲得するために、国内外の諸団体に、合計1000万円の資金申請を行うこととする。(引用終わり)

丸山環境相 フクシマ視察


*この姿を見れば、フクシマ第一が如何に危険な状態にあるかがわかる。こんな恰好して風評払拭と言っても海外の人は誰も信用しないだろう。


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