来るべき地球寒冷化の可能性を考える(2)

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9月 222012

~米国のペンタゴンレポート2003年の衝撃の中身~

(2)

もう一方の南半球シナリオ

南半球の気候力学については少なからず不確実性がある。それは主として北半球に比べて利用できる古気候学のデータがあまりないためだ。

南半球の主要な地域の気候様式は北半球のそれに従えば寒冷化乾燥化するだろう。

即ち気候システムが熱力学の法則により釣り合いを取るように働き、暑さは回帰線から北半球へ流れ反対に南半球は寒冷化乾燥化する。

(それとも)二者択一的に、気候システムのバランスから北半球の寒冷化が南半球の温暖化、降水量暴風雨の増進に至るかもしれない。つまり、温室効果ガスによる温暖化が海流(の変化)により閉じ込められることによりますます増進しそれが赤道地域からはなれて南半球を温暖化するということだ。

どちらにしても、突発的気候変動における気候変化は世界中の主要な人口密集地帯、増進地帯をほぼ同時に極端な気象状況にするであろう事は疑う余地がない。



2010年から2020年の地域状況

上記のグラフィックは、シナリオで描写した気候様式の解釈を簡単に示している。

ヨーロッパ

気候変動の影響を最も激しく受ける。

つまり、10年間で年平均気温は華氏6度(摂氏3.4度)低下し、特に北西海岸に沿った地域では極めて劇的な変化となる。北西ヨーロッパの気候はまさにシベリアのように寒冷化、乾燥化、暴風化します。南ヨーロッパの変化はより僅かだが、それでも鮮明な断続する寒冷化、急激な温度変化にさらされる。

ヨーロッパの至る所で降水量が減少しそれが原因で土地が枯れ食料の供給が不足しだすだろう。ヨーロッパはスカンジナビアや北ヨーロッパの国民が暖かさを求めて移住してくることや同様にアフリカやその他の地域でひどい打撃を受けて移住してくる人たちとの間で問題が多発しだすだろう。



アメリカ合衆国

寒冷化、暴風化、乾燥化はアメリカ合衆国の至る所で食物生産期間の短縮と食物生産量の減少を起こすだろう。特に合衆国の西南地域は乾燥化が長引く。砂漠地帯はますます増大する暴風に直面する。その一方で農業地帯は強風及び大地の乾燥化がおこり耕地の損失に悩まされる。

気候の乾燥化は特に南部の州で顕著だろう。沿岸地帯は温暖化時代と同様に海岸線に沿って海水準が上昇する危険性を継続して受ける。アメリカ合衆国は内政中心へとその政策を変換することになる。即ち、合衆国自身の人口を食べさせる為の資源を確保しその境界を支えて尚且つ世界の緊張の増進を管理するようになるだろう。



中国

巨大な人口が食料供給に対して高い必要性を持っている中国は季節風による降雨が規則性(信頼性)を無くすため激しく打撃を受けることになる。夏場の季節風による時折の降雨は歓迎されるものでした、しかし一般に土地が裸にされた為氾濫を招き破壊的な影響を出すようになったのである。より長くより寒い冬およびより暑く降水量が減少して乾燥化した夏は既に厳しいエネルギー供給、水供給に対して緊張を強いるものとなる。広範囲にわたる凶作は無秩序と本質的な苦闘の原因となり、冷淡で空腹な中国の民はロシアを横切って西方の境界のエネルギー資源を嫉妬深く見つめるようになる。



バングラデッシュ

不断の台風襲来と海水面上昇はかなりの沿岸を侵食する原因となる強襲する大波を引き起こす。そしてそれはバングラデッシュのほとんどを居住に適さないようになる。さらに進んで、上昇してくる海水面は内陸奥地の飲料水の供給源を塩水化汚染し人道的危機状態となる。大規模な移民が起こり、それが中国とインドの緊張状態の原因となり、そして彼ら自身が抱える国内的危機を処理する為奮闘し始めるだろう。



東アフリカ

ケニア、タンザニア、およびモザンビークは、わずかに暖かい天候となる。しかし、不断の旱魃にも直面することになる。乾いた状況に慣れているこれらの国々は気候が変化する状況にそれほど影響を及ぼされないだろう。しかし、彼らの食料供給は主要な穀物を製造する地域が困窮するにつれて食料供給の困難に直面するようになる。



オーストラリア

主要な食料供給者であるオーストラリアは世界中の食料を供給しようと努力することになる。その農業は気候の変化がそれほどでなく厳しい衝撃をあたえられないだろう。



 

天然資源への衝撃

気候様式の変更と海洋温度の変化は農産物、水産物、野生動物、水、およびエネルギーに影響を及ぼす。作物の産出量は気温と水のストレスと同じようにその作物が生長している期間が10-20%減少することに影響される。

そしてまた、そのことはどの地域が温暖化から寒冷化する傾向にあるかを予測し得ない。いく種類かの農業病害虫は気温変化のために死にますが、他の種類は乾燥化強風化のために簡単に拡大するだろう。つまり、代わりの殺虫剤をもちい取扱を厳しく統制することが必要になる。一般的に特定地域に漁業権を持っている商業漁民達は彼らの獲物が大規模な移動をする為漁業装備を整えなおす災難に見舞われる。



世界において(アメリカ合衆国、オーストラリア、アルゼンチン、ロシア、中国、インド)この地域はたった5ないし6種類の穀物を栽培している状態であり、一部の地域での気象条件が悪化した場合世界的な食料の差引勘定からの余剰は不十分となる。世界の経済上の相互互助制度は、局所的な気候の変化によって引き起こされた主要な農産物の経済上の混乱および世界の人口数が多すぎる事により、ますますアメリカ合衆国を窮地に陥れる。悲劇的な水とエネルギーの不足は-それは今日現在でも世界中で言われていることだが-迅速に克服されるはずはない。



国家安全保障への衝撃

人類文明は地球の気候が安定化温暖化することにより始まった。気候の不安定な寒冷化は人類が農業を発展させずに頻繁な移住をする必要性を促した。ヤンガードリアスの終了時点で気候が温暖化安定化し、その後、人類は農業のリズムと気候が生産力を維持するような場所に定住することを学んだのである。

現代文明はこのシナリオで概略述べたような絶え間ない混乱した気候状態を経験したことがない。結果として、この報告書で概略述べた国家安全保障との密接な関係は単に仮説にとどまる。

実際の衝撃は気候状態への認識の仕方、人間の適応性、政策立案者の方策によっては非常に異なることだろう。

突然の気候変化によって引き起こされるで、あろう緊張した暴力的混乱状況は今日我々が慣れている国家安全保障への脅威とは異なるタイプだ。

軍事的な対決は、イデオロギー、宗教、国家的栄誉の争いではなく、エネルギーや食料や水といった天然資源に対する絶望的な必要性から引き起こされるかも知れない。立ち向かう為の動機付けを誘発する為には国家は安全保障の脅威を現存する警告としてもっと社会が敏感になるようにする事だろう。

各国が争う事の調査として資源強制と自然環境挑戦への長く続く学研的範囲をこえた討論がある。ところで、何人かの人は、国家は単独で2国間がお互いに攻撃するようにできると信じている一方で、他のものはそれらの主要な影響が先に存在している国家のグループに対してその国家間での争いを誘発すると主張している。

とにかく、厳しい環境問題が世界的な争いへとエスカレートするであろう事を、否定できない。共同観察者と大統領によって設立された太平洋の環境と安全保障に関する研究開発組織のピーターグリックは突発的気候変動(気候ジャンプ)により当惑される国家安全保障に関して3つの基本的な挑戦しなければならない難問を提起する。



1. 農業生産の減少の結果における食糧不足



2. 洪水や干ばつの結果の真水の利用可能性と質の劣化



3. 海氷や暴風の結果の戦略上重要な鉱物資源への入手の分断



突発的気候変動の場合には、食料、水、エネルギーの強制が第一に経済問題を通り越して政治的に行われるかもしれない。そして外交上は条約破棄及び通商禁止といった方法を採るかもしれない。時間がたつにつれて土地と水をめぐる争いはより厳しく乱暴になるだろう。そしてますます絶望的な状態になるので、交戦の為の圧力は増大するだろう。



生存収容力の減少

このグラフは突発的気候変動(気候ジャンプ)が、生態系の変化によって(人類の生存する為の)資源の不足から戦争を誘発して生存収容力を減少させることを示唆している。今日、地球そしてその自然生態系が人類社会の経済文化システムをサポートしておりこの惑星が養いうる生存収容力には限りがあるという現実に(我々人類は)世界中で挑戦されようとしているのだ。国際エネルギー機関によると、全世界の石油の需要はこれからの30年間に66%増大するとしている。しかし、どこがそれを供給するのか明確になっていない。きれいな水は、世界中の多くの地域で同様に強奪されるだろう。

(今現在でも)世界では8億1500万人の人々が生存するのに不十分な状態に置かれており、このような状態の地球は(既に)我々を生存させる生存収容力を失っている。(すなわち地球には)我々の生存を支える充分な天然資源が(既に)ない事を意味している。全地球の生態系を管理する手段としての可能性のある多くの技術開発、 如何にも技術進歩が時とともに生存収容力を増進しているように見える。世紀を超えて、我々はより多くの食料を生産する方法や、エネルギー、水の供給を確保する方法を学習した。

しかし、この筋書きで概略を述べられたような危機に直面するとき、新しい科学技術の潜在力は充分効力があるのだろうか?

突発的気候変動は、(科学技術による対応策による)生存収容力増進の試みを打ち砕き、まさしく地球の生存収容力は限界を超える危機的状態を招くかもしれない。そして、生存収容力が再編成されるような大自然の傾向や要求がある。突発的気候変動が全世界の生存収容力を低くする結果、食料や水、エネルギーをめぐって攻撃的な戦争が起こりそうだ。戦争による死者と同様に餓死、病死が人口減をもたらし、最終的には地球の生存収容力と再び釣りあるようになるだろう。生存収容力を地域や国家のレベルで見る場合、一部の国家は高い生存収容力を明白に持っていそうだ。

たとえば、アメリカ合衆国や西ヨーロッパは現在の彼らの人口サイズから考えると突発的気候変動に対してもっとも的確に対応できそうである。

この事が持つ者と持たない者との心理をより厳しい状況に押し上げるかもしれない。即ち、高い生存収容力を持つこれらの国家へ怒りが向けられるという事だ。

その事は、金持国家はより多くのエネルギーを消費する傾向があり、より多くのCO2といった温室効果ガスを大気中に排出してきた事に対して、指差し非難するに至るかもしれない。CO2排出と気候変化との因果関係が科学的に証明されているかどうかが重要なのではなく、国家が遭遇している知覚された現実が重要なのだ。



生存収容力と戦争状態との関連

Steven LeBlanc と言うハーバード大学の考古学者が生存収容力「Carrying Capacity」と名付けた新刊書で生存収容力と戦争との関係を描写している。

豊富な考古学のまた民俗学のデータを基にして、LeBlancは、歴史的に人類は多種多様な理由により組織的な戦争状態を起こしてきたが、その中に資源や環境の争奪が原因の戦争状態があった事はたしかであると主張している。

人類は彼らの持っている自然環境の生存収容力を勝ち取る為に戦う。

狩猟民族/農耕民族の略奪者、権力者、から初期の複合社会が成立する過程で、戦争は起こり、人口の25%の成人男性は死んだ。生存収容力が上がったときに平和はやって来た。

即ち、農業技術が発明された時がそうであり、効率的な官僚政治が新たに起こったときがそうであり、遠方との貿易が可能となったときがそうであり、科学技術が発展した時がそうだ。また、大きな時間目盛りで捉えてみた場合、例えば疫病は長時間の後、死または再生を作り出す。ヨーロッパは主要な疫病によってそうだった。また北米の原住民はヨーロッパから持ち込まれた疫病によって抹殺された。(ジェームズダウン植民地の失敗とプリマスロック植民地の成功との違いもそうだ)

しかし、このような穏やかな期間は短命だ。なぜならば生存収容力が押し上げる為人口はもう一度急激に増加するからである。

まあ、1000年間単位では、ほとんどの社会は、彼らの戦争を行う能力に従って彼ら自身明確にします。そして戦士文化は深く染み込んでいるようになる。最も闘争的な社会は、残存するものなのである。

しかし、過去3世紀について、LeBlancは指摘する。たとえ個々の軍事および大虐殺が一定規模においてより大きくなったとしても、高度な国は、着実に死者数を低くした。伝統的な彼らの敵国をすべて虐殺する方法ではなく、国家は勝利を得るのに充分なだけ殺し、そして、それから彼らの新たに拡張された経済圏における仕事をさせる生存者を残したのである。国家はまた、彼ら自身の官僚組織を使って、生存収容力を高める先端技術や国家間がより念入りな国際協調を結ぶような国際的取り決めを作ろうとしている。

すべてのこれら進歩している行いが崩壊してしまったとしたら、至る所で生存収容力は突発的気候変動によって突発的に徹底的に低められるだろう。

人間性は減少する資源のために人間性本来の標準的な恒常的戦争状態に戻ってしまうだろう。そして長期的には戦争自身が気候の影響をはるかに超えて資源の減少をもたらす事だろう。もう一度、戦争状態は人類の生存を限定することになるだろう。



<気候変動からの帰結としての衝突シナリオ>

~2010-2020~



2012: 厳しい旱魃と寒冷化は北欧人たちを南方へ押し出し、EUから押し返される。

2015: 食料及び水供給に端を発した小衝突と国家間の緊張がEU域内で起こる。

2018: ロシアはエネルギー供給者としてEUに加わる。



2020: スペインおよびイタリアへオランダおよびドイツのような北国から移住する。

2010: バングラデッシュ、インド、中国との間で国境を巡って小競り合いと衝突が起こり、大量の住民がビルマへ向けて移動する。



2012: 地域の不安定性に対処する為、日本はその企画能力を軍事展開指揮する。

2015: シベリアとサハリンのエネルギー資源に関して日本とロシアとの間に戦略上重要な協定が結ばれる。



2018: 中国は反逆者犯罪人により定期的に分断されたパイプラインを守る為、カザフスタンに侵攻する。

2010: 水に関する合衆国とカナダ、メキシコとの間の意見の相違は緊張を増す。



2012: カリブ海の島々からアメリカ合衆国南東部及びメキシコへ避難民の洪水が押し寄せる。

2015:(大部分は金持の)ヨーロッパ人達がアメリカ合衆国へ移住する。

2016: 西欧諸国が漁業権をめぐって衝突する。



2018: 北アメリカの安定のためにアメリカ合衆国とカナダ、メキシコは安全保障同盟関係を結ぶ。

2020: 国防総省はカリブ人およびヨーロッパ人の避難民の為、国境を管理する。



2020-2030

2020: 海を越えて渡ってくる移住者との小競り合いが頻発。

2022: フランスとドイツとの間にライン川の商業利用権をめぐって小競り合いが起こる。

2025: EUは崩壊に近づく。

2027: アルジェリア、モロッコ、エジプト、イスラエルと言った地中海諸国への移住がますます増大。

2030: 10%近くのヨーロッパ人の人口は異なる国々へ移住。



2020: 南東アジアは絶え間ない衝突状態となる:ビルマ、ラオス、ベトナム、中国

2025: 中国の国内の状態は、内戦、および境界戦争に至り、劇的に悪化。



2030: ロシアのエネルギーを巡って中国と日本との間に緊張が高まる。



2020: ペルシャ湾、カスピ海での衝突が石油供給を脅かす為、石油価格が高騰。



2025: サウジアラビアの国内問題を発端として中国及びアメリカ合衆国の海軍は港(ペルシャ湾)を巡り直接対決。



この図表は気候変動と軍事との密接な関係についての幾つかの可能性の概要だけを記したものである。気候変動の結果として起こる突然の生存収容力の減退による最もありそうな反応は大きく2分類される。

それは即ち防御するか攻撃するかだ。

アメリカ合衆国とオーストラリアの方策は彼らの国の周りをあたかも防御要塞とする。

何故ならばこれらの国々は自給自足できる資源と資産を持っているからだ。さまざまな気候に変化していく中でも、富や科学技術、豊富な資源はアメリカ合衆国を悲劇的な損失なしで厳しい気候状態により周期的に成長を減じられたとしても生き延びる事が可能である。カリブ海から(特に厳しい問題を持った)、メキシコや南アメリカからの必要とされない飢えた移住者を押しとどめる為に国の周り全体の国境は厳重にされることになる。エネルギー供給は(経済上、政治上、道徳上)高価な代償を通して支えられることになる。エネルギー供給の選択肢とは原子力、水素エネルギー、そして中東との契約の継続だ。

漁業権の面倒な小競り合いを超えて、農業援助、災害援助は普通に行われるだろう。

アメリカ合衆国とメキシコとの間の緊張が増し、アメリカ合衆国はコロラド川からの水の流れを保障する1944年の条約を取り消す。交替労働者は東海岸の南部に沿っての洪水と内陸部の激しい乾燥状態に対応するために動員されるだろう。

しかし、この続けざまの非常事態でさえ、他の国々に比較するとアメリカ合衆国は充分幸せな立場だといえる。国家が直面する手に負えない問題は世界中で起こる軍事的緊張を静める事につながる。突発的気候変動によりもたらされる凶作、疫病、気象災害の襲来のため、多くの国々はその本来の生存収容力を失い、生存需要を満たす事が出来なくなる。この事は自暴自棄の意思を作り出す事になるだろう。

それは優位を取り戻す為の攻撃的な侵略行為をもたらすだろう。

東ヨーロッパ諸国は食料、水、エネルギーの供給が落ち、彼らの国民を生存させる事に奮闘していると想像される。そして彼ら東欧諸国はすでに人口が衰退しているロシアに注意深く目を向け、穀物、鉱物、及びエネルギー供給を受けようとする。

あるいは、日本の状況は沿岸都市が洪水により被害を受け、真水供給設備が汚染され、海水脱塩工場及び農業生産強化の為のエネルギー源としてサハリンの石油及び天然ガスに注意深く目を向けているかもしれない。すべて核武装しているパキスタン、インド、中国の国境での避難民が川の水や耕地を巡って起こす小競り合いを想像してください。

スペインとポルトガルの漁民は、漁業権をめぐって実際に海上で武力衝突するだろう。

そして、アメリカ合衆国を含む国々は彼らの国境をより完全なものにする。

200以上の川の流域は多数の国家に面しているので、飲料水を引き込み輸送する為に衝突が起こるであろう事を我々は予想する事ができる。

ドナウ川は12の国家に属している。ナイル川は9つの国家を流れ、アマゾン川は7つの国家を流れている。



このシナリオで、我々は、都合よい同盟国を予想することができる。アメリカ合衆国とカナダは国境管理を簡単にして1国になるかもしれない。あるいは、カナダは、アメリカの引き起こすエネルギー問題に対する為、その水力発電能力を自国に保っておくようにする可能性もある。

北朝鮮と韓国は、1つの専門的博識、即ち核武装させた実体を作るために、提携するかもしれない。ヨーロッパは攻撃者からの保護を考慮に入れて、ヨーロッパ人の国家間で移住問題を抑制する統一されたブロックとしての役目をはたすかもあいえない。

その豊富な鉱物、石油、天然ガスをもつロシアは、ヨーロッパに加わる可能性もある。

この世界の闘争する国々では原子力兵器の拡散は不可避。

寒冷化が需要を押し上げるので、現存する炭化水素の供給は薄く張り詰められる。エネルギー供給の不足により、入手する必要性が増大し、核エネルギーは決定的な力の源となる可能性がある。そしてこれは各々の国家の国家安全保障を隔日にする為、核濃縮技術及び核再処理能力開発を促し核兵器は拡散することになる。

中国、インド、パキスタン、日本、韓国、グレート・ブリテン、フランス、およびドイツはすべて核兵器能力を持つだろう。それに、イスラエル、イラン、エジプト、および北朝鮮もすべて同様になる。軍事的政治的緊張、即ち時折の小競り合いから戦争の脅威、これらを管理する事は一種の挑戦となるだろう。



日本といった国、即ちたくさんの社会的選択肢をもっており政府がその行政手法を変えるときにその人口を有効に活用出来る意味において、このような国は多分もっとも幸運だと言えるだろう。その多様性が故に既に衝突を生じている、インド、南アフリカ、インドネシアのような国々は、規律を維持する問題が生じることになる。



資源入手可能性と適応性が鍵となるだろう。

おそらくもっとも挫折感を引き起こす事とは、我々人類にとってどのくらいの期間それが続くのかを予測できないことだ。即ち、突発的気候変動への挑戦が、気候変化シナリオへの突入からいつまで続くのか、何年続くのか、つまり、10年間か、100年間か、1000年間かということであり、熱塩循環が新たにスタートを始め、温暖化した元の気候状態になるまで生き残っていられるのかと言う不安である。生存収容力が突発的に低下したとき、文明は今日では想像できない新しい挑戦に直面することになる。



これは本当に起こるのだろうか?

世界的にもっとも格式がある組織の海洋、大地、大気に関する何人かの科学者達は、過去10年間に渡った新しい証拠を暴露した。そしてその証拠は、ほとんどの科学組織が主張していた事より、またおそらくすべての政治的組織が準備していたよりも、厳しく急激な気候変動が起こる可能性が非常に高い事を示唆している。もしその事が起これば、この驚くべき現象は一般的に知られた漸次の地球温暖化傾向を中断させるだろう。

そして古気象学の証拠はこのような突発的気候変動が近い将来始まる事を示唆している。

Woods Hole海洋学研究所は、北大西洋を囲む海が過去40年間を通じて塩分濃度が減少した事を、そして北大西洋の深海の塩分濃度が次々と減少しつつある事を報告している。この傾向は大洋循環が崩壊または減速し突発的気候変動が始まる事を意味している。

その証拠とは熱塩循環崩壊が差し迫ったかもしれないという事である。つまり、北大西洋は周囲の海がこの40年間を通じてあまり塩を含まなくなり、その為ますます淡水化していると言う事だ。1950年以来フェロー諸島岸の水路が運ぶ北欧海から大西洋に至る水流が減少している。北部大西洋深海の急激な淡水化が過去40年間に渡って起こっていた。



2 Adapted from I Yashayaev, Bedford Institute of Oceanography as seen in Abrupt Climate Change, Inevitable Surprises, National Research Council.

上記の2つのヘッドラインは、2001および2002に別々に自然マガジンに載りました。これらは、北大西洋の塩分水準が低下し、熱塩循環が崩壊する見込みを増やしている事を示唆している。地質学の記録の中に少なくとも8回の突発的気候変動があった。



それは以下のような質問事項を提起する。

:それは何時起こるのですか?

:そのことにより何に影響が出るのですか?

:そして、我々はその事にどのような方策で対処すれば良いのですか?

:もっともそれより、そのことは本当に起こるのですか?



我々は歴史がまた同じ事を繰り返すためそれへの準備をすべきなのだろうか?

気候変化による人間活動への影響について世界中の新聞で討論がある。経済的繁栄がエネルギー使用と温室効果ガスの排気と関連させられている為、それはしばしば経済進歩が気候変動を誘発したのだと主張されている。色々な証拠は、人間活動が気候変動を生じさせるであろう事を確かに示唆している。それにもかかわらず、気候変動は現実に目に見える形で現代社会に起ころうとしている。

地球環境の人間への影響を理解する事は重要である。それとともに、何が加速したか減速したか、(あるいはおそらく逆回転したか)を気候変動の傾向として理解する事もまた重要なのである。燃料や温室効果ガスの排出抑制及び省エネ努力はどちらか一方やってみる価値はある。さらに我々は突発的気候変動による不可避の影響の為の準備をすべきなのである。すなわち、人間活動の努力にもかかわらず突発的気候変動は、おそらく、やって来る。

ここに突発的気候変動(気候ジャンプ)に対応する為のアメリカ合衆国が準備すべき幾つかの勧告がある。 :



1) 予測する為の気候モデルの改良

さらに進んだ調査は行なわれるべきだ。その事により、より多くの信頼性が気候変動予測に対して生じる。海洋パターンと気候変動との間の関係についてより深い理解を得る必要性がある。この調査は歴史上の、現在の、将来の軍事力にも焦点を当てるべきだ。

そしてまたその目標は突発的気候変動への理解を進める事だ。即ち、どのようにそれは起こり、どのように我々はそれが起こっている事を知るのかという事だ。

2) 気候変化モデルが予測する包括的な影響についての情報を収集してください。

実質的な調査は、突発的気候変動(気候ジャンプ)が自然生態に対して、経済に対して、社会に対して、政治に対してどのような影響を及ぼすかを調べる必要がある。

洗練されたモデルおよびシナリオは、可能なかぎり局所的な状態を予期するために、開発されるべきだ。システムは、気候変動が社会上の、経済上の、そして政治上の全体的な状態にどのように衝撃を与えるかを明らかにするために、作り出されるべきである。

これらの分析結果は実際に衝突が起こる前にそれを軽減する潜在的情報源として利用する事ができる。



3) もろさの測定基準

測定基準は国家がもつ気候変動より受ける衝撃へのもろさを理解するために作られるべきだ。測定基準は、生存する為の農業、水、鉱物資源:技術力:社会の団結力、社会の適応性、これらを含むかもしれない。

4) 後悔のない戦略

後悔のない戦略とは、食料供給、水の供給について信頼できる入手手段を確実にするよう識別して実施することだ。そしてそれが国家安全保障を確実にする事なのである。



5) 適応反応のリハーサル

適応反応の為の組織は設立されるべきだ。それは不可避の気候変動が迫っている事を演説し用意させる為である。すなわち、大規模な移住や病気、感染症の発生、食料及び水の不足に対応する為なのだ。



6) 局所的な連座(密接な関係)の調査

気候変動の最初の影響は局所的です。一方、我々は変化に対してあらかじめ手を打つ事が可能である。それは害毒が優勢で、厳しく、かつ農業生産性が変化してもだ。

(観察者の)一人はとても明確に位置を特定するように観察する必要があり、害毒がもたらす懸念を熟知していて、作物や地域が傷つきやすく、またどのくらい厳しく影響を受けるであろうかを見つけ出すべきである。このような分析は特に戦略上重要な食糧生産に関わる地域で引き受けられるべきである。



7) 気候を制御する地球科学の選択肢の調査

今日、それは気候を寒冷化させるよりも温暖化させるほうがより簡単である。そして、それは寒冷化した大気に(hydrofluorocarbonsのような)様々なガスを加えることにより可能だろう。このような行為はもちろん注意深く研究されるべきだ。



<結論>

10年間以内に差し迫った突然の気候変化の証拠がはっきりして、信頼できるようになることが事実上明確である。我々のモデルがもっと我々が成り行きを予測できるようにすることが、同様に可能だ。この出来事において、アメリカ合衆国が必要とするで、あろう緊急措置を実施する事により、かなりの衝撃を軽減できる。外交上の取り組みにより、特にカリブ海諸国、アジア諸国に対して、これら地域に潜伏している地域衝突の危険性を最小限にする必要性がある。

しかしながら、このシナリオから大規模な人口移動は不可避。

これらの人口がどのように処理されるかを知れば、これら避難民が起因して起こす国境の緊張は決定的だろう。新しい形式の安全保障条約はエネルギー、食料、水、の必要性を明確に取り扱うものとなる。

要するに、合衆国がそれ自身で比較的暮らしが楽であり、より多くの適応できる収容力をもつだろうとしても、世界全体としてその事を見た場合、ヨーロッパの内部では苦悩があり莫大な数の避難民がその海岸線を埋め尽くし、同じようにアジアにおいては食料と水を巡る決定的な危機が存在する。混乱および争いは、生存する上での風土的特徴となるだろう。





 

海洋熱塩循環

この研究によれば、気温がある閾値を越えると、突然10年間に36℃の速度で気温が下がり始め、それが長期間続くことがあると言う。例えば、8,200年前に海洋熱塩循環が崩壊した時には寒冷な気候が約1世紀続いた。極端なのは12,700年前のヤンガードライアス期でこの時は1000年続いた。



8,200年前の気候変化

・毎年平均気温がアジア・北アメリカで2.8℃、北ヨーロッパで3.6℃下がった。

・毎年平均気温がオーストラリア、南アメリカ、南アフリカで2.2℃上がった。

・ヨーロッパ、アメリカ東北部では旱魃が10年間続いた。

・冬の嵐が起った。

・西ヨーロッパと北太平洋では風が強く吹いた。



このように気候が突然変わると、争いが起き易く戦争になることもある。

1.農業生産が減ることによる食糧不足。

2.洪水と旱魃が頻発することによる上水の不足。

3.海の凍結と嵐によるエネルギー不足。



資源のある国はその資源を守るために守りを固める。ない国は近くの仲の悪かった国の資源を強奪しようとする。宗教、イデオロギー、国の名誉よりも生存するための資源が重要になる。米国は次のような対策を取るべきだ。

・天気予報の改善。

・突然気候が変わった時に食料、水、エネルギーにどのような影響が出るかを予測する。

・気候変動に最も弱い国を予想する。その国は暴力的になるかもしれない。

・今何をしておけば後悔しないで済むかを明らかにする(水管理など)。

・柔軟な対処ができるように演習する。

・近隣諸国との友好。

・気候をコントロールする方法の開発。



近年北大西洋では過去40年間に、氷河の解凍、雨量の増大、水の流出により海水の塩分が減っている。これは海洋熱塩循環を遅らせる可能性がある。

来るべき地球寒冷化の可能性を考える(1)

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9月 162012

*米国のペンタゴンレポート2003年の衝撃の中身を紹介させていただくことにしました。

現在、太陽の活動が異常な状態になってきており、専門家は「異常な事態であり、このような現象は観測されたことがない」として警戒を呼び掛けている。その警戒とは地球の「寒冷化」である。 

現在、地球は温暖化などしておらず、小氷河期に向かっており、地球にやさしい環境など、環境団体や温暖化ビジネス団体が喜ぶだけの話であり、今やこの温暖化ビジネスモデルが破たんし、世界中のマスコミで、「温暖化」などという表現を使うところは、日本ぐらいしかない。一生懸命、官民協力して本当に二酸化炭素排出を減らそうとしている国も、不思議の国:日本だけである。

その日本でも最近は「温暖化」という言葉を使わずに「地球環境の変化」という言い方に微妙に変わってきている。この変化を知らない一般国民は「温暖化」・「地球環境に優しいエコ」という言い方をさせられている。

 

 日本の太陽観測衛星の「ひので」が太陽の北極域の磁場の変化が異例の様相を示していることを観測し、このような変化後には、『地球が寒冷化することが知られている』とされ、研究チームの常田国立天文台教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話しており、今後地球が本格的に寒冷化に向かい、とんでもない気温に吃驚するのかも知れない。

 8月はじめというのに、紅葉がパリで始まっていたり、南仏のニースでは夏まっさかりでありながら、気温が30度にいかない、ロンドンでは12度位しかなく、ウインドブレーカーが必要だったとか、アイルランドでも日本の女性タレントが7月だというのに日本の晩秋のような服装で現地を紹介する番組を放送していたりと、あり得ない夏を経験しているが、更に進めば、夏でも雪が降るとか、冬はマイナス30度を下回る気温を東京でも観測するとかという厳寒を観測するような事態が訪れるかもしれない。

ようやく、専門家が「寒冷化」を遠慮がちに指摘し始めたが、誤った情報を植え付けられ、マインドコントロールされた日本人には理解しがたい「不可思議な真実」である。事実は事実であり、極端なことを言えば、『石油・石炭をどんどん燃やし地球を暖めろ』、『エコカーなど乗るな、燃料効率の悪い車に乗れ』と、武田邦彦教授が言うようになるのだが、そのような事をしても、地球環境には影響ないだろう。

先日、NHK衛星放送の「コズミックフロント」でも放送していたが、地球は太陽の周りをまわっている小さな惑星の一つであり、太陽系の質量の99.999%を占める太陽の活動一つでどのような環境にもなるからだ。

地球が長期的にみれば、小氷河期に向かっているのは明らかであり、その際には気温が極端に上がったり下がったりするのは当たり前であり、「異常気象」と騒がれている今の「異常気象」がいつかは「これが普通の気候である」に変わるはずだ。



考えてみれば、我々人類が今のような近代的な生活を送ってまだ一世紀もたっていない。地球は30億年前から日々変化をしており、いつか前のマイナス30度が日常であるという時に戻ることになるかも知れないということを頭の片隅に入れておくべきだと言えよう。

それが1年後か、10年後か、1万年後かは分からないが、地球の歴史を化石から見れば、この地球が変化に富んだ活動を繰り返しているのがよく分かる。

 そう言った意味では、温暖化ビジネスが企業イメージにとって良い時代がそろそろ終焉を迎えるのかもしれない。

また、日本の農業の構造改革と食料自給率を上げることが絶対に必要である。



 今回は、今までご紹介しなかったアメリカペンタゴンの2003年のレポートを紹介させていただく。以前から、二酸化炭素による地球温暖化説の欺瞞性をレポートで指摘してきたが、昨年のヨーロッパ、ロシアの大寒波以来、欧米では、二酸化炭素による温暖化説は、過去のものになりつつある状況のようである。「日本人の大好きな米国」の国防総省のレポート。一読の価値はあるはずだ。

2004年6月に日本でも公開された「デイ・アフタートゥモロー(The Day After Tomorrow)」はカリフォルニアが竜巻に教われ、二ューヨークが大雪に見舞われる異常気象を描いて観客を驚かせた。

この映画の基礎になったのが、ここでいう「ペンタゴンレポート」である。

この報告書は原題を“An Abrupt Climate Change Scenario and Its Implication for United States National Security”(急激な気候変動とそれが米国国防に持つ意味)と言い、2003年の10月にピーターシュワルツとラグランドールがまとめて報告した。

併せて丸山教授のインタビューも参考資料として紹介させていただく。

*「選択」2008年02月号より   

 ~InterView巻頭インタビュー~

                      「CO 2温暖化主犯説」に物申す

 丸山茂徳(東京工業大学教授)

1949年徳島県生まれ。名古屋大学大学院博士課程修了。地球変動や惑星科学などの分野で業績を挙げ、2002年に日本地質学会賞、06年に紫綬褒章を受賞。編著・共著に『プルームテクトニクスと全地球史解読』『生命と地球の歴史』等。



 ──CO 2が温暖化の大きな要因との見解が定説になりつつあります。

丸山 CO 2問題と温暖化は切り離すべきです。確かにこの百年間温暖化傾向にありましたが〇・五℃に過ぎず、地球の歴史上、全く異常ではない。化石燃料を最も焚いた一九四〇年から八〇年に気温は下降しており、CO 2主犯説は崩壊しています。大気の気温を決める最大の要因は雲です。雲が一%多ければ気温は一℃下がります。

 

──雲の量を決めるのは何ですか。

丸山 最大の要因は宇宙線の飛来量です。宇宙線が雲の凝縮核となる。これに最も影響を与えるのは太陽の活動です。活動が活発だと宇宙線は地球内に入って来なくなる。活発だった太陽の活動は二年前から減衰しています。もう一方で宇宙線飛来量を強い地球の磁場が遮断する。地球の磁場が弱くなると飛来する宇宙線量が増えますが、この磁場も弱くなっている。したがって温暖化ではなく、これから寒冷化が始まるでしょう。

 ──気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の見解をどう見ますか。

丸山 今後の温暖化は無いし、CO 2の温室効果は微小です。IPCCの見解の歪みは評価報告書を出すたびに大きくなり、昨年の第四次評価報告書では、温室効果ガスとしてCO 2の十倍以上の効果を持つ水蒸気の記述が消えました。そして「過去一千年の気候は一定だ」と論じています。しかし地球の気温は変動を繰り返している。この説はスベンスマークが提案しましたが、「生成のメカニズムがわからない」とIPCCは却下しました。



 ──誤解の原因は。

丸山 組織ができると、構成員は個人の幸せを求め始めます。IPCCも健全な目的で生まれたが、CO 2主犯説で食っていこうという方針を守り始めた。「CO 2は固定できる」「コンピューターを使えば解決策も出せる」と訴えれば研究費も下りる。科学はしばしば政治に利用されます。「地球のために」というのは受けが良い。アル・ゴアはそれを知っています。組織がある方向に走り出すと止まれない。社会が科学の質を変えてしまう。ガリレオやダーウィンへの迫害と同じ現象です。

 

──そもそも地球のことはどれだけわかっているのでしょう。

丸山 これまで地球(気象)しか見てこなかったから、暖冬か否かの予測すら外れてきました。地球環境は銀河の中の相互作用で決まるのです。この点に関する知見は現在、どんどん蓄積されています。二〇二〇年に温度は一℃から二℃上がるなどと言っても、二十年もしないうちに温暖化が否定されれば科学への大きな不信が生まれる。これがCO 2主犯説の最大の罪です。

 

──ただしエネルギー危機に関する覚醒効果はありました。

丸山 確かに低炭素社会に移行する必要があります。それは温暖化するからではなく、人口増に耐えられないからです。二〇五〇年に世界人口は百億に近づき、人類史で最大の悲劇の時代が始まるでしょう。六十億以上の人口を現在賄えるのは化石燃料という貯金を食い潰しているからです。石油はどんどん掘りにくくなる。それ以前に食糧が足りなくなる。人口を計画的に減らして食料を増やす必要があります。日本は諸外国に省エネの技術援助を行い、人口減少社会のお手本になるべきです。地球温暖化の狂想曲に踊らされれば本質を見誤ります。

                                        〈インタビュアー 編集長・惠志泰成〉

「突発的気候変動シナリオとアメリカ合衆国」

~国家安全保障との密接な関係~

2003年10月

ピーターシュワルツ、ダグランドール

 思いもよらないことを想像すること

この報告の目的は、思いもよらないことを想像する為であり、最新の気候変化の調査研究がアメリカ合衆国国家安全保障に密接に関係することを理解するよう推し進めるためである。科学者達はこの研究をサポートする。しかし、筋書きが描写した警告は、2つの基本的な点で極端である。

初めに、彼らは、我々が概略を述べる出来事が全世界よりむしろ少しの地域でたぶん起こるだろうことを主張する。

第2に、彼らは、事象の大きさがかなりより小さいかもしれないとも言っている。

(ところで)我々はたとえもっとも有望ではないとしても、アメリカ合衆国国家安全保障にとって直ちに熟考されるべきと判断する気候変化シナリオを作った。



<実施上の要約>

かなりの地球の温暖化が21世紀の間に起こるだろうことを示す実質的証拠がある。変化が今までのところ漸次であり、そして将来に渡って同様に漸次だと考えられるので、地球温暖化の影響は、ほとんどの国家にとって扱いやすい事柄であるとされている。

しかしながら、最近の調査結果は、この漸次の地球の温暖化は、海洋による熱塩循環コンベアーが比較的突然速度を落とすことに至ることを示唆している。

(その結果)調査結果は現在世界の食料生産のかなりの部分を提供する地域でより厳しい冬の気候状況、激しい大気湿度の減少、および猛烈な風による影響がでる可能性があることを示した。(このままの)不十分な準備では、その結果は、地球環境における生存収容力のかなりの低下かもしれない。この調査結果は、気温が一旦ある境界値を超えれば、比較的突然逆方向の気候状況が現れることを示唆している。

(すなわち)それは変化の持続性があり、いくつかの区域で華氏5-10度(摂氏2.8-5.6度)の大気平均温度の低下を引き起こし、これが10年間で起こることを示唆している。

古気候学的証拠は、このような変動する気候様式が8,200年前に海洋コンベアーが崩懐したときに起こり、それが1世紀もの間持続した事を示唆している。

また、極端な例では、12700年前のヤンガードリアスの時点では1,000年間に渡りこのような気候様式が持続したことも示唆している。

このレポートでは、一般的な漸次の気候温暖化のシナリオの代案として、約8200年前に起こった100年イベントを突発的気候変動シナリオの前提とした。

この突然の変化シナリオの特徴を以下に示す:



・アジア、北アメリカにおいて、年平均気温が最大華氏5度(摂氏2.8度)低下する。

・北ヨーロッパにおいては、年平均気温が最大華氏6度(摂氏3.3度)低下する。

 

・オーストラリア、南アメリカ、及び南アフリカの大部分の所で年平均気温が最大華氏4度(摂氏2.2度)増加する。

・干ばつは、10年間に渡って持続する。



それはヨーロッパや東北アメリカの人口集中する農業地域や水資源地域を危機的状態とする。

・変化の衝撃を詳しく述べると、冬の嵐および風が激化する。

・西ヨーロッパおよび北太平洋は、機能強化した風を経験する。



この報告書は突発的気候変動シナリオがどのように地政学的環境を潜在的に動揺させるか、すなわち、資源束縛の結果として小衝突が起こり、戦争となるかを報告するものである。

以下にそれを示す。



1) 最終的な全体的農業生産高の減少とその結果としての食糧不足

2) 主要な地域での降水量の変動を起因とする真水取得可能性の縮小と品質の劣化、そしてそれが原因の氾濫と旱魃。

3) 広範囲に渡る海氷及び嵐によるエネルギー供給の寸断

全体のそして地域の生存収容力(Carrying Capacity)が減少させられるので、世界中は緊張状態となり守備と攻撃という基本的な戦略を採らざるを得なくなる。

国家の資源管理は国家自身の資源保護のためその回りを仮想要塞化するかもしれない。幸運な国家は少なく、多くの国家は大昔から隣国との敵意を持つ為、食料の調達、飲み水の調達に関して苦闘を始めるかもしれない。防衛優先の同盟関係は在りそうに無く、生存目的の資源獲得が優先し宗教や観念論、国家的栄誉は2の次にされる。



このシナリオはアメリカ合衆国の新たな挑戦を求める。

そして取られるべきいくつかの行動を提案する。



・どのようにまたどの場所で変化が起こるかを予期するために幅広いシナリオに基づく調査を行い、これらの前兆を察知する改良型気候モデルを作り出す必要がある。

・食物、水、およびエネルギーの気候による影響に対応するための企画を改良する為、突発的気候変動の前兆を察知する包括的な気候モデル(に対応する情報)を集める必要がある。

・(各々の)国が最も気候変動の受けやすさを予期する為、弱さの測定基準をする必要がある。

それはすなわち世界の物質的混乱と潜在的暴力に関しての基準を意味する。

・水の管理機能の増進といった後悔の無い戦略を明らかにする必要がある。

・適応する為の答えを予行演習

・局所的連座(密接な関係)を調査

・気候を制御する地球科学技術の選択肢を調査。

今日、地球温暖化がthermohaline circulation (熱塩循環・海洋底大循環)に対し著しく衝撃を与え始めるかもしれない境界値に達したいくつかの兆候がある。これらの兆候では過去40年にわたって北大西洋が融解氷河や増進した降水流によって本質的に塩分を含んでいない真水状態にされている事を示している。この報告書は、突発的気候変動の潜在的に不吉な成り行きのため、危険がたとえ不確でたぶんとても小さいとしても、科学の討論を越えてアメリカ合衆国国家安全保障の懸案として持ち上げられること提案する。

 

序文

ほとんどの人々が気候変動について考えるとき、彼らのイメージは気温の漸増と他の気象条件への緑の変化を想像する。そのイメージは将来に渡っての時間的変化は平坦であるとあくまでも漠然と認識している。一般通念では、近代社会は我々の直面するどのような気候状況であってもそれに適応し、気候変化の速度は社会の適応能力を圧倒しないだろうというものであり、京都暫定協定のような具現化された我々の努力が環境変動の衝撃を緩和するであろうというものでもある。

IPCC報告書による漸次の気候変化の兆候と食物や他の資源の人間活動への影響は安全保障に脅威を及ぼすほど厳しくは無い。

楽天主義者は気候変動の悪影響を技術革新の成果が払拭するであろうと主張する。漸次の気候変化での解釈によれば、将来も農業は成功し続けるだろうし、農業に適切な季節は長くなるだろうとしている。

南ヨーロッパ、アフリカ、中央及び南アメリカが旱魃と熱波、水不足から減少させられた農業生産を患うだろう間、北部ヨーロッパ、ロシア、および北アメリカは、農業で栄えるとも述べている。(漸次の気候変化での解釈に基づく)多くの典型的な気候シナリオのもとでは、全般的に世界的な食料生産は増加する。

気候変化に対するこの見解は世界中の地域ごとの強い暴風雨、季節風、洪水、旱魃による気象災害が増大していることに対する自己欺瞞的危険な行為であるのかも知れない。

気候に関する出来事は、それらがきれいな水、およびエネルギーへの入手と同様に、食物供給、都市および地域社会の状況、に影響するので、莫大な社会への衝撃を持っている。

例えば、オーストラリアの気候活動ネットワークによる最近の報告書は、気候変化が草地生態系で降雨を減少させそうであると言っている。

それは草生産力で15パーセント低下に至るとしている。

これは、結果的に、著しく牛肉供給を減少させて、12パーセントもの牛の平均的な重さの減少に至ることを示している。このような状況のもとで、乳牛による牛乳生産量はさらに30パーセント減少となり、そして、新しい病害虫が、果物を栽培する地域で蔓延しそうだ。

その上、このような状況は、飲料水の10パーセント減少をも示唆している。



次の15-30年以内に同時に世界中の地域で生じる食物生産問題といった次なる変化の状況についての見込みのモデルに基づいて、社会の適応能力を気候変動に処置しやすくする挑戦的意識を形作るべきだ。

今日、4億人以上の人々が乾燥地帯や亜熱帯に住んでおり、そしてそこはしばしば人口過剰であり、経済的に貧困な地域であり、気候変動とそれに続く結果の影響は政治的・経済的・社会的安定にとって厳しい危機に直面する。資源が不足し非常に激しい状況に急いで適応する能力のない、栄えていない地域では、問題は非常に悪化する。いくつかの国について、気候変動は大量の難民を発生させる。

すなわち、絶望的な人々がより良い生活を求めてアメリカ合衆国といった資源と適応力を持った地域へ移動しだす。

一般に行き渡っている漸次の地球温暖化シナリオが描写したより以上の状況が想定されるため、企業のリーダー、エコノミスト、政策立案者、政治家達はさらに進んだ変化の為のプロジェクションを求めており、気候上の人への影響を制御する為働き出している。

しかしこれらの努力は充分ではないかすぐには実行され得ないものなのかもしれない。



最近の証拠は、10年間かあるいは1世紀に渡る漸次の温暖化ではなく、より不吉な気候シナリオが開くかもしれないという可能性を示唆している。

これが、突発的気候変動によって起因する食物供給、健康および病気、商業および貿易、およびこれらの国家安全保障に連座(密接に関係)する事柄をペンタゴンが調査する理由である。突発的気候変動による気候変化後の将来の気候型、および特定の詳細を正確にあるいは大きい保証をもつほど予言することはできないが、気候変化の実際の歴史は幾つかの役に立つ案内書を提供している。

我々の目標はただ人類の経験上からすでに起こったひとつの事に類似しているもっともらしいシナリオを描写する事である。



そのことが即ちアメリカ合衆国国家安全保障に連座(密接な関係)する事柄をよく調査するということなのである。

(グリーンランドの氷コアのサンプリングから作った)上記のグラフは、特定の地域が一般的に温暖化の期間内に突然寒冷化する歴史的な傾向を見せている。



8,200年前の寒冷化事件

この報告書で概略を述べたシナリオは、グリーンランドの氷コアの記録によると、1世紀に及ぶ長い気候イベントで、型どられる気候変化として8,200年前に起こった。

現在の我々がそうであるとよく似た長期間に渡る温暖化の後に、急激な突発的寒冷化は起こった。グリーンランドの年平均気温は、およそ華氏5度(摂氏2.8度)落ちた、そして、同様な気温減少は、北大西洋地域の至る所で大々的に起こったのである。,200年のイベントの期間、ヨーロッパは厳冬となり、多くの場所で河が凍り氷河が拡大し農業生産力が失われた。

科学的証拠はこれらの事象がおそらく漸次の温暖化に続いて起こった海洋大循環(コンベアベルト)の崩壊に起因していると示唆している。

より長い氷コア、および大洋の記録は、過去730,000年間において最大8回の急激な寒冷化が起こったであろう事を示唆している。

そして海洋大循環の急激な減少がまさに驚くべきことに共通してこのような気候シフトを起こす容疑者らしい。



ヤンガードリアス

約12,700年前に、thermohalineサーキュレーション(熱塩循環・海洋底大循環)の明白な崩壊があった。その結果、グリーンランドでは気温が最低華氏27度(摂氏-2.8度)まで低下し、北大西洋のいたるところで同様な気候変化が起こった。この状況は1,300年間持続した。このヤンガードリアスイベントの注目に値する特徴は、それがおよそ5回の連続した10年間づつの気温低下で起こったということである。

そして、その後寒冷化乾燥化した気候が1,000年間以上持続した。この事象はヨーロッパ周辺の海および陸地に甚大な影響を及ぼした。(氷山がポルトガルのような南の海岸から見えるほどだった)(従って)その影響は今日以上に激烈だったようである。

より近代においては、土地の適切な居住可能性が寒冷化のために不安定になり、さらに人口が削減されることにより、文明変化を引き起こすことが明白だ。



小氷河期

北大西洋の地域は、14世紀に始まって19中世紀中ごろまで継続した寒冷化を経験した。この寒冷化は、一般に考えられている太陽放射の減少及び/または火山の噴火が大洋変化を促した為かもしれないが、大洋循環のかなりの速度減速によって引き起こされたのかもしれない。しばしば小氷河期と呼ばれるこの1300年から1850年まで存続した時代は厳しい冬季をもたらし、突然の気候の変化、農業や経済への深刻な影響、そして政治的な影響をもヨーロッパにもたらした。

この時代は恒常的な収穫量不足、凶作、疫病の蔓延、に特徴付けられており、おそらくもっともノルウェイ人や同様にバイキングとして知られアイスランドやもっと遠いグリーンランドに生活していた人々にとってそれが最も過激に感じられたと考えられる。

グリーンランドの海岸に沿った海氷の分布は、貿易商人が、グリーンランドへの彼らの船を近づけることや漁民が冬の間中魚を捕ることを妨害した。

結果として、農民達は家畜の飼料や彼ら自身の食料が不足し、あまり肥えさせていない家畜までも解体することを強制された。しかもなお、魚肉や野菜、穀物も無く、(すなわち)人口を食べさせる(維持する)のに充分な食料がそこには無くなったのである。

この地域においてより激しい気象条件による凶作があり、1315年から1319年の間だけでも凶作が原因で数万人の餓死者が発生したとの報告がある。全般的な寒冷化はまた明白にバイキング達をグリーンランドから追い立てた。別の言い方からすれば(バイキングの)社会崩壊の原因は寒冷化であると言えよう。

小氷河期のような気候危機だけが単独で文明国の終焉の原因であるとは言い切れないが、気候危機は社会へ大きな衝撃力を持っていることは否定できない。

アイルランドのジャガイモ凶作のために100万人が餓死したのはほんの175年ほど前のことだ。この事もまた気候変化によってこの地域に誘発された。



将来の気候変化シナリオ

突発的気候変動(気候ジャンプ)の過去の例は将来においても当然の事として突発的気候変動がありそれに注意を払うべきことを示唆している。

特にいくつかの最近の科学的発見は我々がこのような出来事に至る尖った先にいる可能性を示唆しているのだ。我々が構成した将来のシナリオは、今から8,200年前の出来事に基づく。それはヤンガードリアスよりもはるかに暖かく短時間であったのだが、小氷河期よりは厳しい状況であった。このシナリオでは地球の一部が寒冷化、乾燥化、暴風化しそうであるというもっともらしい仮説を立てることができる。

強力な調査が仮説を洗練し補う事が出来たにもかかわらず、現在のモデルを基礎としたこの仮説を確認するためのいかなる方法もない。

我々の目的は、どのように気候変化が起こるだろうかを予測することではなく、もし我々が気候変化への準備が出来ていなければ至るで、あろう社会的状況を劇的に表現することだ。我々が描写する具体的な気候状況及び密接な関係において、我々の目標は何が高い確実性の元に起こるかを綿密に予測する事よりもむしろ戦略上重要な議論を高める事なのである。

最も洗練されたモデルでさえも、気候変化がどのように展開し、地域社会にどちらから衝撃を与えるのか、また、どのように政府及び社会は応じるのだろうかを詳細に予測することなどできない。

しかしながら、在りそうも無い事を描写した以下のような極端な事例を科学的共通性とすることにより、一般的認識が明確になってくる。多くの科学者はそれがどのくらいすぐに、どのくらい大きく、急激に、また気候変化が同時にいたる所で現れるかについて、このシナリオは極端であると考えるだろう。

しかし歴史は時々極端な事例が存在することを我々に物語る。そして、このようなシナリオに注意を払うことが国防総省の仕事であり、そうしなければならない証拠がここにある。

このイベントの継続時間が、10年間か、100年間か、もしかすると1000年間であるか、そしてそれが今年始まるのか遠い将来に始まるのかに思いを留めていただきたい。

気候変化崩壊シナリオをここに提案し、我々は漸次の温暖化が2010年に至り終焉することに注意を払いそしてその後の10年間の概略を述べる。(すなわち)8200年前のイベントのように突然の気候変化に伴う寒冷化パターンの気候状況変化が起こる事を述べる。



2010年までの温暖化

現代文明は過去100年間に急激なる温暖化を経験した。そしてその後、21世紀の最初の10年間には大気の温暖化が加速している事を確認した。つまり、世界の平均気温が10年間当り華氏0.5度(摂氏0.28度)増加し最も激しい打撃を与えられる地域では10年間当り華氏最大2度(摂氏1.1度)増加している事を確認したのである。

このような気温の変化は地域によってまた季節によって全地球的には異なる。

(しかし)それは細かな目盛りの変化として平均的な変化より大きいかまたは小さいかだけだ。最も明確な事とは惑星が20世紀後半以降温暖化傾向を続けている事実なのである。北アメリカ、ヨーロッパのほとんどの地域及び南アメリカの一部の地域では、1世紀前に比べて(年間)30%も多くの日数で華氏90度(摂氏32.2度)を超える最大気温となり、極端な例では氷点下以下の日が(年間)数日しかなくなった。

温暖化に加えて、常軌を逸した気象パターン、即ち、異常出水があり、山岳地域が特にひどく、また穀倉地帯及び沿岸農業地帯での長引く旱魃がある。

一般的に、気候変化は経済的に厄介な問題をもたらす。

それは一般的に地域社会に暴風雨や旱魃として作用し、(特に)日照りは農業や他の気候に依存する活動に衝撃を与える。しかしながら、気候バターンはまだそんなに厳しくなく、また世界規模ので社会事象やアメリカ合衆国国家安全保障を威嚇するほどではまだない。



循環帰還増幅する温暖化

20世紀を通じて気温が上昇し、2000年代初頭では循環帰還増幅状態に至ったと確信できる。つまり、加速した温暖化が年間華氏0.2度(摂氏0.11度)から遂には華氏0.4度(摂氏0.22度)に達してしまい、幾つかの場所では年間華氏0.5度(摂氏0.28度)にも達してしまった。表面が暖まるので、水循環周期(蒸発、降水、流下)が一層の気温上昇により加速する。水蒸気、最も強力な自然の温室効果ガス、は、更なる熱を閉じ込めて、平均的な表面気温を上昇させる。蒸発が増すので、より高い表面気温は、動物が生息し農民が穀物を育てている森林や草原地帯を乾燥化させる原因となる。

木は枯れ焼け爛れ、森林の炭酸ガス吸収力は減退し、さらにまた地表面外気温は上昇し、激しく極端な山火事を抑制できなくする。温暖化した気温は山岳地帯の万年雪を溶かし、地面を露出させ、高緯度のツンドラ地帯及び永久凍土地帯のような寒帯気候地帯の至る所の森林を溶け出させせる。太陽光線の多くは反射されずに地面に吸収され、気温は尚一層上昇する。2005年までに、気候変化の影響は世界中のいたる所でより激しく感じられるだろう。より激しい暴風雨や台風は、ニュージーランドの近くのタラワやトゥバルと言った低地の島々を高潮が襲い洪水をもたらす。2007年に、特に激しい嵐が原因で、オランダの堤防が破壊され、ハーグといった幾つかの主要な沿岸都市は居住に適さなくなる。カリフォルニア中部を流れるサクラメント川流域の三角州の堤防は(破壊され)機能不全となり、カリフォルニアを北から南へ貫く給水システムが内海と分裂されて、その結果、乾季の間これらの地域は塩水を供給されるようになる。

ヒマラヤ氷河の融解速度が増し、その結果チベット人は移住し出すかもしれない。

北極海の氷は1970年から2003年の間に既に大量に40%も失われており、2010年の夏までに大部分は消失するだろう。

氷結していた氷が溶けるので、海抜が上昇し、冬季の海の範囲が減少し、波浪は激しさを増し、沿岸都市は損害を受けることになる。

その上、何百万もの人々は世界中の洪水(2003年におよそ4回発生した)により危険にさらされ、また水産業は水温が変化する事で魚が新しい生息地に移動する為混乱し、漁業権をめぐる緊張が増大する。これらの局所的災害の原因は各々の地域を包む厳しい気候の影響が自然の、人間のそして経済上の資源の減少を回復させようと奮起する為に起こる。温暖化の明確な循環帰還加速的状況は以前には想像もされなかった反応を引き起こす。すなわち小さな発展途上国には自然災害と嵐の天候は同時に起こる。

これらの衝撃は社会構造上、経済上、農業システム上の変化への対応力が組み込まれていない新興国にとってもっとも重大だ。

グリーンランド氷床の融解は、毎年の降雪を超える。

そして、高緯度地帯の降水量からますます増大する淡水の流下があるので、北大西洋水域、即ちグリーンランドとヨーロッパとの間の海域は淡水化するようになる。

これらの海域の淡水化が海水の密度の低下を招き、熱塩循環システムの急激な減速を生じる道を開く。



2010から2020までの期間



熱塩循環の崩壊

熱塩循環の減速が60年経過すると熱塩循環(世界的な熱塩循環コンベアの北大西洋部)そのものの崩壊が始まる。それは2010年に始まりメキシコ湾流の暖かい流れによりもたらされたヨーロッパの節度ある気候を混乱させる。海洋循環のパターンは変化する。

すなわち暖流が北上しなくなる事により北ヨーロッパ東北アメリカの気候は急激にシフトする。北大西洋はグリーンランドの氷床融解、さらに増やされた降雨と流水の影響から淡水化しつづける。高緯度が温暖化した10年間、降水量は増進し、塩分濃度の濃い北の海へ真水を供給しつづけた。それは本来はメキシコ湾流から暖かく塩分濃度の濃い海水が供給されていたのだが変わってしまったわけだ。

暖流のその大規模な流れは、もはや北大西洋へ遠く達しない。

気候への直接的影響はヨーロッパだけでなく北半球の多くの地域の寒冷化であり、主要な農業地帯や居住地帯の降雨量の劇的な低下だ。しかし、この10年間の間中、(熱塩循環の)崩壊の影響は伝統的な気候型が思い出したように再現する為に混乱させられつづける。熱塩循環の劇的な減速は何人かの海洋研究者によって予期されている。

しかしアメリカ合衆国はまだ充分にその影響、タイミング、あるいは強烈さを認識していない。気候、および海洋システムのコンピュータモデルは、改良されたが、政策立案者のための充分に一貫して、また正確な情報をプロデュースすることができないでいる。

気候パターンが崩壊の後でも年間の中で変化しているので、それがこれから将来に渡ってどのようなタイプの気候となるだろうかということがはっきりしないのだ。何人かの天気予報官が寒冷化と乾燥化は終わるだろうと信じている間、他の予報官は新しい氷河期あるいは世界的な旱魃がやってくると予報する。

政策立案者や一般大衆は将来の気候に関して極めて不確かな状態となり、何をどのようにしたら良いかを判断できなくなる。緊急に非常に多数の人々が解決策を要求しているにもかかわらず、これほど貧弱で、抜本的変革の必要な地球気候を映し出す“レーダースクリーンの映像”しかないか?



北半球大陸地域気候の寒冷化、乾燥化、強風化

気象通報:2010-2020

・ヨーロッパおよび東北アメリカの主要な人口密集地帯の回りにある農業地帯は10年間を通じて危険な旱魃を持続する。

平均的な毎年の気温は、アジアで華氏5度(摂氏2.8度)、北アメリカ華氏6度(摂氏3.3度)以上低下する。

・オーストラリア、南アメリカ、および南アフリカのいたる所で気温が華氏4度(摂氏2.2度)上昇する。

・変化の影響を詳しく調べると、冬季の嵐と風は激化。

・西ヨーロッパと北太平洋では激化した西風が吹き荒れる。



北ヨーロッパのいたる所で2010年から2020年の毎年について、平均気温の低下が見られる。この地域の平均年間降水量は30%近く減少する。そして、風は平均して15%強くなる。気象条件は、北アジアおよび北アメリカの大陸内部地域でより激化する。農業地帯、居住地帯において気温の低下による悪影響よりもむしろ旱魃の影響は破滅的だ。これらの地域の降水量の継続した減少により、湖は干上がり川の流量は減少し、そして真水の供給は、節約しても蓄えを使い果たしても、尚圧縮される。

メガ干ばつは、南中国と北ヨーロッパの主要な地域で2010年ごろ始まり、まるまる10年間継続する。同時に、過去数10年間にわたって比較的乾燥していて、伝統的に乾燥地農業に頼った地域は、猛烈な降雨と川の氾濫に見舞われる。北大西洋から北アジアを横切る地域において、寒冷化は冬季の中心、12月、1月、及び、2月、季節を通じて長引く影響を受け、尚且つ寒冷化は予期し得ないほどますます猛烈に進行する。

山岳地帯での降雪量が増大する為、夏季にも寒冷化は広がる。

寒冷化及び夏季の乾燥化に加えて、地域性の増大により大気循環が増進し風力風速が巨大化する。世界中において気候変化の始まりにより気候様式が混乱させられている間、(すなわち)熱塩循環崩壊後の最初の5年間、北ヨーロッパはその影響をもっとも受けると断言できる。その後の5年間までに、この寒冷化や厳しい気象状況は南ヨーロッパ、北アメリカ、そしてその向こう側の地域へと深く広がる。北ヨーロッパの寒冷化が長期化するに伴い、北大西洋は海氷が一面を覆い、冬季の表面気温はさらに進んだ寒冷状態となる。極から赤道への強い温度勾配に伴い、気圧分布はそれを分配するため、強風が吹き荒れる。寒冷な空気がヨーロッパ大陸を横切る為、農業にとって特に厳しい状況が引き起こされる。風と乾燥の組み合わせは、広範囲にわたる砂嵐、および大地損失の原因となる。ほとんどの大西洋の南方地域では温暖化の増進が見られるが、乾燥化は(北部と)同じだ

この10年間の終わりまでに、ヨーロッパの気候はほとんどシベリアのようになる。



海洋熱塩循環

気象通報:2010-2020

・ヨーロッパおよび東北アメリカの主要な人口密集地帯の回りにある農業地帯は10年間を通じて危険な旱魃を持続する。

平均的な毎年の気温は、アジアで華氏5度(摂氏2.8度)、北アメリカ華氏6度(摂氏3.3度)以上低下する。

・オーストラリア、南アメリカ、および南アフリカのいたる所で気温が華氏4度(摂氏2.2度)上昇する。

・変化の影響を詳しく調べると、冬季の嵐と風は激化。

・西ヨーロッパと北太平洋では激化した西風が吹き荒れる。



北ヨーロッパのいたる所で2010年から2020年の毎年について、平均気温の低下が見られる。この地域の平均年間降水量は30%近く減少する。そして、風は平均して15%強くなる。気象条件は、北アジアおよび北アメリカの大陸内部地域でより激化する。農業地帯、居住地帯において気温の低下による悪影響よりもむしろ旱魃の影響は破滅的だ。これらの地域の降水量の継続した減少により、湖は干上がり川の流量は減少し、そして真水の供給は、節約しても蓄えを使い果たしても、尚圧縮される。

メガ干ばつは、南中国と北ヨーロッパの主要な地域で2010年ごろ始まり、まるまる10年間継続する。同時に、過去数10年間にわたって比較的乾燥していて、伝統的に乾燥地農業に頼った地域は、猛烈な降雨と川の氾濫に見舞われる。北大西洋から北アジアを横切る地域において、寒冷化は冬季の中心、12月、1月、及び、2月、季節を通じて長引く影響を受け、尚且つ寒冷化は予期し得ないほどますます猛烈に進行する。

山岳地帯での降雪量が増大する為、夏季にも寒冷化は広がる。

寒冷化及び夏季の乾燥化に加えて、地域性の増大により大気循環が増進し風力風速が巨大化する。世界中において気候変化の始まりにより気候様式が混乱させられている間、(すなわち)熱塩循環崩壊後の最初の5年間、北ヨーロッパはその影響をもっとも受けると断言できる。その後の5年間までに、この寒冷化や厳しい気象状況は南ヨーロッパ、北アメリカ、そしてその向こう側の地域へと深く広がる。北ヨーロッパの寒冷化が長期化するに伴い、北大西洋は海氷が一面を覆い、冬季の表面気温はさらに進んだ寒冷状態となる。極から赤道への強い温度勾配に伴い、気圧分布はそれを分配するため、強風が吹き荒れる。寒冷な空気がヨーロッパ大陸を横切る為、農業にとって特に厳しい状況が引き起こされる。風と乾燥の組み合わせは、広範囲にわたる砂嵐、および大地損失の原因となる。ほとんどの大西洋の南方地域では温暖化の増進が見られるが、乾燥化は(北部と)同じだ

この10年間の終わりまでに、ヨーロッパの気候はほとんどシベリアのようになる。(続く)

9月 012012

 先日、ご紹介させていただいた「戦後史の正体」の著者、孫崎 亨氏の講演会が、私の友人の林さんの尽力で豊橋でも下記の要領で開催されることになりました。「戦後史の真実」を少しでも多くの方に知っていただきたいと思います。元外務省国際情報局長の話を是非、聞いていただけたらと思い、お知らせします。



「孫崎享(まごさきうける)講演会」

 

日米同盟と原発~戦後史の正体を暴く~

激動の昭和が終焉し、平成の世になり既に24年が経過した。暢気なまでに戦後の経済成長を謳歌した普通の人々は先の大震災と原発事故により、白日の下に晒された歴史の真実に驚愕した。

そのキーワードでもある「日米同盟」と「原発」の関係について「戦後史の正体」を解き明かしながら反骨の元外交官・孫崎享氏にお話いただく。

場 所:カリオンビル6階・多目的ホール 〒440-0897 愛知県豊橋市松葉町二丁目63番地 

    豊橋市民センター・カリオンビル 電話(0532)56-5141



 

日 時:9月16日(日)2時~4時半(質疑応答あり)

 

資料代:1000円 

お問い合わせ:090-8556-8301(林) 

 

主催:浜岡原発の危険性を考える会  

 

*(追加分)9月14日の地元紙東愛知新聞に「戦後史の正体」の書評を投稿しました。以下。  

「戦後史の正体=オキュパイドジャパン」

 

 1945年9月2日、日本国が降伏文書に調印するという敗戦の屈辱を味わってから67年の歳月が経ち、二十一世紀もその十分の一時を刻んだ。にもかかわらず、3月11日の東日本大震災と福島原発の事故後の政府、マスコミの動きを眺めていると残念ながら、日本の戦後が永遠といまだに続いていることがよくわかる。

 ところで、何年か前にノリタケのMADE  IN  OCCUPIED  JAPAN というりっぱな洋皿を教養豊かな年配の知人から借用したことがある。戦後直後に製造されたとは思えないりっぱなものであった。ある日、その皿をずっと眺めていて思ったことは、結局、現在も日本は「オキュパイドジャパン」のまま全く変わりがないのではないかということだった。



 

 たしかに私たちは、サンフランシスコ講和条約が1951年(昭和26年)9月8日に調印され、1952年(昭和27年)4月26日に発効し、日本が再び独立国になったと社会科の教科書で教えられてきたし、そう信じてきた。

しかしながら戦後60年以上を経て、改めて冷静に考えてみると明らかに日本は独立国ではない。今までいろいろな方がその状況をそれぞれの言い方をしてきた。半独立国、属国、保護国等いろいろな言い方があるようだ。

子供の頃、歳の離れた父から訳もわからずに聞かされてきた言葉が思い出される。軍医だった父は戦争中、何年も南方の戦地で働いていた。

「情けない。日本は戦争に負けてアメリカの植民地になった!」と彼は何もわからない子供たちにそんなことを夕餉の時に話すことがあった。

 

 そして、今回の3月11日の大震災、原発事故で改めて私たちが認識できたことは、日本はこのような非常事態に対応できるちゃんとした独立国家、主権国家ではなかったということである。

あまりにも残念なことだが、日本には「国民を守るために正しい情報を提供し、国民とともに行動する政府というものがなかったのである。そして私たちは、政府やマスコミによってあまりに無知な状態に戦後半世紀にわたって、隔離されてきたこともはっきりしてきた。

評論家の江藤淳氏が指摘した「閉ざされた言語空間」にずっと閉じこめられてきたのである。

 

 そう言えば、スキャンダルで失脚した防衛省の事務次官だった守屋武昌氏は「普天間交渉秘録」で次のように書いている。

 

「現在でも東京の港区、渋谷区、新宿区、西部地域の上空七千メートルまでは、米軍の上空になっている。朝鮮戦争の際ハワイ、グアムの米軍基地から最短距離で朝鮮半島に至る航空路がそこにあり、東京、神奈川、山梨、長野、そして新潟のそれぞれ一部は、現在でもコリドー(回廊)として米軍が使用しているからだ。西日本や北陸から羽田空港に向かう民間航空機が伊豆大島から高度を下げ、銚子から回り込むように羽田に着陸するのは、この空域を避けて飛ばなければならないからである。日本は占領期のままではないか。」

 

 なぜ、私たち日本人は、そういう戦後史を歩むことになってしまったのか?

戦争を知らない高校生でも理解できるように書かれた本が「戦後史の正体」という本である。今までにも、日本を狂わせたのは戦後、米国から押しつけられた「日本国憲法」であり、ゆえに、憲法が作られた過程、そして日米関係において本来、進むべき道が、吉田茂とマッカーサーによって、著しく歪められたという事実を論証した片岡鉄哉氏の「日本永久占領」のような本も出版されているが、元外務省の国際情報局長という要職にいた人間(=政府内にいた人間)が、この本を書いたということに大きな意味がある。

この本の一番の特色が、日本の戦後史が米国に対する「従米路線」と「自立路線」のせめぎ合いの歴史であり、その視点で見ることで今が見え、今後が見えてくることを解き明かしている点だと思われる。

ただ、ニューヨーク・タイムズの記者ティム・ワイナーが「CIA秘録」という本のなかで、はっきりとCIAのエイジェントだと指摘した「満州の妖怪」と呼ばれた岸 信介氏をどのように捉えるかと言う点について、江藤 淳氏が「忘れたことと忘れさせられたこと」という本で主張している「日本は無条件降伏したわけではない」ということに対してももう少し、論評があってもよかったのではないだろうか。

 

 そうは言っても、戦後アメリカが作り出したソフトパワーによって、日本の大手マスコミが巧みにコントロールされ続け、今も作り出している「閉ざされた言語空間」を思うとき、是非、多くの方に読んでいただきたい本であることは間違いない。

  

背景に星条旗の影が見える領土問題

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8月 282012

*尖閣問題、竹島問題の背景を考えてみました。マスコミ報道の煙幕を取り除くとはっきりと見えてくるものがあります、「星条旗」です。



 そう言えば、二年前の2010年9月にも今回のように、尖閣諸島における漁船衝突事件に端を発する中国・台湾側の行動が日に日にエスカレートしているとの報道が連日なされていた。

ネットに中国漁船と海上保安庁の巡視船との衝突の模様が流され、マスコミが大騒ぎをしていたことを思い出す方もおられるのではないか。

そして2012年、現在である。今回の騒動のきっかけを作ったのは、日本国の石原慎太郎東京都知事だった。 

 先日のレポートにも下記のような元外交官孫崎氏の指摘を紹介させていただいたが、おそらく彼の行動の裏には米国戦争屋=ネオコンの意向が働いていると見てほぼ間違いないのではないかと思われる。(米国タカ派のシンクタンク・ヘリテージ財団(米 ワシントンDC)でわざわざ講演?記者会見?したことからも一目瞭然である。)

ヘリテージ財団 (Heritage Foundation) は1973年に設立されたアメリカ合衆国ワシントンD.C.に本部を置く保守系シンクタンク。企業の自由、小さな政府、個人の自由、伝統的な米国の価値観、国防の強化などを掲げ、米国政府の政策決定に大きな影響力を持つ。ヘリテージ財団の活動はこれまでのシンクタンクの概念を変化させた。(ウィき記事より抜粋。)

 

元外交官の孫崎 亨氏が、ツィーターで的確な指摘をしているので、紹介させていただく。以下。

石原は似非愛国主義

 

石原批判:尖閣購入をぶち上げることによって、石原知事は英雄的扱いを受けている。待って欲しい。尖閣諸島は本来東京都と何の関係もない。彼は東京都と関係ある所でどうしているのか。そこで「愛国的」に振る舞っているか。

豊下楢彦氏は世界8月号で〈「尖閣購入」問題の陥穽〉を発表。尖閣の考察は素晴らしいがここでは石原氏に絞りたい。東京都の米軍横田基地の存在である。

 

『東京新聞』は「横田基地は必要なのか」と題する長文の社説(513日付)において、現在の同基地が、輸送機とヘリがわずかに発着するだけの「過疎」の状況である一方で、18県の上空を覆う横田空域が「米軍の聖域」になっている現状を指摘し、「首都に主権の及ばない米軍基地と米軍が管理する空域が広がる日本は、まともな国といえるでしょうか」と問いかけた。

まさに石原流の表現を借りるならば、「独立から60年も経って首都圏の広大な空域が外国軍の管制下にあるような国なんか世界のどこにあるんだ」ということであろう。しかし、この威勢のよい啖呵の矛先は、13年前に「横田返還」を公約に掲げて都知事に就任した石原氏当人に向かうことになる。石原氏は横田基地の即時返還を米国に正面から突きつければ良いのではないか。

1972年の沖縄返還に際し米国は“沖縄と一緒に尖閣諸島の施政権は返還するが、主権問題に関しては立場を表明しない”との方針を決定。日中間で領土紛争が存在すれば、沖縄の本土への返還以降も“米軍の沖縄駐留は、より正当化される”という思惑。尖閣諸島の帰属に関するニクソン政権の“あいまい”戦略は日中間に紛争の火種を残し、米軍のプレゼンスを確保する狙い。

この構図は北方領土と同じ。日本とソ連が領土問題で紛争状態の永続化することが米国のメリットと判断。尖閣諸島の帰属問題で米国が「あいまい」戦略をとり、日本と中国が争う状況は米国に両国が弄ばれている姿。

石原氏は講演で渡米する前に“向こうで物議を醸してくる”と述べた。それなら、1970年代以来の尖閣問題の核心にある米国の“中立の立場”について、なぜ“物議を醸す”ことをしなかったか。東京都管轄の横田の返還を米国からとれず、尖閣に火をつけ政治的利益を計る石原は似非愛国主義者。」(引用終わり)

 辺境の無人島であるはずの尖閣諸島がなぜ、ここまで騒ぎになるかと言えば、その根底に「領土問題」があるからである。漁業権の問題ももちろんあるが、日本と中国・台湾が同領土に拘る(こだわる)最大の理由は、「イラクにも匹敵する程の海底資源(1000億バレルもの石油、ガス田)が埋まっている可能性があるため」である。

実際、それまで尖閣諸島に何の興味も示さなかった中国・台湾が、1971年に地下資源埋蔵の可能性が確認された途端、「領有権」を主張し出したというのが事の経緯である。

尖閣諸島については、以下の通り、2点の興味深い事実が存在する。

①尖閣諸島近辺に豊富な海底資源があることは、69年~70年、”米国の意向を受けた”「国連」による調査にて判明した。

②同時点で尖閣諸島は日本領ではなく、アメリカ領であった。

石油利権確保のためなら、戦争を起こしてでもそれを略奪してきたアメリカが、実にアッサリと日本に尖閣諸島を返還しているのは明らかに不可解である。

 ではなぜ、アメリカは尖閣諸島の海底油田をみすみす放棄したのであろうか?

ひとつには、現実問題として、尖閣諸島に埋蔵されている海底油田の開発が、技術的にも、経済採算的にも、海洋環境保全的にも、割に合わないと判断した可能性もある。

そしてもうひとつには、日本・中国・台湾による争い事=領土問題を創出する目的の方が重要である(将来の大きな利益につながる)と考えたためであるとも推測できる。

 つまり、日本、中国、台湾、朝鮮等が連携し、アジアが結束することのないよう、海底資源の奪い合いをするよう仕向けるべく予め、布石を打っておいたということである。

上記①にあるように、アメリカの意向を受けた国連が尖閣諸島の海底資源の存在を示した情報元であるところからすでに怪しさが漂っており、実際のところ、1000億バレルもの石油が存在するという話もかなり誇張されたものである可能性も否定できない。

米国戦争屋からすれば、極東地域は、主戦場である中東地域に次ぐ「ビジネス(金儲け)の場」に設定されている。(このことは米国の軍事計画を見れば、一目瞭然である。)

第二次世界大戦後、中東の継続的混乱状態を創出する目的で、欧米のエリートがイスラム教の聖地エルサレムにイスラエルを建国したのと同様、極東地域の混乱状態を創出する目的のひとつとしてアメリカが仕掛けておいたのが、尖閣諸島問題である。

そのように考えていくと、今回の尖閣諸島問題の裏側にも、「米国戦争屋」が暗躍しているとみるのが妥当であろう。

そして、その最終的な狙いは、元外交官の原田武夫氏も指摘している日中による軍事衝突である。

石原氏が誘発した今回の中国側の一連の行動は、とても芝居がかっており、中国の国家レベルでの意思だとはとても思えない。

アメリカに「戦争屋勢力(デイヴィッドRF系)」と「銀行屋勢力(ジェイRF系)」があるように、中国も大きく分けて「北京閥」と「上海閥」という勢力図・勢力争いが存在し、決して一枚岩ではない。

当たり前のことだが、国家間に起こっているどんな問題でも、その国家を”一枚岩”のものとして捉えて物事を見てしまうとその全貌は見えてこない。その意味では、日本のマスメディアは物事の本質を決して語らない。

それぞれの国家には、通常、対抗する2つ(以上)の勢力があり、そのいずれかが敵対している外国国家の一派と結託しているものである。

日本のマスコミや御用評論家は知ってか知らずしてか、国家が一枚岩である前提レベルで物事を単純化して解説するため、話を聞いていても「事の真相」が全くわからない。彼らが、わざとそうしている面もあるので、視聴者は、テレビを見るのをやめて自分で勉強するしか真実に近づく道はない。

 今回の尖閣諸島問題で言えば、「アメリカ戦争屋」と「上海閥」が結託し、問題をエスカレートさせ、場合によっては紛争まで発展させるための「演習」をやっていると見るのが一番わかりやすいと思われる。

 

ところで考えていただきたいのは、今回、そのきっかけを作ったのは誰かということである。

 あの石原慎太郎氏である。上記の文脈から言えば元外交官孫崎氏が指摘するように残念ながら、石原氏は似非愛国者だということになってしまう。「ノーと言える日本」を書いた若き日の石原氏とは全く違う親馬鹿の老人が息子、自民党幹事長伸晃氏のために米国のご機嫌をとっているというのが楽屋裏の事情だとしたら、あまりに情けなく、寂しい話である。

 もし、尖閣諸島あるいは日本海沖にて有事が発生すれば、「米国戦争屋」はアジア共同体の阻止と武器・弾薬の一掃セールで大儲けができ、対する「上海閥=江沢民」も崩壊寸前のバブル経済による弱体化により「北京閥=胡錦濤」一派の巻き返しより国内での影響力・発言力が弱まる懸念を払拭・回避できるというメリット・狙いがある。

すなわち、「米国戦争屋」「上海閥」両者の思惑が一致するというのが、尖閣諸島における騒動の真相であろう。



ジョセフ・ナイ

 ここで、アメリカの”ジャパンハンドラーズ”の大物・ジョセフ・ナイが以前に取り纏めたという興味深い報告書が存在するので紹介させていただく。

その報告書は、「対日超党派報告書」― Bipartisan report concerning Japan というものであり、その内容は以下の通りである。

1.東シナ海、日本海近辺には未開発の石油・天然ガスが眠っており、その総量は世界最大の産油国サウジアラビアを凌駕する分量である。米国は何としてもその東シナ海のエネルギー資源を入手しなければならない。

2.そのチャンスは台湾と中国が軍事衝突を起こした時である。当初、米軍は台湾側に立ち中国と戦闘を開始する。日米安保条約に基づき、日本の自衛隊もその戦闘に参加させる。中国軍は、米・日軍の補給基地である日本の米軍基地、自衛隊基地を「本土攻撃」するであろう。本土を攻撃された日本人は逆上し、本格的な日中戦争が開始される。

3.米軍は戦争が進行するに従い、徐々に戦争から手を引き、日本の自衛隊と中国軍との戦争が中心となるように誘導する。

4.日中戦争が激化したところで米国が和平交渉に介入し、東シナ海、日本海でのPKO(平和維持活動)を米軍が中心となって行う。

5.東シナ海と日本海での軍事的・政治的主導権を米国が入手する事で、この地域での資源開発に圧倒的に米国エネルギー産業が開発の優位権を入手する事ができる。

6.この戦略の前提として、日本の自衛隊が自由に海外で「軍事活動」が出来るような状況を形成しておく事が必要である。

如何だろう。上記の論理が米国という国のむき出しの本音である。

このアメリカ政府の戦略文書は、クリントン政権時、CIAを統括する米国大統領直属の国家安全保障会議NSCの議長で、東アジア担当者でもあったジョセフ・ナイが、米国上院下院の200名以上の国会議員を集め作成した、対日本への戦略会議の報告書である。

日本人が頭に入れておくべきことは、米国戦争屋はいつの時代も極東地域の「パレスチナ化」を想定しており、中東にて物事がうまく運ばない場合は、いつでも代役である東アジア諸国を戦争に導くシナリオを持っているということである。



アーミテージ元米国務副長官

 この他にも、やはり、ジャパンハンドラーズの大物・アーミテージ元米国務副長官が、2000年に対日外交の指針として、ジョセフ・ナイら超党派と「アーミテージレポート」なる報告書を作成している。

その報告書もやはり、日本に対して有事法制の整備を期待する内容がこと細かく盛り込まれた内容となっている。(具体的に、尖閣諸島や集団的自衛権の行使にも言及されている)

これらの報告書に書かれた内容が「米国戦争屋」の行動のベースにあると考えるならば、尖閣諸島問題の裏側で米国が糸を引いている可能性が極めて高いということになる。

よって、私たち日本人は、このような政治的背景があることを認識し、冷静に対応することが肝要である。

 また、TV各局で流されている中国本土における「反日行動映像」はごく少数の人間によるものであり、中国全土でみれば、そのような反日的行為はほとんど見られないというのが実情で、「反中」を焚きつけるようなマスコミ報道にはくれぐれも騙されないよう、冷静に受け流すべきである。評論家の日下公人氏が指摘していたが、日本のアニメの文化浸透力には、驚くべきものがあり、中国の若い人にも日本のアニメが浸透し、大きな影響を与えている。その影響力の方が日本の首相よりはるかに大きいとのことである。

そして、竹島問題も上記の尖閣と相似形の構造を米国が構築しているのは、言うまでもない。

そもそも、竹島問題の決定権は米国にあるのだ。

韓国は米国に竹島の領土問題を強く働きかけていた。一方、日本=自民党=外務省は米国への働きかけを怠っていたのである。

「米国地名委員会」が竹島を韓国領土としたことについて、当時の町村官房長官は「米国地名委員会は米政府の1機関」と語った。しかし、ブッシュ大統領が竹島を韓国領土と改めさせたのである。つまり、米国は覇権力を行使し、竹島を韓国領土と改めたのである。その目的は分断統治である。

このように筋道をたどっていけば、竹島問題というのは実は日米問題なのである。

「米国地名委員会」は、ブッシュ政権時代に竹島を韓国領土と認めている。国際的に認められているポツダム宣言に、日本の領土はアメリカ(=連合国)が定めると書いてある。日本は韓国ではなくアメリカと交渉しなければ、竹島問題を解決することはできないのである。

 なぜ、日本のマスコミはこのことをはっきり指摘しないのであろうか、疑問である。

 2008年当時与党であった自民党の属米姿勢が、今日の竹島領土問題で、韓国の強硬な姿勢を生み出してしまったことを忘れてはならない。

<米国地名委員会(U.S. Board on Geographic Names)>

米国政府が使用する地名の統一を目的に1947年に設立された米国政府の一機関である。同委員会で決定された表記方針は、国務省等全ての連邦政府機関を拘束するものであり、政府機関の出版物等は同委員会の表記方針に従った表記を行わなければならず、その他の米国内の機関についても、同委員会で決定された表記方針を用いることが強く推奨されている。

*参考資料

*ブログ 為替王より(引用はじめ)

韓国ウォン為替レートの過去推移でわかる、日本が韓国を何度も守ってあげてきた歴史

 韓国ウォンの為替レートが過去どのように推移したか、日本が韓国にどのようにかかわってきたか、日韓の正しい歴史を理解するために、韓国ウォンの為替レート(対米ドル)推移グラフをご覧ください。



■韓国ウォンの対米ドル為替レート推移
グラフは上方向がウォン高、下方向がウォン安を表します。
丸で囲った部分が合計4つありますが、左側の大きな2つが、過去2回のウォン暴落、右側の小さな2つが、近年の2回の小幅なウォン急落。

日本が支援してあげた、アジア通貨危機
1回目のウォン暴落は、1997年~1998年のアジア通貨危機。ウォンの価値は半値以下に暴落しました(現在の米ドル円にたとえるなら、80円から一気に200円へと円が暴落するようなイメージ)。
当時、韓国は、日本からの強力な支援を受けて最悪の事態は回避されましたが、自力での再建が困難な状況になり、最終的にIMFなど国際機関による救済を受けました。

日本が救ってあげた、リーマン危機
2回目のウォン暴落は、2008年~2009年のリーマン危機。「100年に1度」といわれたリーマン危機にもかかわらず、アジア危機当時ほどウォンは暴落しませんでした。
この背景は、日韓通貨スワップ協定などにより、日本が韓国ウォンの暴落および韓国経済の破綻を全力で防いだからです。

日本が危機を回避してあげた、ギリシャ危機、欧州債務危機
近年の小幅な急落は、2010年5月のギリシャ危機と、2011年9月の欧州債務危機。いずれも1カ月間で1割超のウォン急落が起きました。
過去と比較して小幅な急落で収まった背景は、日韓通貨スワップ協定における支援を増額するなどして、日本が韓国ウォンの暴落および韓国経済危機を回避すべく全面的に守ってあげたからです。

日本に守られてきた韓国の反応
これだけ日本が韓国を救ってきたにもかかわらず、韓国側は慰安婦像の設置、竹島の不法占拠、日本海呼称変更要求、天皇陛下に対する侮辱行為、理不尽な謝罪と賠償要求その他数え切れないほどの日本への敵対的行為をひたすら続けているのが現状です。(引用終わり)



<竹島>

*以前のレポートより

(日本人が頭に入れておくべきことhttp://www.yamamotomasaki.com/archives/714)でも指摘しました。以下。

ウォン安回避で支援拡大 日韓首脳会談で合意

(産経MSNニュース2011.10.20 01:13より)

共同記者会見を終え握手する野田首相(左)と韓国の李明博大統領=19日午前、ソウルの青瓦台(共同)

【ソウル=阿比留瑠比】韓国訪問中の野田佳彦首相は19日、ソウルの青瓦台(大統領府)で、韓国の李明博大統領と会談した。両首脳は欧州金融不安を受けたウォン安回避に向け、韓国への資金支援枠を現行の130億ドル(約9900億円)から700億ドル(約5兆3600億円)に拡大することで合意した。平成16年から中断している経済連携協定(EPA)交渉の早期再開に向けて実務者レベルでの協議を加速化させることで一致した。

両首脳の会談は、9月の米ニューヨークでの国連総会以来2回目。両首脳は、元慰安婦や竹島の問題は触れず、未来志向の日韓関係を築いていくことで一致。「日韓新時代共同研究プロジェクト」第2期を始めることも合意した。(引用終わり)

 ソウルで李明博大統領と会談した野田総理は、韓国がウォン安を乗り切るために通貨融通枠を5倍にすると約束した。もともと韓国は政府自ら通貨介入でウォン安を作りだし、国際競争力を高めて利益を上げ続けてきた。しかし、今回のユーロ金融危機で投資資金が一気に引き揚げられてしまい、ウォン安が止められなくなった。自業自得である。反日姿勢を崩さず、困ったときだけ援助を求めてくる韓国政府に対しては、きちっとした対応が絶対必要である。日本とは領土問題もあったのではないか。

先日、中国が大量にドル売りを実行した事が明らかになっているが、当然、中国がドル売りをすれば、韓国もドル売りをしなくてはならない。それを売らないで済む様に日本に700億ドルものお金を米国が出させたのだろう。

ところで、TPPに参加しないと日本は韓国に負けるなどという人たちがいまだに日本のテレビ番組に登場するが、どういうつもりなのだろう。頭の中を覗いてみたいものだ。まず、TPPに参加すると、韓国と自由競争する国:日本が5兆円以上お金をその国に援助している異常さを指摘すべきではないかと思うのだが、

 ここで、上記に示した援助額をもう一度、見ていただきたい。米国の援助額は、「トモダチ作戦」をあわせても110億円ちょっとしかない。その見返りとして、米国が日本から引き出した金額は、間接的、直接的なものを含めて110兆円を超えている。実に一万倍である。一説によるとこの日本から引き出したお金でこの夏のドル危機を乗り切ったとも言われているが、今回引き上げられた米国債上限額引き上げ分と110兆円がほぼ同じ金額なのも意味深である。

 韓国の震災援助額は約7億円である。韓国は今回の日韓首脳会談で米国並みの約7500倍のお金を日本から引き出したことになる。(引用終わり)

*ポツダム宣言

千九百四十五年七月二十六日
米、英、支三国宣言
(千九百四十五年七月二十六日「ポツダム」ニ於テ)

  • 、吾等合衆国大統領、中華民国政府主席及「グレート・ブリテン」国総理大臣ハ吾等ノ数億ノ国民ヲ代表シ協議ノ上日本国ニ対シ今次ノ戦争ヲ終結スルノ機会ヲ与フルコトニ意見一致セリ
  • 、合衆国、英帝国及中華民国ノ巨大ナル陸、海、空軍ハ西方ヨリ自国ノ陸軍及空軍ニ依ル数倍ノ増強ヲ受ケ日本国ニ対シ最後的打撃ヲ加フルノ態勢ヲ整ヘタリ右軍事力ハ日本国カ抵抗ヲ終止スルニ至ル迄同国ニ対シ戦争ヲ遂行スルノ一切ノ連合国ノ決意ニ依リ支持セラレ且鼓舞セラレ居ルモノナリ
  • 、蹶起セル世界ノ自由ナル人民ノ力ニ対スル「ドイツ」国ノ無益且無意義ナル抵抗ノ結果ハ日本国国民ニ対スル先例ヲ極メテ明白ニ示スモノナリ現在日本国ニ対シ集結シツツアル力ハ抵抗スル「ナチス」ニ対シ適用セラレタル場合ニ於テ全「ドイツ」国人民ノ土地、産業及生活様式ヲ必然的ニ荒廃ニ帰セシメタル力ニ比シ測リ知レサル程更ニ強大ナルモノナリ吾等ノ決意ニ支持セラルル吾等ノ軍事力ノ最高度ノ使用ハ日本国軍隊ノ不可避且完全ナル壊滅ヲ意味スヘク又同様必然的ニ日本国本土ノ完全ナル破壊ヲ意味スヘシ
  • 、無分別ナル打算ニ依リ日本帝国ヲ滅亡ノ淵ニ陥レタル我儘ナル軍国主義的助言者ニ依リ日本国カ引続キ統御セラルヘキカ又ハ理性ノ経路ヲ日本国カ履ムヘキカヲ日本国カ決意スヘキ時期ハ到来セリ
  • 、吾等ノ条件ハ左ノ如シ
    吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ右ニ代ル条件存在セス吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス
  • 、吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス
  • 、右ノ如キ新秩序カ建設セラレ且日本国ノ戦争遂行能力カ破砕セラレタルコトノ確証アルニ至ルマテハ聯合国ノ指定スヘキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スルタメ占領セラルヘシ
  • 、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ
  • 、日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ
  • 、吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ
  • 十一、日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許可サルヘシ日本国ハ将来世界貿易関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ
  • 十二、前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府カ樹立セラルルニ於テハ聯合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ
  • 十三、吾等ハ日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス
(出典:外務省編『日本外交年表並主要文書』下巻 1966年刊)

戦後史の正体

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8月 152012

 今回は、意図的に1951年のサン・フランシスコ講和条約の締結位しか、戦後史を勉強させられない中学生、高校生が読むべき教科書のような本が出版されたので、紹介させていただく。

内容は、今までレポートで指摘させていただいた内容と重複するところが多いが、やはり、元外務省の国際情報局長の要職にいた人間が、この本を書いたということに大きな意味があるのではないか。

国際政治の世界の現実≒パワーポリティックス≒諜報の世界≒国益を追求するには手段を選ばないが嫌いなナイーブな人間(≒戦後の米国によるマインドコントロールによって大量生産された日本の知識人のような人々)たとえば、いろいろ国内問題では鋭い指摘をする評論家の内田 樹氏のような人も国際政治を見る段になると、途端にナイーブになって、この本を陰謀論だと指摘してしまうのが日本の悲しい現実である。

 この本の一番の特色が、日本の戦後史が米国に対する「追随路線」と「自立路線」のせめぎ合いの歴史であり、(若干、単純化し過ぎたきらいも考えないわけではないが、)その視点で見ることで今が見え、今後が見えてくることを解き明かしている点だと思われる。

 ただ、「満州の妖怪」と呼ばれた岸 信介氏をどのように捉えるかと言う点、江藤 淳氏が「忘れたことと忘れさせられたこと」という本で書いているように日本は無条件降伏したわけではないということに触れられていないことに対しては、もう少し、配慮があってもよかったのではないだろうか。そうは言っても、今も日本で続く大手マスコミが作り出している「閉ざされた言語空間」を思うとき、是非、読んでいただきたい本であることは間違いない。



<孫崎 亨氏(まござき うける)氏のプロフィール>

東京大学法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。東大卒業を待たず中退のうえ、1966年外務省入省した。英国、ソ連、米国(ハーバード大学国際問題研究所研究員)、イラク、カナダ勤務を経て、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。国際情報局長時代は各国情報機関と積極的に交流。外務省のいわゆる「情報屋」として、岡崎久彦の後輩にあたり、直接の部下だったこともある。後述のように親米派の岡崎とは対極の考えを持つが、在職中は互いの立場を尊重し、信頼関係もあったようである(『日米同盟の正体』あとがき)。

(以下、本書より抜粋)

戦後の歴代首相を「自主」と「対米追随」に分類

(1)自主派(積極的に現状を変えようと米国に働きかけた人たち)

重光葵(降伏直後の軍事植民地化政策を阻止。のちに米軍完全撤退案を米国に示す)

石橋湛山(敗戦直後、膨大な米軍駐留経費の削減を求める)

芦田均(外相時代、米国に対し米軍の「有事駐留」案を示す)

岸信介(従属色の強い旧安保条約を改定。さらに米軍基地の治外法権を認めた行政協定の見直しも行おうと試みる)

鳩山一郎(対米自主路線をとなえ、米国が敵視するソ連との国交回復を実現)

佐藤栄作(ベトナム戦争で沖縄の米軍基地の価値が高まるなか、沖縄返還を実施)

田中角栄(米国の強い反対を押しきって、日中国交回復を実現)

福田赳夫(ASEAN外交を推進するなど、米国一辺倒でない外交を展開)

宮沢喜一(基本的に対米協調。しかしクリントン大統領に対しては対等以上の態度で交渉)

細川護煕(「樋口レポート」の作成を指示。「日米同盟」よりも「多角的安全保障」を重視)

鳩山由起夫 (「普天間基地の県外、国外への移設」と「東アジア共同体」を提唱)

(2) 対米追随派(米国に従い、その信頼を得ることで国益を最大化しようとした人たち)

吉田茂(米国に従い、その信頼を得ることで国益を最大化しようとした人たち)

池田勇人(安保闘争以降、安全保障問題を封印し、経済に特化)

三木武夫(米国が嫌った田中角栄を裁判で有罪にするため、特別な行動をとる)

中曽根康弘(安全保障面では「日本は不沈空母になる」発言、経済面ではプラザ合意で円高基調の土台をつくる)

小泉純一郎(安全保障では自衛隊の海外派遣、経済では郵政民営化など制度の米国化推進)



海部俊樹

小渕恵三

森嘉朗、

安倍晋三

麻生太郎

管直人

野田佳彦

(3) 一部抵抗派(特定の問題について米国からの圧力に抵抗した人たち)

鈴木善幸(米国からの防衛費増額要請を拒否。米国との軍事協力は行わないと明言)

竹下登(金融面では協力。その一方、安全保障面では米国が世界的規模で自衛隊が協力するよう要請してきたことに抵抗)

橋本龍太郎(長野五輪中の米軍の武力行使自粛を要求。「米国債を大幅に売りたい」発言」)

福田康夫 (アフガンへの陸上自衛隊の大規模派遣要求を拒否。破綻寸前の米金融会社への巨額融資に消極姿勢)

*長期政権となった吉田茂、池田勇人、中曽根康弘、小泉純一郎の各首相は、いずれも「対米追従」の人たちである。

日本社会の中に「自主派」の首相を引きずりおろし、「対米追随派」にすげかえるためのシステムが埋め込まれていると著者は指摘している。

1.検察

なかでも特捜部はしばしば政治家を起訴。特捜部の前進はGHQの指揮下にあった「隠匿退蔵物資事件特捜部」で終戦直後、日本人が隠した「お宝」を探し出しGHQに差し出すのがその役目だった。したがって、検察特捜部は、創設当初からどの組織よりも米国と密接な関係を維持してきた。

2.報道

占領期から今日まで、米国は大手マスコミのなかに、「米国と特別な関係をもつ人びと」を育成してきた。

3.外務省、防衛省、財務省、大学などのなかにも、「米国と特別な関係をもつ人びと」が育成されている。

自主派の政治家」を追い落とすパターン

①占領軍の指示により公職追放する

鳩山一郎、石橋湛山

②検察が起訴し、マスコミが大々的に報道し、政治生命を絶つ

芦田均、田中角栄、少し異色ですが小沢一郎

③政権内の重要人物を切ることを求め、結果的に内閣を崩壊させる

片山哲、細川護煕

④米国が支持しないことを強調し、党内の反対勢力の勢いを強める

鳩山由紀夫、福田康夫

⑤選挙で敗北  

宮沢喜一

⑥大衆を動員し、政権を崩壊させる

岸信介

≪この六つのパターンのいずれにおいても、大手マスコミが連動して、それぞれの首相に反対する強力なキャンペーンを行なっています。今回、戦後70年の歴史を振り返ってみて、改めてマスコミが日本の政変に深く関与している事実を知りました。

このように米国は、好ましくないと思う日本の首相を、いくつかのシステムを駆使して 排除することができます。難しいことではありません。 たとえば米国の大統領が日本の首相となかなか会ってくれず、そのことを大手マスコミが 問題にすれば、それだけで政権は持ちません。それが日本の現実なのです。≫

・参照:233ページ

≪2009年に自民党から民主党に政権交代が起こった際にも、当初米国にきびしい姿勢をとった鳩山由紀夫氏や小沢一郎氏に代わって、いつのまにか、野田佳彦氏、前原誠司氏など、米国との関係を重視する松下政経塾出身者が民主党内で勢力をもつようになります。米国がいかに長期的戦略をもって日本に対応しているか・・・≫

・参照:360ページ

≪鳩山政権が普天間基地の「最低でも県外移転」を主張して、米国につぶされたのは誰の眼から見てもあきらかでした。おそらくそのためでしょう。鳩山首相をひきついだ菅首相、野田首相は、ふたりとも極端な対米追従路線に転換します。その代表が、TPP参加問題です。≫

*ところで、この本について、鳩山グループの勉強会で孫崎氏が講演しているが、その中でこの本にも書かれていない、「日米安保に隠された岸信介元首相の仕掛け」を孫崎氏が語っている。知らない人もおられると思うので、紹介させていただく。

講演動画より抜粋:http://t.co/FFaadPM9

孫崎

一回安保条約を破棄すれば現行の日米地位協定も切れる。そして、新しい安保条約の下に新たな地位協定をつくればいい。

今の地位協定で米軍の配置を変えようとしても、米軍がNOと言えば何もできない。安保条約自体を一度破棄することによって、もう一度我々の意向が入った地位協定を作ることができる。

山田元農相の質問

安保条約を詳しくは読んでないですけれども、あの中に破棄できるようになっているわけですね?

孫崎

そうです。

山田

どういう場合に破棄できるんですか?

孫崎

10年経ったら、通告すればいいんです。そしたら一年後に破棄できるんです。通告だけでいんです。

それを岸(信介元首相)さんが盛り込んだんです。1970年以降はもうそれでいい。岸さんの時はまだできなかった。だから、1970年以降の政治家にできるように仕組んだんだと思います。

山田

それをずっと更新されてきたわけですね。

孫崎

いや、だから今も止めると言えばいいんです。

鳩山総理が「俺は1年後にやめる」という通告をすれば終わるんです。

山田

それが一番地位協定を変えるのに早いですね。

孫崎

そうだったんです。いや、わたし今の話は、実は私の頭でわかっていたのではなくて、2日前にツイッターの人から電話があったんですよ。

「先生の本を今読んでいるんだけれども、岸さんがこういうことをやったというけれども、岸さんが10年で止めるということをいい、それが地位協定とこういう関係になっているというのを、あなた何で言わないんですか」って言われたんですよ。

私、気が付かなかったんだと・・・。だからツイッターというのはいろんな人がいろいろなことを教えてくれるんですよね。



戦後、67回目の終戦記念日を迎えた今、日本を本当の独立国にするためにも多くの人に読んでいただきたい本である。

*98ページ分無料でダウンロードできます。以下。http://www.sogensha.co.jp/pdf/preview_sengoshi.pdf

 

<参考資料>(外務省のホームページより)

 

「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」

 

 日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、

 また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、よつて、次のとおり協定する。

第一条

 締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。

 締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。

第二条

 締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによつて、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。

第三条

 締約国は、個別的に及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

第四条

 締約国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。

第五条

 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。

第六条

 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。

 前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(改正を含む。)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

第七条

 この条約は、国際連合憲章に基づく締約国の権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する国際連合の責任に対しては、どのような影響も及ぼすものではなく、また、及ぼすものと解釈してはならない。

第八条

 この条約は、日本国及びアメリカ合衆国により各自の憲法上の手続に従つて批准されなければならない。この条約は、両国が東京で批准書を交換した日に効力を生ずる。

第九条

 千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約は、この条約の効力発生の時に効力を失う。

第十条

 この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。

 もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。

 

以上の証拠として、下名の全権委員は、この条約に署名した。

 千九百六十年一月十九日にワシントンで、ひとしく正文である日本語及び英語により本書二通を作成した。

日本国のために

 岸信介

 藤山愛一郎

 石井光次郎

 足立正

 朝海浩一郎

アメリカ合衆国のために

 クリスチャン・A・ハーター

 ダグラス・マックアーサー二世

 J・グレイアム・パースンズ 

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