2017年は、政治経験のないニューヨークの不動産王である異色のトランプ氏が米国の大統領に就任することで、今までとは全く違う国際政治が展開される可能性が大きくなっています。

 ところで、明治維新から始まる日本の近代150年を30年ごとのスパーンで見ることができるという興味深い指摘があります。大変わかりやすい視点ですので、以下に紹介します。

18651895年が明治維新に功労のあった元勲の時代、18951925年が日本が国際政治の舞台に上がり、いわゆる一等国になっていく時代、19251955年が欧米から導入された官僚制が軍隊を含めて完成した時代、1955年~1985年が保守合同から始まる高度成長時代、そして19852015年が日米構造協議、プラザ合意から始まる構造改革の時代と、言うものです。

 

そして現在、ロシアのプーチン大統領がシリアで勝利したことに象徴されるように国際政治の舞台でさらに存在感を増しています。ご存じのようにプーチン氏は脱グローバリズムの政治家です。また、米国ではグローバリズムからの脱却を選挙で訴えてきたトランプ大統領は、新自由主義、新保守主義に基づく構造改革路線に終止符を打つ政策を掲げて実行しようとしています。昨秋、日本の国会で強行採決騒ぎを起こしたTPP(環太平洋連携協定)もグローバリズムに基づく構造改革路線政策の一つですが、米国のトランプ大統領は就任前にTPPからの離脱を明言しています。

 ところで、元総務大臣だった片山義博氏が「地方行政とTPP」について下記のような根本的な疑問を投げかけていました。

「私は、地方政治を携わった経験もあるので、その立場から言わせてもらいます。地方自冶体の長としては、地元を発展させる為に地元産業を育成して、雇用の創出を図ったりします。その為に優遇措置を採ることもあります。しかし、TPPにはISD条項というものがあり、地方産業を育成する政策が外国企業の競争を妨害すると訴えられる恐れもあります。」

 このようにTPPは、地方自冶を阻害する側面を持っています。こういった議論は、大手メディアは意図的に避けてきましたが、これから地方活性化を真剣に考えている地方にとっては避けては通れない問題です。

いずれにしろ、上からの構造改革路線の時代が終わり、地域に住む人々の創意工夫、行動の時を迎えています。その背景には、国や地方自冶体の財政状況の大変厳しい状況もあります。その意味で2017年は、「民生自冶」の長い伝統を持つ日本にふさわしい時代の転換点の始まりの年になるのではないでしょうか。いよいよ「民の時代」が始まろうとしています。

 

ISD条項とは、市場参入規制をしたり、国内企業を保護しているとみなした国や自治体に対し、外国投資家が国際投資仲裁機関へ訴える権利を事前に包括的に付与する条項です。

*東愛知新聞に投稿したものです。

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