戦後の成功体験を捨て去る時が来ている!

Opinion コメントは受け付けていません。
9月 202019

1989年 ベルリンの壁が崩壊しても、2011年、東日本大震災で日本の原発安全神話が完全に崩壊しても、2016年、反グロバーリズムのトランプ大統領が登場してトランプ革命と呼ぶべき政治活動をやり始めても、私たち日本人は、戦後復興の成功体験の集大成である1980年代に戻ることができるといまだに考えているかのようである。

ベルリンの壁崩壊

トランプ大統領就任式

そして、いまだに公共放送を自称するNHKを中心に日本のマスコミは、「クールジャパン」「日本スゴイ」キャンペーンを、思考能力を失った政治家の主導で行っているのが現実である。

 

東京オリンピック誘致成功

 

いくら、「フクシマ第一がアンダーコントロールだ」と偽ってオリンピックを賄賂を使ってまで誘致しても、中国、韓国叩きをやって憂さを晴らしたところで、サムソンが日本の家電メーカーを追い越したこと、ファーウェイが5Gで日本のはるか先を行っている事実を変えることはできない。

 

その意味で平成の30年は失われた30年であったと考えてもいいだろう。

 

「失敗の本質~日本軍の組織論的研究~」(中公文庫)という名著がある。

 

「なぜ日本軍は、組織としての環境適応に失敗したのか。逆説的ではあるが、その原因の一つは、過去の成功への<過剰適応>があげられる。過剰適応は、適応能力を締め出すのである。」と分析している。

 

戦後日本の成功は、冷戦崩壊によってそのモデルは、成立しなくなったにもかかわらず、私たちは同じ失敗を繰り返し続けてきたのである。

 

そして今も時代の流れを無視してオリンピック誘致、万博誘致、カジノ誘致、etc、昭和の発想で経済が活性化すると勘違いしている。

そう言えば、2011年3月15日にこんな文章を書いていた。以下。

 

「おそらく、2011年3月11日は、1945年8月15日に匹敵する位、いやそれ以上の歴史的転換点であったことが、後日はっきりするのではないでしょうか。
  
 確かに3月11日まで、国、地方の財政赤字のの問題、そのための行政改革=公務員改革そう言った(減税もそのベクトルで言われていました)この十年来、日本の政治を賑わしたテーマは、この大災害を受けて完全に過去のものになってしまったと言っても過言ではありません。
 
 震災復興のための巨額の有効需要が数万人余もの寡黙な東北の人々の犠牲の上に創出された今、平時における「財政調整」はもはや全く意味のない状況になっていると言えましょう。
 
 この機に及んでまだ、復興のための消費税等の増税を唱えている官僚や政治家は、日本で何が起きているのか全くわかっていないのではないでしょうか。
 今こそ、国家非常事態にあたり、日本が世界一の債権大国であることを最大限活用する時であります。
 
 特に小泉純一郎氏によって顕著になった「テレビ型劇場政治」の展開が続く中で “本当の価値”、簡単な言葉でいうと生死にかかわる選択の問題は、戦後日本政治の中で明らかに後退していきました。そしてこれまた平たい言葉でいえば「趣味の問題」(=直感的、直情的、非論理的、扇動的)として政治が、選挙が推し進められてきました。
 
 「劇場政治」のマスコミによる大衆心理操作のようなものが川上から徐々に地方政治という川下へと流用されていく中でこの傾向はますます強くなり、そもそもそうした選択を迫る人物そのものに対する表面的な「好き」「嫌い」が、擬似ではあっても“価値”の選択そのものと勘違いされるようになってしまいました。
 
 考えるに、冷戦によってもたらされたあまりにも「幸福な時代」=「本質的に物事を考えることが必要とされない時代」の大団円がこの震災であったことを我々は、これから知ることになるのではないでしょうか。
 
 ところで、現実に平時であれば、曲がりなりにも機能していたかに見えた日本の政治家、官僚、財界の経営者がここまでの無能さをさらけ出しているのは何を意味しているのでしょうか。
  戦後の右肩上がりの「慣性の法則で生きられるような時代」が終わってしまったことを意味しているのではないかと私は考えます。

 その意味で私たち、日本人は、前例のない時代を切り拓いていく転換点に今、立たされているのではないでしょうか。

 ともかく、東日本大震災、福島原発の事故、この二つの災いが、これからの日本を変えていく大きな節目になっていくと私は確信しております。またもそうならなければ、21世紀の日本の未来を切り拓くことはできないと考えます。」(引用終わり)

 

 

しかし、あのような大惨事(311)が起きても日本は全く変わることができなかったのである。

 

ポイントは、一つ、国家非常事態にあたり、日本が世界一の債権大国であることを最大限活用することが全くできなかったことである。

 

おそらく、国際社会において、2020年、東京オリンピック誘致が認められたのも、フクシマ第一事故の矮小化が認められたのも、世界最大の債権国、日本の経済力をリーマンショック後の海外勢が必要とし、日本に自国のために使うべきその経済力を使わせない深謀遠慮であったのでは、ないだろうか。

 

それが原子力利権を中心に戦後できた利権を守ろうとする日本の既得権者と思惑が一致したために今日の悲惨な状況をもたらしているのだろう。

 

日米安保条約が破棄される時が迫っている???

Opinion コメントは受け付けていません。
9月 112019

 

本年、6月末日に大阪で行われたG20の直前にトランプ大統領は、日米安保破棄の考えを意図的にマスコミにリークさせた。以下、ブルーバーグより。

トランプ大統領、日米安保破棄の考え側近に漏らしていた-関係者

Jennifer Jacobs

2019年6月25日

トランプ米大統領が最近、日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に漏らしていたことが分かった。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。トランプ大統領は日米安保条約が米国にとって不公平だと考えている。

 関係者によれば、トランプ氏は同条約について、日本が攻撃されれば米国が援助することを約束しているが、米国が攻撃された場合に日本の自衛隊が支援することは義務付けられていないことから、あまりにも一方的だと感じている。旧条約から数えて60年余り前に調印された安保条約は、第二次世界大戦後の日米同盟の基盤となっている。

大統領は条約破棄に向けて実際に措置を取ったわけではなく、政権当局者らもそのような動きは極めてありそうもないことだと話している。トランプ氏の個人的な会話の内容だとして関係者らはいずれも匿名を条件に語った。

 万が一条約破棄となればアジア太平洋地域の安全保障に役立ってきた日米同盟を危うくする。日本が中国および北朝鮮からの脅威に対して防衛するため別の方法を見つける必要が生じ、新たな核軍備競争につながるリスクもある。

 菅義偉官房長官は25日午後の会見で、「報道にあるような日米安保見直しといった話は全くない。米大統領府からも米政府の立場と相いれないものであるとの確認を得ている」と語った。その上で、「日米同盟はわが国の外交安全保障の基軸」であり、「日米安保体制は同盟関係の中核を成すものだ」と指摘した。

関係者によれば、トランプ大統領は沖縄の米軍基地を移転させる日本の取り組みについて、土地の収奪だと考えており、米軍移転について金銭的補償を求める考えにも言及したという。また、トランプ氏が日米条約に注目したことは、世界の他の国々との条約においても米国の義務を見直そうという広範な検討の端緒である可能性もあると関係者2人が述べている。

 ホワイトハウスの報道担当者は24日夜、コメントを控えた。

 大統領はかつて個人的な会話で、日米条約の下での米国の義務を認識していると述べたことがあるが、同時に、他の条約についての立場と同様、より互恵的な関係を望んでいる。

 大統領が米議会の承認なしにいったん批准された条約を破棄できるかどうか、米国の法律では決着していない。

トランプ大統領は5月の訪日時に、横須賀基地で米海軍の強襲揚陸艦「ワスプ」に乗船、乗組員らを前に、「米日の同盟はかつてないほど強固だ」と述べた。同基地について「米海軍の艦隊と同盟国の艦隊が共に司令部を置く世界で唯一の港だ。鉄壁の日米協力関係の証(あか)しだ」と語っていた。

原題:Trump Muses Privately About Ending Postwar Japan Defense Pact(抜粋)

Trump Muses Privately About Ending Postwar Japan Defense Pact(引用終わり)

 アメリカファースト

 例によって日本のマスコミは奇矯な言動を弄ぶトランプが日米貿易交渉を有利にするために過激な物言いをしているに過ぎない程度の受け止めだったが、本当にそうだろうか。

たしかに日米安保を人質にとって貿易交渉を有利に進めようという考えもあるだろうが、大統領選当時からトランプが日米安保について次のように発言していたことを私たちは思い出す必要がある。

「日本は駐留米軍の経費を100%払うべきだ。そうでないなら、米軍は撤退する。その代わり、核武装を許してやろう。」

 

「第二次世界大戦後に国連に加盟させられて、これとセットでサンフランシスコ講和と日米安保にコミット。その結果として太平洋の平和を維持する高コストな役割を背負わされた。」

 

 一般の日本人が政府、マスメディア等に教えられてきた日米安保や米国に対する考えとは全く違う考え方をトランプはしていることをもっと、日本人は知る必要がある。

もちろん、彼の考え方の背景には伝統的な共和党の孤立主義があることも言うまでもない。また、彼が大統領選挙で打ち出した「アメリカファースト」の背景を知り、彼が何をしようとしているのかも考えてみる必要があるだろう。

それでは、トランプ大統領はどうやって、アメリカを再生させよう(MAKE AMERIKA GREAT AGAIN)としているのか、考えてみよう。

彼の真意を理解するためには、第二次世界大戦以降の世界経済の変遷を振り返る必要がある。

大戦後、すべての技術、お金、金(ゴールド)、インフラがアメリカ合衆国に集中していた。そのため、西側諸国の経済は、米国が共産圏であるソ連に対抗するために豊富な資金、技術を、提供をすることによって離陸し、成長してきた。

そして1965年以降、西ドイツ、日本が経済的に頭角をあらわすとともに、米国はベトナム戦争等の巨額の出費もあり、いわゆるドルの垂れ流し状態に陥ったのである。

その結果、起きたのが、1971年のニクソンショックで、彼は金とドルの交換の停止、10%の輸入課徴金の導入等の政策を発表し、第二次世界大戦後の通貨枠組み:ブレトン・ウッズ体制を解体、世界の通貨体制を変動相場制に移行させた。

しかし、その後も米国の赤字基調は変わらず、1985年にはプラザ合意による大幅なドルの切り下げという事態になった。貿易黒字を貯めこむ日本は、内需拡大を迫られ、その後、バブル経済が発生。65年以降、日米貿易摩擦が発生し、製造業間の調整交渉が日米両政府によって重ねられてきたが、80年代後半以降、米国はトヨタの負け(製造業)をソロモン(金融業)で取り返す戦略に転換していった。日本が貯めこんだドルを米国債、株式に投資させることで儲けることにしたわけである。

この方式を新興国に当てはめ、始まったのが、現在のグローバル金融である。そして、そのグローバル金融を支えたのが、IT革命。つまり、賃金の安い新興国に米国企業が工場を作る投資をし、その製品を米国に輸出させた儲けは、米国の金融機関が吸い上げるという仕組みだ。この仕組みを円滑に機能させるためには、米国のルール:新自由主義と新保守主義の思潮から作り出された価値観(ワシントンコンセンサス)をすべての国に受け入れさせる必要があった。

これが現在のグローバリズムである。ここで、軍需産業維持のための戦争と価値観の押し付け外交が密接に結びついていくことになった。ルールを押し付けるためには、米軍が世界展開している必要があるということである。

しかしながら、2008年のリーマンショックでグローバル金融がうまく、機能しないことが露呈し、異常な中央銀行の金融緩和が始まったが、現在、それもすでに限界に達している。そのことを象徴する発言が本年8月23日にあった。英国中央銀行のカーニー総裁が「世界の基軸通貨、準備通貨としてのドルの地位が終わり、リブラなどのグローバルなデジタル通貨がより良い選択肢となる」と発言したのである。

一番のポイントは、湾岸戦争以降、多くのプアホワイトという白人を含むアメリカの若者が戦死しているという事実にある。トランプ氏は米国の設立メンバーの子孫でありながら、貧しい生活に甘んじている、星条旗を愛している、息子たちが戦死した人たちに向けて語っている。要するに彼は、自分を支持する人々に仕事(雇用)を取り戻すためにもう、海外からモノを買わないと宣言し、製造業をアメリカに取り戻そうとしているのである。

簡単に言えば、グローバリズム資本主義のアメリカ労働力からの逃避が、現在のアメリカを雇用が主に低賃金の国内サービス職から成り立つ国、半世紀前のインドに似たものに変えてしまったとトランプは認識しているのである。その代償として、株主、経営者が超過利潤を得たて貧富の差が拡大したわけである。

(*現在の日本もこれと同じ道を邁進している。)

ではどうやって、トランプはこの四半世紀の間に解体されてしまったアメリカの製造業とその製造業を支えたサプライムチェーンを取り戻そうとしているのか。

 トランプがこれからやることは、現在の米中貿易戦争のように中国を激しく締め付けながら、生かさず殺さず、緩やかに米国企業を米国本土に戻すことである。

そのためには米国内にこれら製造業が戻って来ることのできるような法整備、インフラ整備をしていくことになる。たとえば、米国内市場で、米国内労働力で生産する企業には低い税率を、米国市場のために外国人労働者で生産する企業にはより高い税率を課すというようなことが実行されるだろう。

ところで、トランプ大統領に米国企業に戻ってくるように命じる権限はあるのだろうか。

トランプ自身は、1977年に制定された「国際緊急経済権限法」を、米国企業を中国から米国に戻すよう命令する権限を彼に与えているとしている。対テロ戦争で米国大統領は強大な権力を手にしたことも我々は忘れてはならないだろう。

現在でもトランプは、米国の雇用を奪い、第三諸国の経済的地位に米国を引き下げるべく、彼らが中国と共謀していると言う理由で、生産を海外移転した企業のCEOと理事会を逮捕する権限を持っているのである。

ところで、このような形でアメリカの雇用を復活させ、核戦争の脅威を減らそうとしている大統領がなぜ、アメリカの主流メディアや、リベラル派、革新主義者、左翼、民主党や多くのアメリカ人に批判されているのだろうか。

この答えはあまりに簡単で軍産複合体、それと結びついた金融勢力がトランプ批判勢力のバックにいたからである。

しかしながら、長期的な視点に立てば、アメリカが21世紀もずっと、世界の強国なままでいたいなら、非常にこんな道だが、製造業とその生産能力を復活させる必要があるというトランプの考えはきわめて正しいものである。

短期的な利益を優先して長期的な利益を犠牲にしていることに多くの経営者が、気が付くことができれば、この大転換は否応なく進むと見るべきではないか。

そして上記のように米国が動いていくならば、日本が戦後、取ってきた日米安保を基軸に米国覇権に依存して政治・経済を回してきた戦後システムは終焉する方向に進んでいくことは必然だと考えるべきだということになる。

 ところで最近、軍事評論家の田岡俊次氏が実は米軍は日本を守っていないということを改めて記事にされたので読んでいただきたい。以下、「アエラ」より。

米軍は日本を守ってなどいない!

田岡俊次が在日米軍を詳細分析して分かった実態とは

田岡俊次2019.8.23 AERA

米軍は日本を守ってくれている。日本人の多くはそう信じて疑わないだろう。 だが実態は全く違う。在日米軍の分析で驚くべき事実が浮かび上がった。

「もし日本が攻撃されれば米国は私たちの命と財産をかけて日本人を助けるために戦闘に参加する。もし米国が攻撃されても日本は私たちを助ける必要は全くない。米国への攻撃をソニーのテレビで見ることができる」

 トランプ米大統領は6月26日、FOXビジネスネットワークのインタビューで日米安保体制の不公平を強調した。

 この大統領の意向を受け、7月21日に来日したボルトン大統領補佐官(安全保障担当)は、在日米軍駐留経費の日本側の負担を3倍、あるいは5倍に増額することを要求する可能性を示したとの報道もある。

 米国防総省の2004年の報告書では、日本は米軍駐留経費74.5%を負担している。韓国の40%、ドイツの32.6%をはるかに上回っており、それを3倍や5倍にするのはほぼ不可能だ。大幅に増やすには米軍将兵の給与や装備の調達費、維持費を出すしかない。「そうすれば米軍は日本の傭兵になりますな」と防衛省幹部も苦笑する。

 3倍や5倍論は日本を驚かせ、イラン包囲網の「有志連合」に参加させたり、2021年3月に期限切れとなる在日米軍経費負担に関する特別協定の再交渉で増額を迫ったりすることを狙うトランプ流のかけ引きか、とも思われる。だが韓国は昨年の米軍経費負担が9602億ウォンだったのを、今年は1兆389億ウォンと8%余増額させられ、来年さらなる交渉が行われる予定だ。トランプ政権が日本にも大幅な増額を要求する公算は大だ。

「駐留米軍によって日本は守られている」との観念は広く定着している。だが実は、日本防衛に当たっている在日米軍の部隊は無きに等しいのだ。

 

 最も顕著なのは空軍(日本に1万2千人余)だ。1959年に航空自衛隊が防空任務の引き継ぎを受けて以後、米空軍は日本の防空には一切関与せず、約330機の日本の戦闘機や対空ミサイルが防空に当たっている。

米空軍は沖縄県の嘉手納基地にF15戦闘機27機、青森県の三沢基地にF16戦闘攻撃機22機を常駐させ、ステルス戦闘機F22も嘉手納に飛来している。

 72年の沖縄返還後は沖縄の防空も航空自衛隊が担い、嘉手納の米軍戦闘機は交代で約半数が韓国に展開していた。91年の湾岸戦争以後は中東にも出動している。三沢のF16は対空レーダー、対空ミサイル破壊が専門で、これもしばしば中東で活動している。

 ならば、なぜ米空軍は日本にいるのか。日本の米空軍基地は実質上米本土の母基地に似た性格だから、米議会でも「日本にいる空軍機は本土の基地に戻し、そこから中東などに派遣する方が合理的ではないか」との指摘がある。そのたびに米国防当局は「日本が基地の維持費を出しているから、本土に置くより経費の節約になる」と答弁してきた。

空軍だけではない。陸上自衛隊が13万8千人余、戦車670両、ヘリコプター370機であるのに対し、在日米陸軍(2600人余)はほとんどが補給、情報部隊で、地上戦闘部隊は沖縄のトリイ通信所にいる特殊部隊1個大隊(約400人)だけ。これはフィリピンなどに派遣されていることが多い。

 在日の米海兵隊(1万9300人余)の主力は「第3海兵師団」だが「師団」とは名ばかりで補給、病院、司令部の要員が大部分だ。地上戦闘部隊は歩兵1個大隊(約970人)を中心とし、それに短い滑走で離陸可能なF35戦闘機6機や大砲6門、ヘリコプター、オスプレイ計約25機、装甲車約30車両などが付く計2200人余の「第31海兵遠征隊」だけだ。

 この遠征隊は佐世保を母港とする揚陸艦4隻(常時出動可能は3隻)に乗り、米第7艦隊の陸戦隊として、西太平洋、インド洋各地を巡航している。戦車は無く、歩兵970人が主体だから本格的な戦争ができる規模ではない。海外で戦乱や暴動が起きた場合、一時的に飛行場や港を確保し在留米国人を避難させるのが精いっぱいだろう。沖縄の防衛は陸上自衛隊第15旅団(約2600人)の任務だ。

米海軍は横須賀に揚陸戦指揮艦「ブルー・リッジ」(第7艦隊旗艦)、原子力空母「ロナルド・レーガン」、ミサイル巡洋艦3隻、ミサイル駆逐艦7隻を配備している。また、佐世保には空母型の強襲揚陸艦「ワスプ」とドック型揚陸艦3隻、機雷を処理する掃海艦4隻を配備してきた。「ワスプ」はすでに本国に戻り、交代としてより大型の「アメリカ」が来る。ドック型揚陸艦も1隻増強となる。

 米第7艦隊は東経160度以西の太平洋から、インドとパキスタンの国境線までのインド洋にわたる広大な海域を担当している。横須賀、佐世保を母港としている米軍艦がもっぱら日本の防衛をしていないのは当然だ。

 食料の自給率が37%(同じ島国の英国でも70%以上)である日本にとっては海上の通商路「シーレーン」の確保が海上防衛の最大の課題だが、米国は食料も石油も自給自足できるから、商船防護への関心は低い。米海軍の巡洋艦、駆逐艦、フリゲート(小型の駆逐艦)は計101隻。11隻の空母と海兵隊を運ぶ揚陸艦を守るのがやっとの数だ。日本のシーレーンを守るのは海上自衛隊の護衛艦47隻に頼るしかない。(軍事ジャーナリスト・田岡俊次)(引用終わり)

 如何だろうか。

○米軍は実は日本を守っていない。

○トランプは米軍を撤退させたがっている。(=米軍の世界展開を止めようとしている)

○国際金融システムが激変しようとしている。

(=ドルが基軸通貨でなくなろうとしている。)

このなかで1952年につくられたサンフランシスコ講和体制がそのまま続くと考えることは、単なる思考放棄でしかないことは明らかだろう。

その意味で、現安倍政権が行っている<戦後レジームからの脱却>、<枢軸国の名誉回復>も、リベラル派の説く<一国平和主義>も日米安保を前提とした冷戦時代には一見、通用するように見えたファンタジーに過ぎないことを日本人は、冷静に認識すべき時を迎えている。

その意味で、何らかの形で、現在の日米安保条約は早晩、破棄されることになると考えても間違いないのではないだろうか。

まだ、多くの日本人は夢の中にいたいようだが、戦後、四分の三世紀を経過して日本は今、大きな転換点を迎えている。

<参考資料>

 

*ブルバーグよりBrian Swint 2019年8月26日

 

ドル支配終わらせるデジタル基軸通貨体制を提唱-英中銀総裁

 

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は23日、ドルを基軸通貨とする世界的金融システムの抜本的改革を求める極めて大胆な提言を行った。最終的には米フェイスブックが計画している「リブラ」のような仮想通貨が準備通貨としてドルに代わることになるとの考えだ。

 来年1月末の退任を控えた同総裁は米カンザスシティー連銀がワイオミング州ジャクソンホールで主催したシンポジウムで講演し、「経済政策を巡る不確実性の高まりやあからさまな保護主義、政策余地が限定的でさらなる悪影響を打ち消せないかもしれないとの懸念が組み合わさり、世界経済のディスインフレ的な偏りを悪化させている」と述べた。

カーニー総裁は各国・地域の中銀が短期的にはこうした事態に現状通りに対応する必要があるとする一方で、「現状維持を思慮なく受け入れるのは誤り」であり、最終的には劇的な措置が必要になると明言した。

 同総裁は世界の準備通貨としてのドルの地位が終わり、リブラなどのグローバルなデジタル通貨のような形式がより良い選択肢となるという認識を最も強く主張。基軸通貨がドルから中国人民元といった別の国の通貨に取って代わることを容認するよりは好ましいとの見方を示した。

「より長期的に見て、われわれはゲームを変更する必要がある」と指摘し、「変更に至れば、通貨覇権の入れ替えであってはならない」とカーニー総裁は語った。

リブラは各中銀の直接的な管理から外れた世界的なデジタル通貨として構想されているが、フランスのルメール経済・財務相が「問題外」だと述べるなど、大半の政策当局者から厳しい批判を受けている。

カーニー総裁は新たな「合成覇権通貨(SHC)」は中銀のデジタル通貨ネットワークを通じて公的セクターによって最もうまく提供されるだろうと説明。「このアイデアの初期バージョンは欠陥があると立証されたとしても、このコンセプトは魅力的だ。SHCは世界貿易における米ドルの支配的影響力を弱めるかもしれない」と話した。(引用終わり)

 

 

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約

 日本国及びアメリカ合衆国は、

 両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、

 また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、

 国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、

 両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、

 両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、

 相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、

 よつて、次のとおり協定する。

第一条

 締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。

 締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。

第二条

 締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによつて、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。

第三条

 締約国は、個別的に及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

第四条

 締約国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。

第五条

 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。

第六条

 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。

 前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(改正を含む。)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

第七条

 この条約は、国際連合憲章に基づく締約国の権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する国際連合の責任に対しては、どのような影響も及ぼすものではなく、また、及ぼすものと解釈してはならない。

第八条

 この条約は、日本国及びアメリカ合衆国により各自の憲法上の手続に従つて批准されなければならない。この条約は、両国が東京で批准書を交換した日に効力を生ずる。

第九条

 千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約は、この条約の効力発生の時に効力を失う。

第十条

 この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。

 もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。

 以上の証拠として、下名の全権委員は、この条約に署名した。

 千九百六十年一月十九日にワシントンで、ひとしく正文である日本語及び英語により本書二通を作成した。

日本国のために

 岸信介

 藤山愛一郎

 石井光次郎

 足立正

 朝海浩一郎

アメリカ合衆国のために

 クリスチャン・A・ハーター

 ダグラス・マックアーサー二世

 J・グレイアム・パースンズ

911が世界にもたらしたものを改めて考える

Opinion コメントは受け付けていません。
9月 102019

 

今から18年前に起きた911は、1985年のプラザ合意、1989年のベルリンの壁崩壊とともに現代史を大きく動かした不思議な事件であった。

 プラザ合意、ベルリンの壁崩壊は、日本のバブル経済の始まりと終わりに照合している日本経済に大きな影響を与えた事件である。

911テロ事件

そして911は、日米安保による日本の安全保障政策に変質を迫るものであった。

ほとんどの日本人は、目をそむけているが、現在、米国が世界の覇権国でなくなる、日本が国家としての自立をしなければならない時が<アメリカファースト>のトランプ登場によって加速度がついてきている。

また、テロとの戦争の裏では、デリバティブという金融商品の巨大なババ抜きゲームが仕掛けられていたことも忘れてはならないだろう。

覇権国家としての米国経済の延命装置が、テロとの戦争による戦争経済、そして金融工学による過大な信用創造にあったと考えるべきである。

そう考えるとこの二つの戦略がどういう結末を迎えるかという最終局面に現在はある。

トランプはそのために登場した大統領である。

その意味で、私たちはは、何が変わったのか改めて確認しておく必要があるだろう。

日本のマスコミでは、いまだにタブーだが、911が自作自演だというのは、外国の情報機関ではすでに常識のようである。

 

そして、米国は、現在の最終局面で、世界最大の債権国であり、米国の属国である日本に集団自衛権の行使、TPP参加(現在はさらにハードルの高いFTA)、異次元金融緩和によるさらなる米国財政へのフィアンナンスを要求してきた。

現在、安倍政権は懸命に日米通商交渉を見てもわかるようにアメリカに120%協力しているが、やがて、米国覇権は終焉し、結局今のままでは、日本政府の努力は報われることはないだろう。

戦後半世紀以上、国家主権を事実上、米国に預けてきた怠慢のツケをまだ、日本は支払い続ける運命(さだめ)なのかもしれない。

これからの日本を担う経営者、教育者、若者はこのことをしっかり頭の中に叩き込んでおく必要がある。

考えて見れば、私たち日本人は、昭和天皇がつくった冷戦時代のみに有効に機能した「安保国体」から、脱却しなければいけない時代を迎えているのである

その意味では、戦後日本の論壇で分類されていたような右派、左派の色分けは全く意味がない時代が来てしまったということでもある。

そう言った観点で日本の政治を眺めてみると、新しい時代を見据えている政党が皆無だということに気が付いて愕然とすることになるだろう。

もっとも、日本の政治を実際にリードしている官僚がほとんど<従米の考え>しか持てないようになっているのだから、日本の現状では、「ないものねだり」ということになるのかもしれない。

日本人、一人一人がそれぞれ巻き返しの秘策を懸命に考え続ける努力が求められている時代に入ったということだろう。

それでは、田中 宇氏が911テロ事件について、わかりやすい記事を書いているので紹介させていただく。以下。

田中 宇氏

田中 宇氏


「崩れない911公式論」

2019年8月23日   田中 宇

 

2018年(昨年)4月、911事件に関する米政府の判断に疑問を持つ米国の弁護士たちで作る「911調査弁護士会(Lawyers’ Committee for 9/11 Inquiry)」が、911事件現場であるニューヨーク市の検察に対し、「911事件で倒壊した世界貿易センタービル(WTC)は、米政府の公式論のような、ハイジャックされた飛行機の衝突で倒壊したのでなく(ジェット燃料の燃焼温度ではビルの鉄骨が溶けない)、あらかじめビル内に仕掛けられた、ビル制御崩壊(高層ビル解体工事)用の高性能爆弾の爆発によって倒壊したと考えられるいくつもの証拠がある。

 

倒壊現場から高性能爆弾に特有の物質が見つかっているし、当日の消防士らの証言や、WTCの倒壊を撮影した動画の分析などが証拠だ。誰が何のために高性能爆弾をWTC内部に仕掛けて爆発させて多くの人々を殺したのか、米政府がなぜ間違った結論に固執しているのか、米検察は再捜査すべきだ」という趣旨の請求書を出した。 (Lawyers’ Committee for 9/11 Inquiry) (9/11: Finally the Truth Comes Out? Jan 4, 2019

 

 

これまで何度か書いてきたように、2001年9月11日に起きた911「テロ」事件に対する米政府の公式な結論は、いくつもの点で不合理で、その不合理さの一つが、911調査弁護士会が指摘した「WTCの倒壊はどう見ても爆弾による制御崩壊」ということだ。

 

この指摘はすでに911事件の当日、米軍系の研究所の制御崩壊の専門家であるバン・ロメロ(Van Romero。当時ニューメキシコ鉱業技術研究所副所長)がメディアに対して語っている。ロメロ氏はその後、公式論の方向に発言の訂正を余儀なくされた。

 

911事件の多くの不合理さは、マスコミや権威ある人々(軍産傀儡)にとってタブーであり、うっかり不合理さを正直に指摘した人はロメロ氏のように上の方から強い圧力を受けて態度を変えさせられる。指摘した人が一般人の場合は「頭のおかしい陰謀論者」のレッテルを貼られる。

 

米国の上層部(軍産エスタブ)は、911に関する不合理な公式論を、不合理だと人々に指摘させない「タブー化」によって維持してきた。

米上層部は、公式論が不合理であると知りながら、力づくで公式論を維持してきた。

 

911調査弁護士会の請求も「陰謀論に毒された頭のおかしな異端の弁護士たちの奇行」とみなされて米当局から無視されて当然だった。

だが意外なことに、請求書を受け取ったNY市南部地区の検察は約半年後の18年11月、「911に関する再捜査が必要かどうか、大陪審を招集して審議してもらうことにした」という趣旨の返答を、911調査弁護士会に対して出してきた。

 

これは、米当局(の一部)が初めて911公式論に対する不合理さの指摘に対して無視の一点張りによるタブー化の維持から脱却し、公式論の不合理さについて審議することを手続き上認めたものとして画期的だった。 (7 NOV 2018 — U.S. Attorney Geoffrey Berman Will Comply with 18 USC Section 3332) (“Breakthrough”: U.S. Attorney Agrees to Present Evidence of WTC Demolition to Federal Grand Jury

 

 

だが結局、その後さらに9カ月が過ぎたが、911再捜査の是非を審議する大陪審は召集されていない。

昨年11月の検察側からの返答は、形式を取り繕うための「だまし」だった可能性が増している。

WTCのビル崩壊原因をめぐる公式論の不合理さを感じている人々の中には、911当日、現場に駆けつけてWTC内部に取り残された人々の救出作業中にWTCが崩壊して死亡したNY市の消防士たちの関係者がいる。

彼らの一部であるNY市の自治的な消防団の一つである「フランクリン広場・ムンソン地区消防団(FSMFD)」の運営委員会は7月24日に委員会を開き、委員5人が全会一致で、911事件の再捜査を求める決議を可決した。 (New York Area Fire Commissioners Make History, Call for New 9/11 Investigation) (NY Fire Commissioners Demand New 9/11 Probe, Citing “Overwhelming Evidence of Pre-Planted Explosives”

 

この決議は、NY市南部地区の検察に対し「911調査弁護士会に対して昨年約束した大陪審の招集を早く進めてくれ」と促す意味がある。

米国の公的な機関が911再捜査を求めたのはこれが初めてだ

。FSMFDは、WTCから約20キロ離れたNY市内のクイーンズの方にある消防団で、911当日に消防車で駆けつけて救出活動をしている間にWTCが崩壊し、24人の消防士が死亡している。 (Do firefighters believe 9/11 conspiracy theories?

 

911事件は間もなく事件から18年が過ぎる(この記事は気の早い「18周年記事」だ)。

記憶は風化し、多くの人にとって真相などどうでも良い「昔の話」になっている。

公式論の不合理さを指摘する人を陰謀論者扱いする体制は固定され、ほとんど揺らがない。

 

だが同時に、近年トランプが米大統領になって、911後に米国が展開してきたテロ戦争や単独覇権主義のインチキさが露呈するような戦略を展開し、米国と世界の人々が911とその後の米国の戦略の不合理さをより強く感じる流れになっているのも事実だ。

 

911公式論は、表層的(報道されている仮想現実的)には、まだ鉄壁の強さだが、実質的には、以前より多くの人がおかしい、怪しいと思うようになっている。 (Majority Of Americans Do Not Believe The Official 9/11 Story) (How is London’s Grenfell Tower Still Standing?

(引用終わり)

 

*全文は以下のアドレス

http://www.tanakanews.com/190823wtc.htm

 平成時代とは一言で言うなら、世界経済の大きな流れに取り残された日本が1980年代に上り詰めた国際経済的地位から引きずりおろされた時代であるということができます。下記のグラフをみれば一目瞭然です。

日本だけ実質賃金下げ

このことを評論家の野口悠紀夫氏(1940年生まれ)は「平成はなぜ失敗したのか~失われた30年の分析」(幻冬舎)という本の中で、次のように書いています。

平成はなぜ、失敗したのか

「私たちの世代は、上の世代が築き上げた日本社会を、世界の動きに合わせて変えていく責任を負っていました。程度の差こそあれ、私たちは、社会の動向に影響を及ぼしうる立場にいたのです。少なくとも有権者であったわけですから、政治上の選択に無関係ではありません。したがって、私たちの世代は、「責任を果たしたか?」と自問する必要があります。われわれは、前の世代の遺した遺産を引き継いでそれを発展させることができただろうか?残念ながらそれに失敗したと言わざるを得ません。」

このように1940年代生まれの野口氏は素直に失敗を認めています。最もこの本は経済的視点でしかそのことを分析していません。私は、政治経済は表裏一体のものだと考えていますので、そのような視点からも失われた30年について考えてみたいと思います。

平成30年間の世界企業時価総額ランキング

*日本企業の凋落ぶりがわかります

すべては昭和後期、1980年代まで遡ります。米ソ冷戦が終わろうとしていた80年代、台頭する日本経済をどう封じ込めるかが、米国の次の大きな戦略目標になっていました。

ご存じのように日本は、戦争に負けた国アメリカの意向に従う、つまり、対米従属を通じて国土を回復し、国家主権を回復する道を選び、経済発展してきました。この戦略は冷戦下においてはきわめて有効に機能しましたが、時代はすでに<日本封じ込め>に変わっていたのです。この後に起きるプラザ合意、バブル経済とその崩壊、日本パッシング、中国経済の台頭はすべて、米国の日本封じ込め、再占領強化の戦略によって起きたものです。当時の日本の政治家、官僚、経営者、学者はベルリンの壁の崩壊=冷戦終戦の意味が全くわかっていなかったのです。そして現在もトランプ登場の意味が全くわかっていません。

それでは、下記の平成年表ご覧下さい。

平 成 年 表


西暦・平成

主な出来事

1989年
平成元年

1月 平成に改元
4月 消費税開始(3%)
11月 ベルリンの壁が壊される
12月 マルタ会談→東西冷戦終結

1990年
平成2年

2月 株価の暴落始まる
6月 日米構造協議決着
10月 東西ドイツ統一

1991年
平成3年

1月湾岸戦争勃発(~2月) 90億ドル支援
9月 韓国と北朝鮮が国際連合に加盟
11月 宮沢内閣成立
12月ソ連崩壊
バブル経済崩壊

1992年
平成4年

6月PKO協力法案成立

1993年
平成5年

3月 佐川急便事件
5月 Jリーグ開幕
6月 自民党分裂
8月 細川連立内閣成立

1994年
平成6年

4月 羽田孜内閣成立
6月 村山富市内閣成立

1995年
平成7年

1月 阪神淡路大震災(M7.3)発生
3月 地下鉄サリン事件

1996年
平成8年

1月 橋本龍太郎内閣成立

1997年
平成9年

4月 消費税が5%となる

1998年
平成10年

2月 長野オリンピック開催
7月 小渕恵三内閣成立

1999年
平成11年

9月30日 東海村JOC臨界事故

2000年
平成12年

4月 森喜朗内閣成立
6月 三宅島噴火

2001年
平成13年

3月 USJ開業
4月 小泉純一郎内閣成立
9月アメリカ同時多発テロ

2002年
平成14年

日朝平壌宣言

2003年
平成15年

2004年
平成16年

2005年
平成17年

4月 JR福知山線脱線事故
愛知万博開催(3/25~9/25の185日間)

2006年
平成18年

9月 安倍晋三内閣成立

2007年
平成19年

9月 福田康夫内閣成立

2008年
平成20年

9月 リーマンショック
9月 麻生太郎内閣成立

2009年
平成21年

9月 鳩山由紀夫内閣成立 民主党政権成立

2010年
平成22年

6月 菅直人内閣成立

2011年
平成23年

3月 東日本大震災(M9.0)発生
9月 野田佳彦内閣成立

2012年
平成24年

5月 東京スカイツリー開業
12月 第二次安倍内閣成立 自民党政権へ

2013年
平成25年

2014年
平成26年

4月 消費税が8%となる

2015年
平成27年

12月 慰安婦問題日韓合意

2016年
平成28年

4月 熊本地震(M7.3)発生

2017年
平成29年

2018年
平成30年

米朝首脳会談で拉致事件解決への道が開ける

2019年
平成31年

改元、令和へ

年表を見るとわかりますが、実際にはトヨタのような輸出大企業に対する補助金である消費税がプラザ合意による円高に対する措置としてバブルが弾ける前の1989年に始まっています。このことはプラザ合意によって、すでに日本の輸出製造業に陰りが見えてきたことも意味しています。その後、日本の製造業は家電を含めすべて、政府の補助金に頼るビジネスモデルに変わっていきました。また、この年にベルリンの壁が崩壊し、米ソ冷戦の終わりを告げているところも興味深い処です。年表をこのように振り返るとよくわかるのですが、文字通り冷戦構造の終わりが、戦後日本経済発展の大きな節目であったことがわかります。株価の暴落もソビエト連邦崩壊とほぼ同時期に起きています。しかしながら、当時のほとんどの日本人がこの歴史的意味をバブルの二日酔いから醒めず理解することができませんでした。

そもそも1945年以降の日本の戦後体制は「天皇実録」を読み込んだ豊下楢彦氏が「昭和天皇の戦後日本:〈憲法・安保体制〉にいたる道」で明らかにしたように昭和天皇とマッカーサーの11回の会談で実際にはすべて決まってしまいました。

昭和天皇の戦後日本

この昭和天皇によって創られたと言ってもいい、冷戦下のなかで半ば独立を放棄し、経済的利益を追求する戦略はベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終わるまでは、きわめて有効に機能しました。本来ならば、この時点で世界情勢の大きな変化に合わせて外交戦略も変えるべきものだったはずですが、長年にわたる日米安保を中心とした利権構造があまりにも強固なものになり、変えることができなかったのです。

その意味では、日米双方の安保利権者にとっては、極東における分断された朝鮮半島の存在はあまりに好都合だったと考えることもできます。現在の安倍政権も北朝鮮の脅威を政権浮揚にいいように利用してきました。しかしながら、いわゆる戦争屋、軍産複合体と戦うトランプはその構造を大きく変えようとしています。

 それでは、ここで平成時代後半に行われたアベノミクスという不思議な経済政策について考えてみましょう。

第二次安倍内閣によって打ち出されたアベノミクスという経済政策は、大規模な金融緩和、拡張的な財政政策、民間投資を呼び起こす成長戦略という三本の矢から成り立っています。

しかしながら、バブル崩壊後、財政赤字を積み重ねてきた日本には財政余力が乏しく、既得権益が強い日本では、有効な成長戦略が打ち出せないなかで今まで有効に機能してきたと言えるのは、金融緩和だけです。大規模な金融政策導入の政策根拠となったのが、第二次安倍内閣が発足する総選挙前に出版された浜田宏一氏の「アメリカは日本経済の復活を知っている」という本です。

アメリカは日本の経済復活を知っている

そもそも中央銀行による異次元金融緩和とうものは、2008年9月のリーマンショックによって始まったものです。ITバブル崩壊の後、2000年代に2倍の価格に上がった米国の住宅価格が下落。そのため、2008年9月には、住宅証券(AAA格)が40%下落。この下落のため、住宅証券をもつ金融機関の連鎖的な破産が起こることになりました。ところで米国の住宅ローンは、日本(200兆円)の約5倍(1000兆円)の巨大な証券市場を形成しています。ところで、住宅ローンの回収率で決まる価値(MBS等の市場価格)が40%下がると、金融機関が受ける損害は、400兆円になります。ちなみに、米国の金融機関の総自己資本は200兆円レベルです。

そのため、2008年9月には、米国大手のほぼ全部の金融機関が実質で、債務超過になってしまいました。金融機関の債務超過は、経済の取引に必要な流通するマネー量を急減させます。当然、株価も下がり、ドルも下落しました。2008年8月は、1929年に始まり1933年まで続いた米国経済の大収縮、つまり信用恐慌になるほどのスケールのものでした。放置しておけば、信用恐慌を招くことが必至、そこで米政府は金融機関の連鎖的な倒産を避けるため、銀行に出資し、FRBは銀行が保有する不良化した債券を買い取ってドルを供給することにしたのです。

その総額は、リーマン・ブラザースの倒産直後に1兆ドル、その後も1兆ドルを追加し、12年9月からのQE3の量的緩和(MBSの買い)も加わって、FRBのバランスシートは、3.3兆ドルと2008年9月以前の4倍以上に膨らんでいきました。金額で言えば、FRBは2.5兆ドル(250兆円)の米ドルを、金融機関に対し、増加供給しました。買ったのは、米国債(1.8兆ドル:180兆円)と、値下がりして不良化した住宅証券(MBS1.1ドル兆:110兆円)です。FRBによる米国債の巨額購入は、米国の金利を下げ、国債価格を高騰させました。この目的は、国債をもつ金融機関に利益を与え、住宅証券の下落で失った自己資本を回復させることにありました。同じ目的で、もっと直接に米国FRBは、40%下落していたMBS(住宅ローンの回収を担保にした証券)を1.1兆ドルも、額面で買っています。米ドルを増発し続けてきた米国FRBは、「出口政策」を模索しています。出口政策はFRBが買ってきた米国債やMBSを逆に売って、市場のドルを吸収して減らすことです。これを行うには、米国債を買い増ししてくれる強力なパートナーがいないと、米国はドル安になって金利が上がり、経済は不況に陥ることになります。世界最大の債権国である日本が採用したアベノミクスによる円安政策は、実は、米ドルとドル債買いであり、円と円債の売りです。このような仕組みで日本は、同盟国であるアメリカの経済をアベノミクスによって支え続けてきました。これが、浜田教授が安倍氏にアベノミクスを勧めた本当の理由です。

 それではアベノミクスの6年間で日本経済はどのように変化したのでしょうか。

アベノミクスの6年間で経済成長は実現せず、賃金は上昇せず、消費も増えず、株価だけが年金資金と日銀のETF(上場投資信託)による株買いで上昇しましたが、その結果、日銀の資産は膨張し、年金資金は溶け始めています。

結局マスコミによって鳴り物入りで宣伝されたアベノミクスとは、何だったのでしょうか。

それは、第二次安倍政権の間の日銀のバランスシート変化を見れば一目瞭然です。

直近の2018年6月22日と6年前の2012年1月5日のバランスシートを比較してみましょう。この6年の間に日銀の総資産は約143兆円から約533兆円、約3.7倍に急膨張しています。その主立った内訳は、社債・株式は約5兆円から約27兆円に約5.4倍に、国債は約90兆円から約451兆円、約5倍にそして、当座預金は約36.5兆円から約393兆円、約10.7倍になっています。これだけ見ても興味深い事実がいろいろ浮かび上がってきます。

現在の株高は、日銀が日経平均採用銘柄の大株主になっていることからも明らかですが日銀と年金資金の株買いによって演出されているに過ぎません。これを裏付けるように2018年6月27日の日経の報道によれば、日銀のETF(上場投資信託)購入は2010年に始まり、13年就任の黒田東彦総裁による異次元緩和で急増。16年夏からは年6兆円も買い続け、過去に購入した保有株の額は推計25兆円と東証1部の時価総額約652兆円の4%弱に達しています。日経が実質的な日銀保有比率を試算したところ、3735社中さらに1年前の833社から1.7倍に増加し、1446社で10位以内の大株主になっています。東京ドーム、サッポロホールディングス、ユニチカ、日本板硝子、イオンの5社では実質的な筆頭株主になっているとも分析しています。例えばユニクロを展開するファーストリテイリング株は、ETFに多く組み込まれており、日銀が1兆円ETFを買うごとにファストリ株を200億円買うことになります。今のペースで計算すると1年後に市場に流通するファストリ株がほぼ枯渇してしまうというから驚きです。要するに中央銀行として通貨発行権を持つ日銀が株式市場で好景気を印象づけるために手張りをして株価を吊り上げているということなのです。一言で言えば、将来のことは考えず、安倍政権はアベノミクスと称して財政規律の緩和を推進し、株価を上げて、支持率維持の道具として使ったということです。

やはりここで、一番注目すべきは国債保有額でしょう。この数字の意味は、膨れあがる財政赤字に苦しむ日本政府が実質的に財政支出を中央銀行が紙幣の増刷で引き受ける財政ファイナンスによって手当てしていることを意味しています。その資金があるから、安倍総理は海外で数十兆円以上のお金を散在することができ、政権のお友達企業に優先的に予算を付けることができるのです。さらに興味深い数字は当座預金393兆円です。これは日銀の総資産の約74%にあたります。つまり、とんでもない金融緩和をしているのですが、都銀をはじめとする銀行に融資機能がなく、政府も有効な成長戦略を打ち出す能力がないので、お金が日銀の当座預金に戻ってきているということを意味しています。現在の日銀の総資産から当座預金の金額を引くと約140兆円、6年前の総資産とほぼ同額になります。つまり、実際にはこれほどの金融緩和をしているにもかかわらず、お金は回っていないのです。

おそらく、政権へのマスコミの配慮もあるのでしょうが、不祥事続きの安倍内閣支持率が30%をなかなか切らないのは、企業経営者を中心に株高、低金利の恩恵を受けていることと、この状況の不自然さを無意識に感じていてボートを揺らしたら何が起こるかわからないという心理が働いているためではないでしょうか。

そもそも米国に唆されて始めた異次元金融緩和ですが、そのご本尊である元FRB(連邦準備制度理事会)議長で著名な経済学者のベン・バーナンキが昨年5月に日銀で行われた講演で「私は理解が足りなかった」、「初期の論文での指摘は楽観的で、中央銀行が量的緩和を実行すれば、デフレを克服できるはずと確信しすぎた」、「ほかの選択肢を無視しすぎた」などと言い始めたのだから日銀も大変です。

いずれにしても、オーソドックスな方法では、もはや日銀は異次元の量的緩和から脱出できないことを企業経営者は頭に入れておくべき時期に入っています。

その結果、

○日銀に資金が集まり景気が悪化する

○日銀のバランスシートが膨らみすぎて出口戦略が実現不能になる

○金融システム不安が表面化する

○日銀の信用度が低下し日銀券が売られる(超円安を招く)

以上の可能性が時間の経過と共に高まっていくことになります。現在の日銀には出口戦略を考えていないことも頭に入れておく必要があります。

マネタリーベースとマネーストック

このように資金需要がない状況下では、マネーストック(現金通貨+預金通貨)は全く増えていません。統計粉飾や株価買い支えで誤魔化していますが、アベノミクスは完全に失敗したのです。

以上、平成の失われた30年について考えてきましたが、まとめますと下記のようになります。


◎ベルリンの壁崩壊後の米ソ冷戦が終わった後の世界を考えることができなかった。すなわち、日本国憲法(平和憲法)、安保条約によるサンフランシスコ体制が終了したことに気が付かなかった。その結果、必要のなくなった日米安保体制を歪な形で維持し続けることが在日米軍と日本のエスタブリシュメントの利権として存続することとなった。また、冷戦終了後の世界経済に、当初は<日本封じ込め戦略>によって始まったものだが、<中国が世界の工場>として登場することになったことの本質を日本の経営者はほとんど理解していなかった。その結果、製造業は<垂直分業から水平分業>に移り変わっていったのだが、日本の多くの企業はその流れに乗ることができなかった。その間に情報技術革命も進行していたのだが、新しい情報技術をもとにアマゾンやグーグルのような新しいビジネスモデルを創り出すこともできなかった。


次に新しい令和の時代がどのような時代になるのかを考えていきたいと思います。

そもそもこの<令和>という元号は、今から「天皇親政」が始まると言われてもおかしくないぐらいの元号です。なぜなら、<令>の字はひざまずいて神の声を聞くと言う意味ですから、君主、あるいは神の意をひざまずいて民が聞く、すなわち新しい天皇陛下の元に民が集まりその声を聞き、和となすとの意味になります。こう考えるとこの元号を安倍氏が独断で決めたとの報道が一部でありましたが、有り得ない事だと思われます。この元号をおそらく、選んだ新天皇は相当、腹が据わっていると推測できます。意味するところは「天の意に基づいて新しい世の中をつくっていく」ということになります。

ノートルダム寺院

*ノートルダム寺院火災で思わず<令>の字の形を取る人々

令とは

ですので、日本においては、令和の時代は、戦後の冷戦構造の残存したものを一掃することから新しい時代をつくる動きが始まることになりそうです。そのために戦後の隠しておいた日米密約のような不都合な真実、吃驚するような事実が次々と表に出て来る時代が始まっていくのでしょう。そうやって、戦後のすべてのシステムが令、ゼロから見直されることになっていきます。

自民党から共産党までの戦後GHQがつくった政党システム、戦後も温存された官僚システム、その官僚制度を支えた東大を頂点とする学歴システム、経団連を頂点とする企業経営システム、すべてが大きく変わることは間違いなく、変わろうとしない組織は時代に流されて消えていくことになる運命でしょう。分権化、分散化が進んで行くことも間違いないところです。現時点では、ほとんどの日本人はそうは考えてはいませんが、明治以降の近代150年の歴史が見直されることになると言っても過言ではない位の大きな変化が待っています。わかりやすく言えば、もうすぐ、誰も司馬遼太郎の小説を読まなくなります。

 それではどんな変化が予想されるのか考えてみましょう。具体的に考えてみましょう。

○イスラエルが存亡の危機に追い込まれます。

たしか3,4年前にあのキッシンジャーが10年以内にイスラエルが消滅しても不思議ではないと明言しています。キッシンジャーはトランプが大統領に決まった年の冬に高齢にもかかわらずモスクワに飛び、プーチンと会談しているのも意味深です。

おそらく、これから911の主犯がイスラエルであったことも明らかになっていくでしょう。90年代後半に打ち出された<大イスラエル構想>に密かに賛成していたサウジアラビア、アラブ首長国連邦が裏で911テロの支援をしていたことも表に出てくることになります。現実にこの事を暴露しようとしていたとも言われるジャマル・アフマド・カショギ記者は皇太子の指示で、トルコのサウジアラビア総領事館内で殺されています。ちなみに現在、米国はシェルガス開発が進み、原油の純輸出国になるのも時間の問題で中東の石油を必要としていなくなっていることも頭に入れておく必要があります。

○残存する日本の冷戦体制が一掃されます。

 

○パックスアメリカーナの時代が終わります。

基軸通貨ドルをトランプは終わらせ、米軍を世界から撤退させようとしています。

 

○北米に日本製品を輸出してお金儲けをするビジネスモデルが完全に終焉します。

 トヨタの豊田章男社長が「もう、トヨタは終身雇用を守れない」と言ったことは上記のトヨタ型のビジネスモデルが終わることを意味します。

 

EUが崩壊していきます。

イギリスのEU離脱の動き、スペインのカタルーニヤ独立問題に見られる動きはEUの崩壊を意味しています。

 

○現在の中央銀行制度が終わろうとしています。

ドルが基軸通貨でなくなり、新たな決済制度がブロックチェーン技術によって作られていくことになります。それに伴い、現在の銀行の仕事は大幅に減ります。現在、メガバンクの大幅リストラはその前兆です。

○国際政治の舞台において<膨張主義政策>はコストがかかり過ぎるので、できなくなります。

中国の<一帯一路政策>も同様です。

○米中経済戦争は、両国の共倒れ(引き分け)で落ち着きます。

○日米貿易交渉は失敗し、第2のプラザ合意に行き着くことになります。

その結果、円高株安になります。その結果、安倍首相は第一次安倍内閣と同じように政権を放り出すことになる可能性が大きいでしょう。もし、そうなれば、時代を動かすための大きな不祥事が表に出てくることになるのではないでしょうか。

◎令和のリーダーシップは縦型からヨコ型に変わります。

ピラミッド型の一人に権力、権限、情報が集中するシステム、中央集権型システムでは激変する状況には対応できません。これが、平成が失われた30年になった理由でもありますが、これからはビジョンを共有する分散化したグループ、それぞれにリーダーシップが求められることになります。「思い、文化、歴史」を共有するもの同士が横につながっていく形になるわけです。

その意味でマネジャーではなく、リーダーシップの育成が急務になります。そのための教育改革が最重要課題になるでしょう。

何れにしろ、アメリカ、霞ヶ関、永田町、大企業等の日本社会を一つのタガにはめていた天井、枠が消えていきますので、有意な人が本当に活躍できる時代がやっと来ると考えることもできます。明治維新以上の大きな変化の時代になりますが、令和の時代は、有意の人にとっては、大チャンスの時代だとも言えます。新しい産業をつくる元気のいい日本人が出てくる環境を整えることが最重要課題になっていきます。既得権者の総退場の時が迫っています。

「アメリカニズムの終焉」を認めたくない日本

Opinion コメントは受け付けていません。
11月 112018

大きな話題になることはなかったが、平成バブルがはじけた1993年に佐伯啓思氏の「アメリカニズムの終焉」という名著が出版されている。氏はこの本の中で戦後一貫してアメリカ的なるもの、アメリカ文明的なるものを参照枠として思考の基軸に据えてきた日本という国の危うさを適確に指摘。すでにこの時点で現在のグローバリズムをもたらしたアメリカニズムの行き詰まりを予見していた。また、高坂正堯氏も著書「文明が衰亡するとき」のなかで、アンドレ・マルローの<一つの文明の結末を、それと意識しながら生きるのは妙なことだ。ローマの末期以来、こんなことはなかった。>という言葉を紹介している。パックスアメリカーナの終焉をはっきりと戦後の保守言論人を代表する高坂氏も意識していたのである。ところが現在、そのような冷静な思考フレームを日本のマスメディアでは、全く見ることができない状況になっている。

そこで今回は、興味深いエピソードを紹介しながら、現在の日本を呪縛しているアメリカ共同幻想について考えてみたい。

アメリカニズムの終焉

現在でも公式資料では、20188月末時点でもアメリカの金保有高は、8133トンで第2位のドイツが3369トンだからダントツの第1位である。ちなみに日本は765トンで第9位である。ところが、今から8年前(2010年1月)にパキスタン・ディリーが対外決済のために中国が米国から受け取った5600本、400トロイオンスの金塊が偽物であったという報道したことがある。

 

「中国の役人たちは驚愕した。中はタングステンであり、周りに金メッキが施されていたのである。しかももっと凄いことがある。これらの金塊は打刻されたアメリカ製であり、数年間は米国財務省金管理庫において管理されていたものだったのである。」

 

このことを調査した中国によれば、こういった金塊がすでに6、000億ドル以上、不法に売買されていることが判明したとのことである。2008年にはエチオピア中央銀行から南アフリカに送金した金塊が同じく偽物であることが判明した事件もあった。この事実関係を英国のBBCが報道している。巷間、ロスチャイルドがロンドンにおいて金の値段を実質上、決めていると言われていた歴史を踏まえると、20044月の時点で世界有数の投資銀行であるロスチャイルド・アンド・サンズ社が金を含む商品取引から撤退しているのも意味があるがはずだ。何らかの背景があって撤退したとしか考えられないのである。もちろん、閉ざされた言語空間にある日本のマスコミでこう言ったニュースが報道されることは決してない。最近では2013年に米国第七艦隊を舞台にした大規模な収賄事件(「太っちょレオナルド(Fat Loenard)」汚職事件)が日本を含む東アジアで起きている。内容はアメリカ海軍史上最大規模の汚職事件でマレーシアの建設業者が米軍からの契約を取ろうとして、米海軍の将官たちを接待し、賄賂を渡し、3500万ドル(約38億円)の契約を成立させていたというもの。日本の大手メディアは全く取り上げなかったので、多くの日本人は全く知らないはずである。 

 それでは英国BBCや海外メディアで報道されることが、どうして日本マスコミでは報道されないのだろうか。

それは戦後、日本という国が米国情報機関(CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局))によるいわゆる「心理戦」によって強力なマインドコントロール下に置かれているためである。ところが2017年、反グローバリズムの政治家トランプが登場し、臨界点に達したパックスアメリカーナに急速に幕を引く動きが米国内で始まっている。そしてトランプは着々とリトリート(撤退)政策を進めるための布石を打っている。もちろん、本年6月にシンガポールで行われた米朝会談、同7月にヘルシンキで行われた米ロ会談はその流れを強力に推し進めるためのものである。政府広報であるNHKをはじめとする大手メディアは必死にこのことを隠蔽しようとしているが、「従米路線」しか外交戦略をもたない日本政府は、朝鮮半島を巡る六ヵ国協議からロシアが日本を外すように提案していることに象徴されるように徐々に蚊帳の外に置かれるような状況になってきている。現在、日本に残っている役割は世界経済を回すために世界最大の債権国として世界中にお金をばらまくキャシュディスペンサーとしての役割だけだと言っても過言ではない状況に陥っているのが現実だ。 

考えてみれば冷戦下の日本においては、GHQの民主化政策で導入された6・3・3制の戦後教育制度の中で、巧みコントロールされたマスコミ報道、ハリウッド映画、アメリカのテレビドラマによって私たち日本人は、パックスアメリカーナの共同幻想の中で温々と安眠を貪ることができた。現在、現役の日本の政治家はほとんどがその環境下で育った世代である。たしかにそれは自由主義陣営のショウインドウとしての日本に高度経済成長という果実=実利をもたらした。私たち日本人は「平和憲法」に守られながら、アメリカが行う戦争(朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争等)によって世界に冠たる経済大国になることができたのである。つまり、冷戦時代の日本という国はアメリカが行う戦争経済の最大の受益者であったということである。

振り返ってみれば、私自身も日本人なのに能や歌舞伎よりハリウッド映画の方をよっぽどよく知っている。ビビアン・リー主演の「風と共に去りぬ」は20回以上見たし、オードーリー・ヘップバーン主演の「ローマの休日」も10回以上見ている。現在まで見たハリウッド映画は、おそらく、邦画の何百倍の本数である。このように戦後のアメリカ文化の日本への浸透にはすさまじいものがある。私たちの世代は、訳もわからず、「トムとジェリー」というアニメを見させられ、「ベン・ケイシー」や「コンバット」、「パパは何でも知っている」、「奥様は魔女」というアメリカのテレビドラマの再放送をずっと見させられ、米国の中流家庭の文化的な生活に憧れを抱くように誘導されてきたのである。小学校でも授業時間内にディズニィーのアニメ映画を何回も見せられた記憶がある。「巨人の星」という人気漫画に出てくるスプリングの塊の「大リーグ養成ギブス」、まさにアメリカメジャーリーグに対する憧れそのものである。その流れがあったからこそ、私たちは、野茂、イチロー、松井秀喜のメジャーリーグでの活躍に心を躍らせたのではないか。その流れのなかで現在も、NHKは莫大な放映権料をMLBに払って衛星テレビで放送しているのである。

 ところで、上智大学の渡部昇一氏のような人々が1960年安保、1970年安保は日本にとって正しい選択だったと力説していたことがあるが、本当だろうか。

今から考えてみれば甚だ疑問である。そのために日本が独立国に近づく機会をみすみす放棄し、1980年代以降、特に85年のプラザ合意以降、莫大な国富を米国に貢ぐ道に誘導されただけではないのか。今こそ、ジョヴァンニ・アリギの「長い20世紀」のような客観的な分析が必要だろう。

長い20世紀

よくよく考えておかしなことだと思うのだが、戦後学校教育の中には、今では英語学習を小学生から積極的に取り入れているにもかかわらず、本当の意味で日本の本質(哲学、思想、宗教、文化)を教えられる機会がほとんどない。その意味では、日本の教育は独立国家としての体をなしてないと考えてもいいのではないか。

かつて岡倉天心は「アジアは一つ」と言った。日本人として、欧米に対する対抗意識をはっきり表明したわけである。もちろん、宗教、哲学の底流に流れるものが同じであるという意味で言った言葉であって、アジアを一つにまとめる哲学・思想が彼によって表明されたわけではない。 

岡倉天心が「茶の心」、つまり日本人の心をたった10項目に要約しているので紹介する。

茶の本

1.西洋人は、日本が平和のおだやかな技芸に耽っていたとき、日本を野蛮国とみなしていたものである。だが、日本が満州の戦場で大殺戮を犯しはじめて以来、文明国とよんでいる。 

2.いつになったら西洋は東洋を理解するのか。西洋の特徴はいかに理性的に「自慢」するかであり、日本の特徴は「内省」によるものである。 

3.茶は衛生学であって経済学である。茶はもともと「生の術」であって、「変装した道教」である。 

4.われわれは生活の中の美を破壊することですべてを破壊する。誰か大魔術師が社会の幹から堂々とした琴をつくる必要がある。 

5.花は星の涙滴である。つまり花は得心であって、世界観なのである。 

6.宗教においては、未来はわれわれのうしろにあり、芸術においては現在が永遠になる。 

7.出会った瞬間にすべてが決まる。そして自己が超越される。それ以外はない。 

8.数寄屋は好き家である。そこにはパセイジ(パッサージュ=通過)だけがある。 

9.茶の湯は即興劇である。そこには無始と無終ばかりが流れている。 

10.われわれは「不完全」に対する真摯な瞑想をつづけているものたちなのである。

 

一部の日本人にはあまりも残念なことかもしれないが、戦後、我々日本人の頭の中に張り巡らされたアメリカという共同幻想が雲散霧消する(アメリカが普通の国になる)時が近づいている。多極化政策を進めるトランプによってドルが基軸通貨でなくなり、アメリカが覇権国でなくなる日が刻々と迫っているからだ。パックスアメリカーナの下で既得権を獲得した日本のイスタブリシュメントは、今もパックスアメリカーナを維持したいと懸命に抵抗を続けているが、1945年8月15日のような大転換の節目がくることを回避することはもはや、不可能に思われる。

このことは、明治維新以降、欧米金融資本によって国民国家としての道をある意味、強制的に歩ませられた日本に真の独立国になるチャンスが訪れることも意味しているのだが、もしかすると、現在の日本のエリートは独立国になる気概すらすでに奪われてしまったのかもしれない。 

おそらく、その気概を創るための新しい思想家が日本に出てくる必要があるのだろう。言うならば、その意味で二十一世紀の岡倉天心の出現が望まれる。日本、東アジア、をゆるやかにまとめていくことのできる哲学・思想を語ることのできる思想家が今、時代の要求なのである。 

「ひとことで言えば、自他ともに幸せになり、その社会を人間の望みうる理想のものとするには、日本を見習うべきだということなのである。―――もし自然が生活に必要なもの、そのすべてを与えたとしたら、そして、もしその国が国民の勤勉により、世界に例を見ないまでに発展しているとしたら、その国は外国に頼るこなしに存在できるのである。これは大きな利点である。これによって他国より来る邪悪、放蕩,軽薄、戦争、変節などに乱されることなく、国内に大きな問題も起こらず、危急の場合、外国の攻撃から身を守ることができるのである。これこそ日本が他国よりすぐれている点である。」著者の生前は出版されることのなかったケンペル著「日本誌」の一節から岩松睦夫著「緑の大回廊~森が語る日本人へのメッセージ」(1984年 東急エージェンシー)より 

(ペリーが黒船で日本を脅す前に読んでいた日本についての情報は、ケンペルの『日本誌』によっていた。シーボルトが日本にくる前に読んでいたのもケンペルの『日本誌』である。ケンペル以降に日本に来た外国人の大半は『日本誌』を読んでいる。世界的なベストセラーだった。江戸時代の日本を西洋人は上記のように理解したのである。) 

明治維新から150年、私たちはこの150年の近代史を今一度、あらゆる思い込みを捨てて冷静に振り返り、21世紀の日本のあるべき姿を考える時を迎えている。ペリー来航から165年、そろそろ米国を卒業する時を迎えていることだけは間違いないのではないか。

もうすぐ、平成時代も終わる。元号が変わるとき、まことに不思議な事に日本の歴史は大きく動き出すのである。

1
© 2011 山本正樹 オフィシャルブログ Suffusion theme by Sayontan Sinha